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2014/07/23

WWEスマックダウン #777

録画した日〔2014/7/21:JSPORTS3〕

前回RAWに引き続いてのカナダ巡業オタワ大会。
メインではローマンレインズvsルセフの異色シングル戦が組まれました。
3人組シールドから独立後、本丸の手厚いプッシュを受けてソロ活動を展開するレインズ。
自信に満ち溢れた次代のエースは、ルセフwithラナ嬢の親玉であるプーチン大統領に対しても臆するところがありません。
やや残念なのはこの日の会場がカナダだった事。反ロシアマイク爆弾に呼応する「U.S.A」連呼はありませんでした。
昨日まで無敗だった怪物キャラが次の日あっさり噛ませ犬に…。
血も涙もないWWEではよくある話(例:ファンクサウルス)ではありますが、この日のルセフwithラナ嬢はどうなっちゃうのか。
ラナ嬢推しの私としては、本丸の一押しとの一騎打ちが心配でなりません。
かくして迎えたメイン戦。
やや苦戦気味だったルセフは乱入した毒蛇オートンにレインズ退治を丸投げ。とりあえず無双キャラの体裁は保てたようです。
しかしルセフwithラナ嬢にとって本当の苦難はここからか。
7.17にウクライナで勃発した事件によって、ギミックごとお蔵入り(例:モハメドハッサンwithデバリ)となる懸念が広がります。
余波が来るのは次々回#779あたり。プ―チンはともかく2人の行く末が今から心配でなりません。

<メモ>
  • AJリーがシャイニングウィザードを披露
  • レイラとサマーがファンダンゴを襲撃、まさかの共闘
  • ボーダラスがまたも子牛・エルトリートを虐待

2014/07/22

MUSIC FAIR 50周年記念特別企画「80s’伝説の名場面集」

録画した日〔2014/7/19:フジテレビ〕

放送開始から50年を誇る超・長寿番組のアーカイブ企画。
HDDレコーダーのキーワード「勝新太郎」に引っ掛かって録画されていました。
「うん、歌手として唄う事んなっちゃった」と余裕の体で番組ディーバ(当時)星野知子嬢とマッチアップする勝新。
しかし放送当時の昭和57年といえば、借金地獄でブッ潰した”勝プロダクション”のすげ替えとして新生”勝プロモーション”を旗揚げしたころ。
のんきに唄ってる場合じゃねぇ…、債権者達の歯ぎしりが聞こえてくるようです。
「夜はくりかえす」とかいう80s’歌謡史を何回ひっくり返しても出てこないレア曲を熱唱する勝新。
債権者向けの困窮アピールなのか、この日の衣装は草臥れたカーキ色のパーカー。その風情は釣りの帰りにスナック寄って気持ち良くカラオケしてるそこら辺のオッサンと変わりません。
とにもかくにも我らの勝新が気持ちよさそうで何より。貴重なお宝映像を放出してくれた番組大タニマチ「シオノギ」に大感謝です。
さらにこの放送ではビッグスター勝新太郎が霞むほどの歌謡史名場面が連発。80s'にクソガキだった私にとっては感涙モノのアーカイブとなっていました。

80s'のアイコン・松田聖子。名曲「夏の扉」は弱冠19歳のときの作品でした。
「ぶりっこ」「ママドル」というギミックを創出したスーパーアイドルは、度重なるヒールターンを経ながら現在もトップに君臨。
その他大勢の80s'アイドルと絶対に迎合しないガチなファイトスタイルはもっと賞賛されるべきではないでしょうか。
”いわゆる普通の”どころじゃない17歳の絶対女王・中森明菜。
その立ち振舞いのカッコ良さと存在感は、男性アイドルも含め歴代最強クラスです。
90年代以降は長期低迷に入ってしまったようですが、彼女が80s'に残した威光が陰ることはないでしょう。
「なんてたってアイドル」など邪道スレスレのアングルを仕掛け80s'を席巻した小泉今日子。
聖子&明菜がいるトップ戦線ド真ん中では勝負をしない、今思えば実に絶妙なポジショニングです。
しかしこれは彼女にトップ級の実力とセンスとあったからこそ。その後30年に渡る超一線級の活躍がそれを証明しています。
なぜかムード歌謡シフトのチューブに、ボンテージ/モジャモジャ/ド派手という不動の隊列を誇るアルフィー。
両軍とも私が釘付けだった80s'の印象のまま、今だトップランナーとして走り続けています。
特にアルフィーは今年結成40周年だとか…。その芸の力は計り知れません。
スキャンダルを歌一本でチャラにできる超実力者・玉置浩二と、絶頂期はジャニーズ勢を軽く凌駕していたポップスター・藤井郁弥(フミヤ)。
30年後の今見てもそりゃモテるわなというルックス、何と言っても眼力が違います。
2人とも「あの人は今」とは対極の世界に生きていくのでしょう。
そんな群雄割拠の80s'最強の王者は寺尾聡「ルビーの指環」。ベストテンというシステムが生み出した巨大現象です。
当時小学生だった私を含め、歌詞の意味など分かる筈もないクソガキ連中もフルコーラス対応可能。
郷愁を誘うとかとは懸け離れたジャンルなのですが、例のイントロを聴くだけで懐かしい気持ちになれる全世代共通の流行歌と言えるでしょう。

