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2014/12/06

WWEスマックダウン #796

録画した日〔2014/12/1:JSPORTS3〕

PPV48時間前のテネシー大会。
オープニングではマイケルコールによるトリプルH公開インタビューが行われました。
義父ビンスから「負けたら即失脚」レギュレーションを課せされたAuthority軍大将。
「もし負けたら…」というマイケルコールの意地悪な問いには、怒りを鎮めつつ現実的な返答。
「出る前に負けること考えるバカいるかよ!」からのビンタコンボを繰り出さないのは日米プロレス文化の違いでしょうか。
逆に「勝った場合は…」という質問に対して、シナ軍メンバー全員You're fired葬という恐ろしいプランをブチ上げたトリプルH。
これにてPPVの5vs5戦は、両軍ともキャリアを賭けた絶対に負けられない闘いとなります。
エンディングでトリプルHは無双を展開。ライバックにペディグリーをブチかますなど臨戦態勢です。
ちなみにPPV前の慣例(?)としてジョンシナはこの日お休み。どっちに転んでも面白い5vs5戦、トリプルHの出突っ張りが壮大なフラグに思えてなりません…。

WWEロウ #1121

録画した日〔2014/11/27:JSPORTS3〕

週末のPPV「サバイバーシリーズ」へ向けた総まとめとなるリッチモンド大会。
5vs5戦でぶつかるAuthority軍とシナ軍が調印式に臨みました。
オープニングからあの手この手でシナ軍を潰しに掛かったこの日のトリプルH夫妻。
その結果シェイマスが病院送りになるなど、シナ軍は既存メンバー3人が調印式へ出席できないという非常事態となってしまいました。
Authority軍勢揃いのリングに1人で上がったシナ。危険を顧みず巨悪と対峙する姿はベビーフェイスの真骨頂です。
会場のお客さんもさすがに空気を読んで全力でシナ推し。毎度おなじみのブーイングや「シナ、サック!!」チャントは聞こえてきませんでした。
そんなキャプテンの姿に心を打たれたのか満身創痍のメンバーが魂の緊急乱入。なんとその中には態度保留だったライバックと、呼んでもないワイアットファミリーの動物お面男が含まれていました。
「5人目」と病院直行・シェイマスの代役が埋まり陣容確定のシナ軍。
みんなでAuthority軍を分断し、締めは大親分・トリプルHをテーブル葬です。
 なおAuthority軍の「5人目」はワイアットファミリーのお面じゃない方に(しかもドサクサ紛れにIC王座Get)。
結局、両軍最後の1席にいずれもワイアットファミリーが座るという、何とも微妙なゴリ押し采配が施されました。
負けたらトリプルH夫妻失脚というスパイス付きの5vs5戦。メンバーよりもシチュエーションを楽しむべきなのでしょう。

<メモ>
  • アダムローズが子飼いのウサギにおちょくられる
  • 顔芸ネコ「グランピーキャット(Grumpy Cat)」が参戦、ミズが茶番に付き合う

2014/12/02

ザ・ローリング・ストーンズ ロックンロール・サーカス (The Rolling Stones Rock and Roll Circus)

