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2013/09/14

WWEスマックダウン #732

録画した日〔2013/9/9:JSPORTS2〕

悪のCOO・トリプルHによる言論統制、恐怖政治が始まったWWEマット。
今回のラスベガス大会のオープニング「ミズTV」では、その体制に異議を唱えるミズ、ビッグショー、ドルフジグラーが緊急合体。怒りの決意表明をブチ上げようとしたんですが...。
いまいち歯切れの良くない反乱分子の3人。
それもそのはず「会社のために」毒蛇オートンプッシュを遂行するCOOに反旗を翻す事は、それすなわちYou're fired葬を食らうという事。
いつのまにか人のいい正義漢ギミックに転換したビッグショーなどは、こんなやりきれないシチュエーションに涙を堪えるのが精一杯です。
もちろん諸悪の根源・トリプルHは、そんな重苦しい雰囲気のミズTVに満面のドヤ顔で乱入。
ミズにはオートンとの一騎打ち、ジグラーにはシールドとの1対3ハンデ戦、そしてビッグショーには1日中リングサイド待機(乱入不可)を強要する、超理不尽パワハラを振りかざします。
最近はトリプルH、オートンとも出てくるだけで大ブーイング。この一連のヒールターン劇場で実に効いてるのが無法乱入軍団・シールドの存在です。
群れで動き数で圧倒する獰猛な彼らに汚れ役を丸投げする事で、恐怖政治遂行の悪辣な手法が際立つ仕組みになっています。

去年の結成以来、ストーリーに繋がらない乱入を繰り返してきたゴリ押し3人組。
決して「苦節…」ではありませんが、ようやくスッキリ収まるポジションが見つかったといった感じでしょうか。

<メモ>
  • オートンがnWo的手法でブライアンの体に「NO」とスプレーアート
  • 不遇のテンサイ(スイートT)、相変わらずワイアットファミリーの噛ませ犬に

2013/09/11

タイガーマスク #75「『虎の穴』大脱走」

録画した日〔2013/9/6:TOKYOMX〕

かれこれ1年半以上も伊達タイガーを取り逃しているミスターX。
今さらながら極東支部長としての責任問題に発展し、虎の穴本部に緊急招集されてしまいました。
成果ゼロ、タダ飯食らいの烙印を押された極東支部長。
日本で見せる威風堂々っぷりはどこへやら「本部招集=死刑」というブラック企業の因習におののき、顔面蒼白、冷や汗ダラダラのほぼ死人状態です。
かつては覆面リーグ戦をブチ上げるなど精力的な一面を見せていたインテリ系ヒール。
しかし、最近の主だった悪の活動はナチスユンケルを引き逃げしたことぐらいしかありません。
さすがのミスターXもここらが潮時か…。
レインメーカー・オカダカズチカ流に言えば「お疲れ様でした(ニヤリ)」ってなところでしょう。
三途の川に佇むミスターXは、さっそく虎の穴エグゼクティブの赤ずきん3人衆から猛烈な恫喝を食らいます。
そこに同席しているのは世界各テリトリーの支部長たち。
このいわゆる公開処刑は、本人以外にも「明日は我が身」と強迫観念を植え付ける、ブラック企業ならではの悪辣な手法といえるでしょう。
ミスターXを吊るし上げ業務を剥奪した赤ずきん3人衆。
その怒りはとどまることなく、なんと同席した支部長全員に対してもテリトリー没収の制裁を下します。
「明日は我が身」どころかリアルタイムで降り掛かった大粛清に各国支部長は唖然呆然。
なおこれにより、伊達タイガー抹殺をはじめとする虎の穴の業務プランは全て本部直轄案件となるようです。
マーケットを一元化した赤ずきんは、伊達タイガーへの刺客として「ビッグ」「キング」「ブラック」の三大タイガー招聘を宣言。
しかし彼らは#66で伏線が張られているとおり、あまりにも強すぎるため「幻のレスラー」として封印されたレスラー達。
社内ニート化したミスターXと元・支部長連中は、ネガティブモード全開で「呼べっこねぇ」と降って沸いた重役判断をいぶかしがります。
アンドレ、バックランド、ホーガンら呼べもしない超ビッグネームを並べ「私はプロレス界に万里の長城を築く!」とブチ上げたのは、第一次UWF旗揚げの仕掛人・新間寿。
虎の穴でも超過激な無責任大ボラがまかり通るのか?。
しかしそんな昭和プロレスファンの懸念は、赤ずきん3人衆の大変身によりすぐさま杞憂に終わります。
昭和の茶の間はとっくにお見通しだったでしょうが、彼ら赤ずきん3人衆こそ「幻のレスラー」三大タイガーの正体。
真ん中の「ビッグ」がメキシコのオカマレスラーにしか見えないのがやや気にはなるものの、次回から伊達タイガーの大きな脅威になる事は間違いありません。
そんなこんなで急展開&超展開が勃発した虎の穴劇場ですが、実はこのパートに割り当てられたのは終盤の5分弱。
今回のメインは、その虎の穴から大脱走を企てた練習生3人「ロク」「マイケル」「ビリー」のギラギラストーリーでした。
こいつらの脱走理由は「日本プロレスの新しい星」として快進撃を続ける同世代・ケン高岡の存在。
「なんでアイツだけ」「だったらオレも」と、衣食住完備で散々面倒みてもらった虎の穴を捨て、黄金の日本マットへ転身を図ります(なお、首謀者ロクは日本人)。
こいつらなりの大義はあれど、要は下積みレスラー特有の場違いなジェラシー。
そもそも日本マットに理想のプロレスはあるのか?
アントニオ猪木ならずとも「見つけろ、テメェで!」と一括したくなる、無計画な3人のゆとり野郎です。

