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2013/03/30

新・座頭市Ⅰ #8「雨の女郎花」

録画した日〔2012/9/27:時代劇専門チャンネル〕

大雨続きで宿屋に足止めされている座頭市。
そこの女中さん・浅茅陽子とすっかり意気投合しました。
浅茅陽子はカラッと明るいお姐ちゃん。
エバラ焼肉のタレこそありませんでしたが、お酒やらお食事やら心のこもったサービスで客人・座頭市をもてなします。
そんな浅茅陽子の意中の人だったのは身分のある武士・峰竜太。
一度は妻として迎える約束をしたものの、諸々の事情で別の女性と結婚し浅茅陽子を裏切ってしまいました。
とはいえ峰竜太は女たらしという訳ではなく、あくまで精錬な善玉サムライキャラ設定となります。
峰竜太は藩主の不正告発を画策してヒール軍から追われる身。浅茅陽子は婚約破棄の裏切りに憤慨しつつも元カレのサポートに回りました。
座頭市はもちろん浅茅陽子の味方なので、峰竜太を襲うヒール軍をメッタ斬りにします。
浅茅陽子にヒドい事して座頭市とは何の関係もないくせに、峰竜太は結果的にヒール軍の攻撃を完全回避。
林家三平一門への婿入りを皮切りに石原軍団、和田アキ子一派と芸能渡世最強軍団に悉く取り入った処世術は、座頭市ファミリーにおいても十二分に通用したという事でしょう。
ハードボイルド座頭市は、一本芯の通ってる弱い立場の若者を全力支援する傾向があります。
今回女性ながらそれに当てはまったのは浅茅陽子。しかし浅茅陽子は、例え座頭市がいなくとも力強く生きていけるであろうバイタリティを持っていました。
2人の「男前」が織り成したポジティブなストーリー。まあ、一番トクしたのは世渡り上手の峰竜太なんですけど。。。

2013/03/29

WWEスマックダウン #708

録画した日〔2013/3/25:JSPORTS2〕

祭典・レッスルマニアまで1ヶ月を切ったインディアナ州大会。
まだ試合が決まっていない大物連中の進路が徐々に固まってきました。
最近何となく仲良しになってる毒蛇・オートンとシェイマス。
王座戦線からは早々に脱落し、レッスルマニア参戦の活路は若手乱入軍団・シールドとの因縁抗争に見出すしかない状況となっています。
シールドとしてもレッスルマニアは存在をアピールする絶好のステージ。
ローデススカラーズ(ローデス&ダミアンサンドゥ)を撃沈した毒蛇とシェイマスに「3vs3」のイデオロギーマッチをブチ上げました。
ベビーフェイスとヒール軍による、お互いに有意義なレッスルマニア6人タッグ戦。
祭典本番までの間に、正規軍の「3人目」を見つける紆余曲折の面白アングルも期待する事ができます。
しかしバックステージに戻ったオートン&シェイマスは「3人目はライバック」とアッサリご指名。
プロレスファンの期待と妄想をブッタ斬る大暴挙を敢行してしまいました。

そんな中ちょっと楽しみなのは、シールドと因縁がありながら「3vs3」メンバーから外されてしまったビッグショー。レッスルマニアのネタがないだけに、今後ムチャな暴走介入をしてくる事うけ合いです。
個人的には「3vs3」はビッグショーIN&オートンOUTにして、毒蛇オートンにはお1人様用のスポットを用意してほしい気がします。

<メモ>
  • レスリングゴッド・JBLが7000M級のアコンカグア山に登頂チャレンジ(ただし途中撤退)
  • バカ新人・ファンダンゴ、グレートカリの発音の悪さに激怒してまたもデビュー戦ボイコット
  • ライバックとマークヘンリーの一騎討ちが実現

