Translate

2012/09/16

タイガーマスク #24「開幕!!覆面リーグ戦」

録画した日〔2012/9/14:TOKYO MX〕

虎の穴・ミスターX提唱の「覆面リーグ戦」構想に揺れる伊達タイガー。
1週間かけて下した彼の決断は、なんと「日プロ離脱、覆面リーグ参戦」というプロレス界をヒックリ返す爆弾移籍劇でした。
伊達タイガーは東京駅の新幹線ホームで、馬場さん&猪木&吉村道明の日プロ3トップへ離脱を報告します。
新幹線での離脱劇とくれば思い出すのが、1985年IWGPタッグリーグの超獣・ブロディ(&ジミースヌーカ)による決勝戦ボイコット。
”乗車拒否”の伊達タイガーに対して超獣・ブロディは”途中下車”。この違いこそあれ、新聞記者のキャリアを持つインテリジェンスモンスターは、プロレスの聖書・梶原作品から日本流ボイコット術を研鑽していたのかもしれません。
そして離脱翌日から展開されたのが、日プロ馬場さん主導による伊達タイガーへのネガキャン。
御用メディアによるバッシング爆撃、天龍のSWS移籍時にも繰り出された馬場さん得意の「大人のケンカ」で、伊達タイガーは一夜にして稀代のヒールに祭り上げられてしまいました。
ネット世論などあるわけもない時代、せめて週刊ファイトI編集長の活字プロレスが幅を利かせていれば、伊達タイガーの境遇も変わっていたかもしれません。
紆余曲折を経て開幕した覆面リーグ戦。特筆すべきはここに来て完全にブレークスルーしたミスターXの辣腕ぶりでしょう。
「リング上での殺人は罪に問わない」「反則自由の何でもあり」という明確なコンセプトを掲げて短期間での旗揚げ。興行ではレフェリーもこなしてフル回転です。
金看板・伊達タイガーの引き抜きだけでなく、大会場(おそらく蔵前)とゴールデンTV中継を抑えるという万全のマネジメント。
「目ン玉飛び出す」などと大風呂敷を広げて旗揚げ前にカネを食いつぶしたWJ・ゴマ塩永島氏は、ミスターXの爪の垢を煎じて一気飲みするべきでしょう。

伊達タイガーの覆面リーグ初戦は、全身タイツに身を包んだのっぺら仮面・ミスターノー。
ちびっ子ハウスとの約束を守って正攻法に徹する伊達タイガーは、ミスターノーの卑劣な反則攻撃に苦悶する一方で為す術なし。
しかし、そこにまさかの援軍が…。
伊達タイガー劣勢でストレス溜まりまくりのちびっ子ハウス鉄砲玉・健太くん。
なんとTV局に「勝ちゃァいいんだから、反則しろ」という電話メッセージを送ります。そして驚く事にそのメッセージは実況アナの元へ。
さらにはその実況が場外で悶絶する伊達タイガーの耳に入るという、まさかの双方向プロレス中継が成立。
健太くんのシュート司令ならぬ「反則司令」を受けた伊達タイガーはヒール殺法を解禁し、のっぺら仮面・ミスターノーを瞬殺します。
「いいんだね殺っちゃって」と一線を越えた伊達タイガーは、続け様にのっぺら仮面の首狩り公開処刑を敢行。
ブーイングを浴びせ続けた会場ファンに対し、凄惨なグロ展開でタイガー恐るべしを猛アピールです。
なお、伊達タイガー不在の日プロ・ワールドリーグ戦は、馬場さんの三連覇達成で14週に渡るロングラン興行をフィニッシュ。
前述の超獣・ブロディボイコット事件では猪木がドラゴン藤波に敗れるという罪滅し的サプライズを用意しましたが、馬場さんはマイペースで王道を貫き通しました。
両巨頭それぞれの「イズム」が感じられる事後処理と言えるでしょう。

SWS移籍の天龍がそうだったように、馬場さんは伊達タイガーの出戻りを絶対に許さないと思われます。
まあそれは伊達タイガーの身から出た錆という事でどうでもいい話。
私としては、来週以降馬場さん以下の日プロ勢がフレームインしてくれるのか、それが気がかりで仕方ありません。