一方、ミスター不動&ケン高岡という忠臣を得て視界良好の伊達タイガー。
虎の穴づくしで出番激減の今回は、ちょっとした心の休息、程よい充電となったようです。
ちょっと心配なのは、ここ数回出番激減どころか出番ゼロとなっている日プロ正規軍。御大・馬場さんは大好きなハワイのコンドミニアムで静養でもしているのでしょうか。
次回はさっそく「幻のレスラー」復活の報が伊達タイガーに届く模樣。
実績とポジションからすればケン高岡を鉄砲玉、ミスター不動をポリスマンとして仕掛けるノラリクラリのもったいぶり采配も許されるはず。
将来の日プロ幹部レスラーとして、外敵強襲にも悠然と構えてほしいものです。

2013/09/08

ジャイアンツタイムマシーン(26)巨人vs大洋・横浜特集part1

録画した日〔2013/3/9:日テレG+〕

昭和51年から58年までのvs大洋ホエールズ名勝負をピックアップ。
ちなみにホエールズのチーム名に「横浜」が入ったのは昭和53年からとのことです。
昭和52年8月31日、夏休み最後の後楽園球場。
通算ホームランを「754」としていた我らが王さんは、第一打席でその数を「755」と更新しました。
世界No1にリーチを掛ける豪砲一発。2回表にはミスター長嶋監督の粋な采配で、ファンに最接近できるライトの守備につきます。
試合はまだまだ序の口、打席はあと3、4回は回ってくるはず。ボクらのスーパーヒーロー・王さんなら必ずやってくれる…。
2学期を翌日に控えてブルーなちびっ子達のテンションは、次なる「756」へ向けて否が応にも大膨張します。
王さんは3回裏の第2打席にライトポールすれすれへの超特大ファールをブチ込んだものの、残念ながらちびっ子歓喜の夏休みラストプレゼントはお預けに。
「756」狂騒曲はこの週末9月3日土曜日に集大成を迎える事となります。

【クライド・ライト初登板】
昭和51年5月、大リーグ100勝の肩書を引っさげて初登板したライトは6回2失点で笑顔の降板。
しかしダッグアウトでは神聖なジャイアンツのユニホームをビリビリに切り裂くという、後のヒールギミック「クレージーライト」の片鱗を見せていたとの事です。

【王さん800号】
「755」からまる1年後の昭和53年8月30日。
キャリア20年目の王さんが前人未到800号ホームランをライトスタンドにブチ込み、超ド派手なオープンカーで球場内大パレードを敢行します。
まあ「800」なんて、デビューから毎年40本打ってりゃ自然と辿り着く数字。
ビッグワン・王さんにとってはただの通過点でしょう(驚嘆)。

【オバQ田代豪快2ラン】
誰が付けたか「オバQ」という間抜けキャラ設定により、過小評価され続けている大洋のホームランアーティスト・田代富雄。
イケメン設定の定岡から豪快な2ランホームランを叩き込みます。
しかしよくよくその豪快なルックスを見ると、オバQのキャラ付けにも納得するしかないような…。

【若大将サヨナラホームラン】
昭和56年4月にデビューした超大物ルーキー・原辰徳は、同月22日の北九州市民球場で劇的なサヨナラホームランをカッ飛ばします。
エンディングは地方巡業お約束の観客なだれ込み。
鳴り物入りの箱入りお坊ちゃまルーキーにとっては、ある意味これもプロの洗礼と言えるのでしょう。

【現横浜ボス・キヨシのサヨナラヒット】
昭和56年5月後楽園、2対2同点で迎えた延長10回裏の大チャンスに大型扇風機・トマソンの代打として登場した中畑キヨシ。
感涙のサヨナラヒットで激戦に終止符を打ちました。
あれから32年後の平成25年、合縁奇縁で「大洋」の指揮を執っているキヨシ。こんな絶好調男がいてくれたらどれだけ楽になる事でしょう。

【3年目の怪物・江川20勝】
最強ヒールの江川が、大投手の証であるシーズン20勝を達成。
最終回に入ってもバットをへし折るその球威は、泥濘を乗り越えた怪物がデビュー3年目にして完全に覚醒したことを意味します。

【満塁男誕生】
試合前に負傷した中畑の代役として緊急デビューした、後の2000本ヒッター(ついでに横浜の主軸)・駒田徳広。
そのプロ初打席で1発回答の満塁ホームランをブッ放し「満塁男」というプロ野球史上唯一無二のギミックを確立します。