2013/03/27

タイガーマスク #51「若鷹と猛虎」

録画した日〔2013/3/22:TOKYOMX〕

星取りが一切不明のまま、いつの間にか佳境に入っていた第13回ワールドリーグ戦。
今週は高松から岡山の瀬戸内巡業となりました。
高松行きのフェリーから源平合戦の地・屋島を眺める日プロNEXTジェネレーション4人衆(大木&伊達タイガー&吉村&坂口征二)。
トップ2である馬場さんと猪木は海外遠征中。極悪外人部隊にトロフィーを持ってかれちゃあ敵わんと船上から怪気炎を上げます。
高松大会のメインはワールドリーグ公式戦・坂口征二vsビルヘラクレス。勝った方が優勝戦に進出する全勝同士の決戦です。
レギュレーションが全く分からない今回のワールドリーグ戦。
たった1敗で優勝戦線離脱という事は、上位陣は皆んな全勝でその他大勢は草刈り場というアンバランスなメンバー構成だったのでしょう。
#38で着用した黄色い日の丸トレーナーでセコンドに付く伊達タイガー。
チームJAPANの一丸ムードを盛り立てましたが、期待のビッグサカはヘラクラスの極悪非道凶器攻撃の前に無念の轟沈。
これにより同じく全勝の伊達タイガーが日プロ最後の砦となりました。
伊達タイガーの優勝戦進出決定マッチは全勝のモヒカンキッドが相手の岡山決戦。
アジア王者として、日プロ次期エースとして絶対に負けられない戦いとなりますが、その大一番の前に思いもよらぬ客人が闖入します。
伊達タイガーの前に現れたのは、なんとちびっこハウスの鉄砲玉・ケンタ君。
反則魔・モヒカンキッドとの大血戦ムードに居ても立ってもいられず、はるばる岡山まで乗り込んでしまいました。
第2次UWF絶頂期なら「密航」と持て囃されたプロレスマニアの模範行動。
全くの無一文で警察のお世話になっちゃった点は、将来あるちびっ子という事で大目に見てあげましょう。
ケンタ君とその身元引受人の若女将・ルリ子さんの声援を受ける伊達タイガーは、すっかりお馴染みの新必殺技でモヒカンキッドから完全勝利。
きっちり全勝を守って、ビルヘラクレスとの優勝戦大阪大会に臨む事となりました。
国内初タイトルに王手を賭けた伊達タイガー。
久々登場の虎の穴・ミスターXの横槍が入りそうですが、目下の充実度からすれば難なく戴冠する事ができるでしょう。
「俺はフライングしたからな」と大木や坂口を置き去りにして、アメリカ帰りの馬場さん&猪木に噛み付くのも十分アリだと思います。

2013/03/26

NWA対AWA! 全日本プロレス王道史(#47)

録画した日〔2013/3/12:サムライTV〕

昭和60年10月21日に世界で初めて実現したNWAvsAWAの最高峰ダブルタイトルマッチ。
舞台は両国国技館。「2人のリック」フレアーとマーテルは30分を超える大熱闘を繰り広げました。
立会人のPWF会長・ロードブレアースを挟んで睨み合うフレアーとマーテル。
解説の山田さんは「ナウい現代のレスラー」と2人のリックを一括りにしていましたが、狂乱の貴公子・リックフレアーが1枚も2枚も格上なのは自明の理。
当時中1だった私にもネイチャーボーイの貫禄はビンビン伝わって来ました。
全世界注目の一戦はフレアーがノラリクラリと組み立て役を担当。
マーテルにガンガン攻めさせつつ要所要所でプロレス世界遺産の命乞いムーブを敢行し、緊張に包まれた両国国技館を「いつものNWA戦」ムードに変えていきます。
空中殺法狙いなのか?、時間をたっぷり掛けてコーナーポスト最上段へ登頂したフレアー。
しかし勝利の雄叫び「Wooo」を呼び水にマーテルが緊急捕獲。そのままビターンとキャンバスに叩き付けられてしまいました。
例によってヤラレっぱなしのNWA王者は、試合終盤もナックルパンチを1ダース食らって前のめりバタンキューKO。
ボクシングのように判定があったなら完敗の王座陥落劇だったでしょう。
しかしこれはあくまでもプロレス。芸術点、技術点、献身度、安定感…、すべての面でマーテルを凌駕した世界最高峰のネイチャーボーイ劇場でした。
試合は全世界の予想どおり、ブックメーカー介在不能の両者リン決着。
NWA、AWAとも10.21両国が「最後の日」になる事はありませんでした。
大ボラ実況アナ倉持さんの言うところ「全日本プロレスのポリシーをファンにアピールしたゴールデンカード」。
強大なアメプロの常識をブチ破り、極東の地に両雄を並び立たせた事にこそ大きな意義があると言えるでしょう。
そんなプロレス史に残る大偉業を成し遂げたのはもちろん御大・馬場さん。
世界最高峰のプロモーターとして内外にジャイアントな豪腕を見せ付けました。
ちなみにフレアーとマーテルはこの後地方巡業にも同行。ビッグババの大きな掌に乗ってノビノビと王者タッグを結成しています。