この他にも井上陽水(with中森明菜)やツイスト・世良公則、総立ち娘・山下久美子などなど80s'のレジェンド達がこれでもかと登場した濃密すぎる30分。
司会者やゲストのコメントが一切無い、実にストロングスタイルで良心的なオッサン殺し番組でした。
まあとりあえず、勝新の「夜はくりかえす」もたまには思い出してみようと思います。

2014/07/21

WWEロウ #1102

録画した日〔2014/7/18:JSPORTS3〕

毎回変なテンションのお客さんでお馴染みのカナダ・モントリオール大会。
オープニングでは、シールドから一人立ちしたローマンレインズが次回PPVでの4ウェイ王座戦へ決意表明をブチ上げました。
WWEのしきたりに基づいてオートン、ケイン、シナと参加メンバーを丁寧に紹介したレインズでしたが、やっぱり空気が読めないカナダのお客さんは「シーナ、サック」の大連呼。
ここから先はアドリブ的領域か。「さあ、どうするんだブラザー?」ってな具合にレインズの技量が問われます。
カナダの偏屈野郎どもの無茶ぶりに対し、大勢に影響のないレベルでシナをdisってみたレインズ。
ほんとは権力者サイドのケインとオートンをコキ降ろさなきゃいけない立場なのに、ジョンシナのナチュラルヒールっぷりはいろんな弊害を招いてしまいます。
とはいうものの、エンディングではシナとスキット無しの無言の顔芸でバチバチやり合ったレインズ。
今年のロイヤルランブルあたりから全社一丸でじっくり引いてきたスターシステムがそろそろ成就するのか?
次回PPVとその次の本場所・サマースラムあたりでの超展開に期待です。

<メモ>
  • トリプルH夫妻は今回有給
  • 次回PPVでスワガーvsルセフの米露決戦が実現する見込み
  • 前回のモントリオール大会中にぶっ倒れたジェリーローラーがファンにあらためて全開報告
  • ボーダラスが子牛・エルトリートを容赦なく返り討ち

2014/07/20

新日本プロレス闘魂史(#17)