【ダンディ遠藤の稲妻フォーク】
この年(昭和58年)の沢村賞投手・遠藤。
オバQ田代と対極を成すダンディさを振り撒き、大正義巨人打線から13奪三振の荒稼ぎを成し遂げました。
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オッサン世代の私としては、ディーエヌエーだとかベイスターズだとかより「マルハ」「大洋」「ホエールズ」の方がしっくり来る万年Bクラス球団。
この放送における「800」「755」のほか「700」も献上するという、王さんの噛ませ犬っぷりが印象深いです。
巡りめぐって、今の指揮官はG戦士・キヨシ。栄光の大正義・ジャイアンツイズムに染めるのは難しいでしょうが、何とか長いスパンで頑張って欲しいもんです。

顔役

録画した日〔2013/3/6:日本映画専門チャンネル〕

昭和46年に公開された勝新太郎初めての監督作品。
主演はもちろん監督本人。山崎努、太地喜和子、伴淳三郎、大滝秀治らの分厚い面々が脇を固めます。
制作+脚本+監督+主演とやりたい放題の勝新の役どころは、嗅覚抜群ながら警察組織にはそぐわないアウトロー刑事。
エンディングで悪の親分を生き埋めにするなどその手法に多分の問題はあるものの、「泥を浚う」社会の汚れ役を自らの使命とする正義漢です。
そんな勝新を慕う相棒は、ミスター脇役・前田吟。
社会正義を追い求めるスピリットは同じですが、悪と対峙する方法論はまるで正反対。勝新の無軌道っぷりに戸惑いながらも必死に食らいつこうとする堅物新米刑事です。
2人の目下の案件は、老舗vs新興の抗争勃発をトリガーに始まった暴力団一掃キャンペーン。
それを主導するボス・大滝秀治はルックスどおりの食えないタヌキ野郎。もちろんアウトロー勝新とは対立の構図が敷かれており、保身のためならいつでも切り捨てるスタンスとなります。
タヌキ野郎の命令に沿うのではなく、あくまで「泥浚い」の精神でヒール軍に食い込む勝新。
山崎努ら一筋縄ではいかない連中と同じ目線で向き合って切り崩す、反則すれすれの手法でズブズブと悪の世界を突き進みます。
と、まあキャラ設定やストーリーの骨格は極々シンプルなのですが、問題は新人監督・勝新によるその「見せ方」。
“トゥーマッチ”を嫌う異能の新人は、説明、前振り、お約束の類のシーンを徹底排除。
「これ、何のシーン?」と考えてるうちに次々シーンが転換するので、ポップコーン食いながらお気楽に見てた映画ファンは序盤戦で早々に脱落してしまったのではないでしょうか。
これは太地喜和子(山崎努の彼女)宅に勝新がガサ入れしたシーンの1コマ。
2人の2ショットシーンは少なく、勝新一人称目線のどアップ→ピンボケ→脇見→どアップ…といった感じの映像が繰り返されます。
この仕様は他のシーンでも同様。
映画マニア、アート系の面々から大絶賛されているこの作品ですが、ポップコーン食いながら系の私としては船酔いかポケモンショックかという酩酊状態に苛まれました。
映像手法以外でも必要以上に「リアル」にこだわるのが新人監督・勝新の流儀。
オープニングの賭場シーンは、出演者だけでなくロケ地の提供までもそのスジの方々が全面協力したという超ハードコア路線です。
この他、伴淳三郎が経営するストリップ劇場も踊り子さん含めて皆んな本物だったとか。
そして監督の本物志向が行き着いた先は、対立組織が終戦協定を結ぶ「手打式」の完全再現です。
儀式進行からお供え物の配置までそのスジの方に詳細指導を請うたとの事で、厳粛なセレモニーがリアルに描かれました(そもそも本物の手打式がどんなものかは知りませんが…)。
ちなみにこの手打式を仲介する暗黒大物フィクサーを演じたのはお兄ちゃん・若山富三郎(画像中央)。勝新ファミリー伝統のゴリ押し人事発令です。

舞台となったのは夏の大阪。
ヒールもベビーも出てくる人は皆んな汗だくのギラギラ状態。見た目はクールとかけ離れていますが、怒ったり泣いたり笑ったりが少ない、そっちの意味ではクールな映画なんだと思います。
奇をてらったとかアバンギャルドとかではなく、あくまで昭和46年の勝新太郎にやりたい事をやらせたらこうなった的な大傑作。
脳内の世界観を映像化した勝新もさることながら、それに最後まで付き合ったスタッフ、共演者、お客さんも相当な凄玉ではないでしょうか。
今回はとりあえずWeb情報等で身構え心構えと予備知識を持っていたので「完走」できましたが、何も知らないで見たら何がなんだか分からないうちに終わってしまったでしょう。
まあ、超人・勝新太郎が考えてる事を凡人が一発で理解できるはずはない。
予習復習をやった上でもう一回見てみようと思います。