なお今回の放送もう1試合は、同年7月の福岡国際センターPWF戦。
馬場さんは不沈艦ハンセンのバックドロップにより王座から陥落してしまいました。
これ以降、2度と世界のベルトを巻くことがなかった馬場さん。プロレスラーとしては一区切り、大プロモーターとして再スタートした年だったのかもしれません。

2013/03/25

ワールドプロレスリングクラシックス#119「1980年特集」

録画した日〔2012/12/29:朝日ニュースター〕

昭和55年に開催された「第3回MSGシリーズ」を特集。
決勝戦のカードはアントニオ猪木vsスタンハンセン。舞台は蔵前国技館です。
試合は不沈艦ハンセンが大暴走の反則負け。猪木が大会3連覇を達成しました。
それにつけても、何がなんやら阿鼻叫喚の無法地帯と化した蔵前のリング。
ハンセンに加担する超人・ホーガンと猪木救出に駆け付けたアメリカンドリーム・ダスティローデス。ハンセンの番外ラリアット直撃でブッ倒れている若手は格闘王・前田日明とSSマシン・平田という超豪華ラインナップです。
優勝戦の試合時間は正味8分。
「本場所」のエピローグとしてはあまりにもライトな反則決着ですが、これは大会のレギュレーションに問題があったからでは?
なんと反則大暴走のハンセンは、最終猪木戦の前にアンドレ・ザ・ジャイアントとの一騎討ちを消化していたのです。
決勝戦進出者決定2回戦と銘打って敢行されたビッグマッチは、ハンセンが舎弟(当時)ホーガンのアシストを受け辛くもリングアウト勝ちを飾りました。
人間エグゾセミサイル直撃後に2試合目の猪木戦。さすがの不沈艦もエネルギー枯渇状態だったのでしょう。
「田コロ決戦」の1年前に実現していたハンセンvsアンドレ。
前述(および後述)の事情でたった2分弱のスピード決着でしたが、伝説の予感ビンビンの超弩級肉弾戦は圧巻の一語。蔵前のプロレスファンは大満足だった事でしょう。
ハンセンvsアンドレは猪木との決勝対決を賭けたあくまで「2回戦」。
その前にはアンドレvs坂口征二の「1回戦」が行われ、アンドレが超巨大ヒップドロップで荒鷲を人間スクラップに葬りました。
昭和55年のアンドレ・ザ・ジャイアントはパワー&スピード大全開。デカくて怖くてとにかく凄い、相手をブッ壊すんじゃないかと心配になる程のキレキレ状態です。
しかし、さすがに坂口→ハンセン→猪木と3連チャンしてまで優勝する気持ちはなかったのでしょう。
メインの猪木vsハンセンの頃には、ワイン1ダースを嗜みながらゆったりと1日の疲れを癒していたものと思われます。

このMSGシリーズはアンドレ、ローデス、ハンセン、ホーガン(初来日)の他、ボブバックランドも途中参戦した超豪華版でした。
後のNWA、AWA、WWFの世界チャンピオンが顔を揃えた外人天国。ライバル全日本を凌駕するスケールです。
なお、アメリカでは絶対見られないベビーフェイス同士の禁断ドリームマッチ「アンドレvsローデス」は、青森大会で実現したとの事です(残念ながら今回放送なし)。
タイガーマスクや長州&藤波の内国産スターが一気に花開いたのはこの1年後。
新日にとって雌伏の時代に開催したお祭りシリーズは、30年以上経っても不偏の価値がある世界標準の渾身ブッキングだったと言えるでしょう。

2013/03/24

WWEロウ #1033

録画した日〔2013/3/22:JSPORTS2〕

3月5日に58歳の若さで亡くなったポールベアラーを追悼するインディアナポリス大会。
「息子」アンダーテイカーは、リング上から正真正銘のR.I.Pを捧げます。
そんなガチ極まりない厳粛セレモニーをブチ壊したのは、レッスルマニアでアンダーテイカーと一騎討ちを行うCMパンク。
ベアラー追悼ムードを他所に、テイカーの祭典21連勝ストップ宣言を独善的にブチ上げました。
テイカー家の不幸に意気揚がるCMパンクは、もう一人の息子・ケインとメイン戦で一騎討ち。
パンクは何とここでベアラー愛用の骨壷を強奪。哀しみの赤い処刑マシーンをぶん殴って失神KOに追い込みました。
供養の代わりにアングルを…。これぞ泣く子も黙るWWEのShow Must Go On精神です。
勝手な推測になりますが、WWEに身を捧げた鬼籍のポール・ベアラーもこのベタな不謹慎展開には異論無しなのでないでしょうか。