録画した日〔2014/3/2:WOWOWライブ〕

ストーンズ主催で昭和43年12月に収録されたTVショー。
当時は放送されないままお蔵入り。以降28年もの間封印され続けた曰く付きの作品です(平成8年にVHSビデオで解禁)。
ストーンズ初のTV自主興行にエース・ミックジャガーは分厚い白塗りでやる気マンマン。
そのインチキ臭さ満点の猛獣使いコスプレは、レノンやザ・フーら続々襲来するライバルどもを飼い慣らしてやるという闘争宣言と解釈できるでしょう。
そんなミックをはじめジョンレノンやマリアンヌフェイスフル、奇人変人、大道芸人、ロバなどなどみんな大集合の豪華絢爛入場式。
今日は「サーカス」がコンセプトのハチャメチャロック祭り。
不良番長・キース、絶対安静・ブライアン、根暗リズム隊・チャーリー&ビルワイマンも芸風を問わず恥ずかし系コスプレ参戦を強いられました。
トップバッターはジェスロタルというバンド。
イアンアンダーソン(フルート&ボーカル)の一本足打法はサーカスのコンセプトにピッタリです。
ちなみにトップバッター候補には当時デビュー直後のレッドツェッペリンの名前も上がってたとか…。
“たられば”の妄想が無限に膨らむ、いかにも60年代チックなこぼれ話と言えるでしょう。
ドンキで買ったようなヘボ衣装のキースに紹介されたザ・フー。
超大作「トミー」のレコーディング真っ只中だったという4人は抜群のコンディション。
7分超の組曲「クイック・ワン(A Quick One While He's Away)」を引っ提げて堂々の殴り込みです。
果たしてピートが人間風車を大回転、キースムーンはなぜかズブ濡れという猛パフォをブチ上げたザ・フー。
この怪演に驚愕したミックがたまらず番組お蔵入りを決めたというのは有名なエピソード。
その真偽はともかく、この第2試合がロック史上不滅の名勝負となった事に異論はないでしょう。
そんなザ・フーの猛攻を目の当たりにした天才ブライアンジョーンズは「スゴいパーティだ!」とラリり気味に大喜び。
真面目なフロントマン・ミックの焦燥など知ったこっちゃありません。
峰不二子のプロトタイプとして有名なマリアンヌフェイスフルは4番手で登場(3番手はアメリカ代表・ダージマハル)。
ストーンズのディーバでもある超アイドルの紹介役は“手を出してない組”のチャーリーワッツでした。
なんとマリアンヌは収録日直前に流産していたとの事。
美しさは相変わらずなものの、肉体的メンタル的コンディションは最悪だったようです。
なんとも可哀想なシスターモルヒネ。「サーカス」とは程遠い1人ぼっちのステージになってしまいました。
焼きうどん(?)を食べながらミックと話し込むジョンレノン似の長髪メガネ。
「ウインストンレッグサイ」を名乗るこの男、サーカス限定の4人組ユニット「ダーティマック」を率いて謎の緊急参戦です。
直訳で「クソマッカートニー」となるこのユニットが披露したのは「ヤー・ブルース」という曲。
この曲が前月発売のBeatles「ホワイトアルバム」に収録されている点から、ウインストンレッグサイの正体はジョンレノンであると断定して良いでしょう。
とにかくメンツが濃いダーティマック。
ジョンレノンの脇を固めるのはキースリチャーズとエリッククラプトン。昭和54年「東スポ夢のオールスター戦」のマスカラス/鶴田/藤波組に匹敵する奇跡のユニットです。
ダーティマック版ヤーブルースはネチっこくてド迫力。
そしてその完奏に合わせるかのように全身黒ずくめの長髪東洋人がステージへ。
生温かい表情のキースをよそに、リーダー・ジョンレノンはこの乱入者を快く招き入れました。
グレートカブキを思わせるこの東洋人の正体はもちろんオノヨーコ。
レノン謹製曲「ホール・ロッタ・ヨーコ」を「ギギギ」「ガガガ」とシャウトするその姿は、GカブキというよりSSマシンに近いかも知れません。
レノン+キース+クラプトン+ミッチミッチェル(ジミヘンのドラム)という最凶軍をバックバンドに押しやったボーカリストは後にも先にも彼女だけ。
オノヨーコ最強説…、もはや看過する事はできないでしょう。
熱すぎる前座&セミファイナルを経ていよいよ迎えたメイン戦。