録画した日〔2013/3/31:サムライTV〕

平成2年に行われた4試合。
2月10日の「スーパーファイト IN 闘強導夢」が中心です。
空前の神興行”2.10”を締めるのは猪木&坂口の新日黄金タッグ。
ただし東京ドームを「闘いのトレンディボックス」とぬかしやがる辻アナにかかると、この巨星2人は「赤い絨毯と社長の椅子の権力コンビ」。
たしかに猪木、坂口とも前年それぞれ参議院議員、新日社長へとステップアップした「上がり」のレスラー。テレ朝C調アナ野郎による無礼千万なギミック添加もあながち間違ってはいません。
そんな新日の象徴に刃を向けるのは蝶野&橋本の孫世代タッグ。
ドレッシングルームで世代交代のビッグコント「時は来た!」をブチ上げた屈強な若者2人は、ドームでの権力者狩りというビッグチャンスに臨戦態勢ギラギラの戦闘モードです。
こうして迎えた「エキシビションマッチ」は、時代の流れをリアルにさらけ出すいかにも新日らしい過激な展開に。
1年近くのブランクによりベストコンディションとは程遠い黄金タッグは、上昇志向で暴発寸前の蝶野&橋本に食らい付くのがやっとの状態となってしまいます。
容赦ない若者2人にボコボコにされつつ、プロレス的儀礼で何とか勝ちを拾った黄金タッグ。
超満員63,900人が集結した歴史的ドーム興行は、静かなる荒鷲・坂口征二の超レアな絶叫マイクを火ブタにここから日本マット史上最強のクライマックスへ突入します。
坂口
「またタッグ組みましょう!、またタッグ組みましょう!!」(猪木にバトンタッチ)
猪木
「えぇ、どうも。本当にありがとうございます」
「プロレスがまた再び必ず、大ブームが起きまして、私が長年夢であった本当の…、プロレスを通じて、スポーツを通じて世界平和に、必ず実現します!」
「私は、橋本と蝶野、もう今日は立ってるのがやっとでした。本当に強くなりました」
「でも、俺達はリングしか、しっかり、闘い抜きます!、ありがとうございました、また、よろしくお願いします!!」
スポーツ平和党としての政治的アピールと三銃士世代のプッシュを絶妙に織り交ぜる猪木。
マイクをリングアナ・田中ケロ氏に戻したところ、ケロ氏は「それではダァーを…」とこれまた絶妙なワンツーリターンを敢行します。
猪木
「それでは、約束どおり、私の勝った時しかやらないポーズ…、最近は力が弱くなりましたが、皆さんの心を一つに、一発気持ちイイやつをやらせて下さい」
「ご唱和願います、1・2・3でダァーです...」(ニコニコの坂口。ドーム内は爆笑から大歓声へ)
こうして24年前の東京ドームに人類史上初めて投下された「1・2・3ダァー」。
今は亡き春一番氏など、その後あらゆるシチュエーションにおける”締め”のテンプレート芸としてすべての日本人に継承されています。

ちなみに2.10の時点で現役引退-社長業専念の既定路線を敷いていた坂口征二。その引退試合はドームから1ヶ月後の3.15地元・久留米大会で行われました。
対戦相手はスコットホール(後のレイザーラモン)&CMカーシュナー(後のレザーフェイス)という地味メン。
フィニッシュも木村健悟の稲妻レッグラリアートに譲るという実に慎ましい荒鷲のラストマッチ。
しかしこの清貧の思想「坂口イズム」があったからこそ、新日は90年代の大ブレイクを迎えられたのでしょう。

2.10最大のトピックは、鶴田、天龍ら全日プロ勢禁断の緊急参戦。猪木の政界進出後に確立された馬場-坂口ラインの恩恵です。
全日トップ外人・スタンハンセンは8年ぶりの新日マット登場。皇帝戦士・ビッグバンベイダーが保持するIWGPヘビーに挑戦しました。
2大メジャーのトップがド迫力でぶつかる平成版「バトル・オブ・スーパーヘビーウェイト」。
特に凄かったのは序盤で右目を破壊されたベイダー。不沈艦に対し狂気に近い猛攻を仕掛け続けます。
もちろんこれを受け切って且つブン殴り返し続けたハンセンも至高。
伝説てんこ盛りの2.10ですが「ベストバウト」の問いには63,900人が全て同じ回答をするでしょう。

ラリーズビスコを撃破し、世界のメジャー・AWAヘビー級王座を奪取した獄門鬼・マサ斉藤。
前科一犯の47歳が快挙を達成したこの第6試合の後には、日本プロレス会場で初めて発生した「ウェーブ」がドームをグルングルンと回ることになります。
マサさんには失礼ですが、2.10ドームにおいてはこの感動の戴冠劇も前半のツカみ的ポジション。
ウェーブ発生を経て展開された後半戦、全日軍団登場を皮切りとする怒涛のラインナップにドームはもちろん全国のプロレスファンは歓喜の雄叫びを上げました。

当時高校生だった私も歓喜の雄叫びの一員。
この巨大イベントをきっかけに何となく冷めていたプロレス熱が再燃、2ヶ月後の4.13日米レスリングサミット参戦で完全復活を果たしました。

当初はムタ凱旋のNWA戦など「普通に豪華な大会」になる予定だった2.10。
諸々のトラブルで再構築した結果、2大メジャーにとって90年代黄金期の起点となる歴史的興行へと昇華しました。
もちろんこの大逆転の功労者はビッグサカ・坂口征二。
猪木イズムをやんわりながらも敢然と否定し、百戦錬磨の馬場さんと寝技で伍した穏健路線にあらためて敬意を表したい気持ちです。