完全に想定外の展開となったレッスルマニアのテイカーvsCMパンク。
ポール・ベアラーの偉大さを継承するために、WWEはあらゆる手段を使ってこの弔い合戦を盛り上げていくでしょう。

<メモ>
  • ビッグショーと若手乱入軍団・シールドの本格抗争開始
  • AJつながりで、ダニエルブライアンとドルフ・ジグラーが因縁抗争展開
  • バカ新人・ファンダンゴ、またもデビュー戦ボイコット
  • ブロック・レスナーがHHHとのレッスルマニア戦を受諾
  • 双子のベラ姉妹がローデス&ダミアンサンドゥの相方として復職
  • マークヘンリーとライバック、噛ませ犬・マッキンタイアを使って力比べ
  • 国粋主義・スワガー&コルターがシンカラに大バッシング

ザ・ビートルズ・イン・ザ・スタジオ(The Beatles in the Studio)

録画した日〔2012/12/5:フジテレビ〕

ビートルズ所轄のアップル社が英国BBCと共同製作したドキュメンタリー。
メンバー4人とジョージ・マーティンの証言インタビューで構成される、楽曲重視の内容となります。
ファーストアルバムの1曲目「I Saw Her Standing There」からAbbeyRoadの「The End」まで、主要曲を駆け足で一気に振り返る1時間。
ドキュメンタリーというよりもダイジェストといった感じでしょうか。
20年以上ビートルズ初級で止まっている私としては、どこまでが定番ネタでどこからが新ネタかは解釈不能。
それにしても聞いた事あるネタばっかりだなぁと思ったら、これは2009年9月にNHKが放送済みの番組。そういえば一回見たような気もしてきました…。
いずれにしても、分かっちゃいるけど釘付けになってしまうビートルズ怒涛の名曲ラインナップは圧巻の一語です。
つくづく思うのは、スタジオ引きこもりバンドになって正解だったという事。
所詮はマジメな音楽オタク4人。音楽人としての生き残りを賭けた究極の選択は、結果的に全人類に福音をもたらす素晴らしい選択でした。
途中、なぜかちらっとフレームインした我らが御大・ミックジャガー。
ただ別シーンでジョンレノンが逆再生の手法について「ザ・フーもジミ・ヘンドリクスもやってない」と語っているように、ストーンズは音楽面で彼らの視野にはあんまり入ってなかったようです。

アップルとBBCという大正義がタッグを組んだ王道ドキュメント。
お宝映像を自由に使えるのなら、今度は仲間割れ大乱闘寸前の「トゥイッケナム・セッション(Twickenham Session)」をドラマチック、プロレスチックに再編集してほしいです。

タイガーマスク #50「此の子等へも愛を」

録画した日〔2013/3/15:TOKYOMX〕

ワールドリーグ戦巡業で広島を訪れた伊達タイガー。
猪木とタッグを組んでシュレッガー流元祖・ハンスシュレッガー&本場シカゴ出身・アンジェロチンザノの外国人チームと対戦します。
先週開幕した第13回ワールドリーグ戦。日プロの本場所とも言えるこのシリーズですが、その星取り状況は現時点で不明です。
それとも元々リーグ戦ではないのか?
全日のグランドチャンピオンカーニバルの様な豪華スター集結が主目的のシリーズなのかもしれません。
試合は、猪木がコブラツイストで1本目を取ると、負けじと伊達タイガーが新必殺技・ウルトラタイガーブリーカーで2本目を奪取。
絶好調の日プロ臨時ツートップが難なくストレートで広島決戦を制します。
なお今シリーズ、馬場さんはインター王座の海外防衛ロードで欠場中。
そのせいでしょうか、日プロNo2猪木のノビノビファイトが印象的なタッグマッチでした。