大トリ・ローリングストーンズ登場をコールするのはジョンレノン。ビッグマッチに滾りまくりのエース・ミックは渾身のドヤ顔でこれに応えます。
1曲目はこの年春の大ヒット「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」。
60年代特有のまったりスローなバージョンではあるもののミックのテンションは急上昇、早くも暴発モードに突入しました。
ミックの激熱ムーブはスタジオ全体に伝播。
不謹慎フレーズ連呼の2曲目「パラシュートウーマン」では、お客さんだけでなく番組スタッフのオッサンまでが体をくねらせ大興奮です。
3曲目は「ノー・エクスペクテーションズ」。
絶好調ミックはここでひとまずクールダウン。代わって主役を張ったのはスライドギター担当のブライアンジョーンズでした。
「ステージ袖で泣きっぱなしだった(byピートタウンゼント)」というネタにもあるように、終始危険水域を彷徨っていたこの日のブライアン。
そんな中、お得意のギターを抱えてほんの一瞬見せたギラつき。
色々ともう手遅れなのは分かっているものの、やっぱり”復権”をエクスペクテーションしたくなる名シーンです。
続く「無情の世界」でエンジン再点火のミック。
気持ち良くグルーヴする英国娘に“欲しいものはすぐ手に入りゃしねぇ”と極太の人生訓を注入、そのまま一気にクライマックスへとなだれ込みます。
怒涛のラスト5曲目は「悪魔を憐れむ歌」。
グツグツ煮え滾るようなアフリカンビートにすっかりエクスタシーのミックは定番の半裸パフォーマンスを投下。自主興業の特別仕様なのか、胸と両腕によく分からんタトゥーも入ってます。
そんな絶頂ミックの後ろでポツんと1人マラカスを振り続けるブライアン。「悪魔…」にはギターの見せ場が沢山あるはずなのになんともキツい処遇です。
大名跡「ザ・ローリング・ストーンズ」の命名者でもある初代リーダー。
その事実上の引退試合はあろうことかマラカス担当、寂しくシャカシャカと終わってしまいました…。
ブライアンばかりに目が行きましたが、この日はキースも調子が悪かった模様。
お蔵入りの理由は、芸に厳しいミックがこうした低調パフォーマンスを良しとしなかったからという説もあります。
ただ私としては5曲とも文句なし。特に「悪魔…」はLAフォーラム(昭和50年)での酒池肉林ムーブを凌ぐ歴代最高の出来栄えじゃないかと思ってます。
そんなこんなでネタ盛りだくさんだった大サーカスの締めは後楽園ホールの笑点客席形式。
まずは歌丸ポジションのミックがしんみりとご挨拶。そして長時間拘束でヘトヘトのキースと「地の塩」をデュエットします。
労働讃歌「地の塩」のドラマティックな終盤は実にエンディング向き。
元気がなかったブライアンやマリアンヌもここでは笑顔を見せ、60年代イカレポンチの客席連中とおしくらまんじゅうでおおいに盛り上がりました。
エンディングまで正味1時間のTVショーですが、キースの証言によると収録は36時間にも及んだそうです。
まあ、さすがにこれは大ボラ。しかし話半分だとしても18時間。
あの頃特有のルーズな空気でのんびりダラダラと時間が流れていたのでしょう。
目玉ゲストのジョンレノンにとってはBeatles崩壊寸前のゴタゴタ期(Get Back Sessionの1ヶ月前)。
この他、エリッククラプトンはCream脱退直後、マリアンヌは前述のとおり不幸があったばかりと、みんな何かしら問題や変化を抱えての参戦でした。
ストーンズ的には起死回生の名盤「ベガーズ・バンケット」リリース直後。ブライアン解雇はこの半年後、オルタモントの悲劇はちょうど1年後になります。
ストーンズをはじめゲストもお客さんも行き先はともかく前へ前へ進んでいた時代。
そんな迫力を感じるシーンが、このTVショーには無数に散りばめられていました。
そしてなにより素晴らしいのは、ストーンズの5人が一緒に汗かいてこしらえた作品であるという事。
それをポイっとお蔵入りにしちゃうミックのガチっぷりなど、やっぱり愉快な5人衆。
色違いのブライアンがド真ん中に君臨するラストアングルは「オリジナル」からの最後の謎掛けなんだと勝手に解釈しようと思います。