伊達タイガーは試合の合間に平和記念館を来訪。
目の当たりにした原爆被害の悲惨さをちびっこハウスのクソガキどもと共有したいのですが、どうしても言葉(絵葉書)では伝え切る事ができません。
そんな伊達タイガーが「教材」として目を付けたのが、猪木がおみやげで買ってきた原爆ドームの模型。被爆者の手により1日1個しか製造されない相当なレアモノだそうです。
どうせ応接間に飾るだけの猪木より、社会貢献に熱心な伊達タイガーに買われたほうがどれほど有意義か…。世の中うまく回らないものです。
ちびっ子ハウスのためにどうしても模型を手に入れたい伊達タイガーは、販売店やら製造者宅やら広島市内を奔走。
お得意のチャリティー行為を織り交ぜつつ、お取り置き&ハウス直送の手配を完了しました。
模型の手配で発車ギリギリに鹿児島行き列車に乗り込んだ伊達タイガー。
しかし、猪木はなぜか逆の「東京行き」に乗っていました。
プロレス巡業でありがちなトンパチ事件か?、ボケてるのは猪木と伊達タイガーのどっちなのか?
全国のネタ好きプロレスファンの期待と疑問は、猪木の説明で種明かしされます。
猪木曰く「馬場さんがタッグの挑戦を受けたんで東京経由でアメリカに行く」「後は頼んだ」との事。
これにより、本場所ワールドリーグはBI砲不在の緊急事態となりました。
次回はスライド式に伊達タイガーとビッグサカ・坂口征二がトップを張る模様。
ニューリーダーによる、クーデター級の熱いファイトを期待しましょう。

プロレスクラシック(102)よみがえる黄金の左!輪島大士 日本デビュー戦

録画した日〔2012/11/5:日テレG+〕

昭和61年10~11月に行われたビッグマッチを中心としたラインアップ。
目玉は第54代横綱・輪島大士のプロレスデビュー戦です。
輪島デビューを10日後に控えた両国決戦。
当初予定されていたメイン戦は、狂乱の貴公子・リックフレアーに革命戦士・長州力が挑むNWA&PWFダブルタイトルマッチでした。
しかしNWA王者フレアーは大怪我により来日をキャンセル。NWA&PWF本部はテキサスブロンコ・テリーファンクを代役として指名します。
体がひと回り細くなりヒール風情の口ひげを蓄えたテリー。
王者・長州のグッドシェイプっぷりとのコントラストもあってか、両国のファンは「往年のアイドル」に微妙な反応です。
なお大ボラアナ・倉持さんだけは往時と変わらずテリーファンク原理主義。最初から最後までテキサスブロンコ大絶賛実況をブチ上げ続けました。
試合はサソリ固め敢行中にセコンドのドリーファンクJrが乱入して長州の防衛。しかし直前にテリーがギブアップをしていたため、お約束の反則決着ではなく白黒はっきりの完全決着となりました。
字面だけで追えば「テリーが長州にギブアップ負け」。
テリーにとっては晩節を汚す格下相手の敗戦、トップ戦線を突っ走る長州にしてもあまり箔が付かない残念なマッチメイクです。

両国決戦のセミファイナルは、王者・スタンハンセンに善戦マン・ジャンボ鶴田が挑んだインターナショナル王座戦。
大流血の末のスモールパッケージホールドで、鶴田が涙のしょっぱい味付けを知る盟友から日本マットの至宝を奪還しました。

輪島デビューの4日前には、馬場さんの地元・新潟市体育館で長州&谷津嘉章vs鶴田&天龍というオリンピック率75%・三役力士率25%のスポーツエリート集結インタータッグ戦が実現。
両リン決着に終わったものの、実況席の馬場さんが「100点満点」とクール解説返上で大絶賛した好勝負でした。

そしていよいよ迎えた昭和61年11月1日石川県七尾決戦。
大横綱・輪島大士の国内プロレスデビュー戦は、馬場+鶴田をセコンドに従えて生まれ故郷からの全国実況生中継という破格の超VIP待遇となりました。
輪島の対戦相手はインドの狂虎・タイガージェットシン。レフェリーは失神上等・ジョー樋口(NWA公認レフリー)。
この時点で10分以内の短期反則決着は火を見るよりも明らか。実況生中継をブチ上げた日本テレビとしては何とも有難いマッチメイクといえるでしょう。
ハイライトは両者反則決着後の場外乱闘。
荒れ狂うタイガー・ジェット・シンにより放り投げられたパイプ椅子が、セコンド馬場さんを直撃してしまいました。
どうしてあの時馬場さんは若手みたいにリング下に座っていたのか。謎掛けを秘めたプロレス史に残る面白ハプニングです。
結果はともかく、地元が生んだスーパーヒーローに七尾市民の皆さんは大熱狂のお祭り状態。
愛が溢れるあったかいデビューを飾れたのは、その人柄はもちろん、馬場さんや鶴田、天龍といった現役メンバーが大横綱・輪島にリスペクトを持っていたからでしょう。
決して順風満帆なプロレス人生ではなかった輪島ですが、その存在感、商品価値は文字どおりの横綱級だったと思います。