Translate

2013/07/20

WWEロウ #1050

録画した日〔2013/7/18:JSPORTS2〕

昨年末からRAWの運営監督(スーパーバイザー)を任されている熟女・ヴィッキーゲレロ。
今回のボルチモア大会では、なぜかリングのド真ん中でその人事考課が行われる事になりました。
まな板の上のコイの如く、自らの処遇を待つ雇われスーパーバイザー。
この状況を居酒屋チェーンに置き換えれば、わざわざお客さんでいっぱいの店内で本部からダメ出しをされる店長といったところか...。
日本の某グループ企業も真っ青の、超絶ブラックな理不尽公開査定です。
もちろん裁きを下すのは「三役揃い踏み」の同族経営陣。
ただこの三者の足並みは揃っておらず、それぞれの対ヴィッキーのスタンスはビンス=擁護派、トリプルH&ステファニー夫妻=強硬派となります。
そんな背景から、人事考課はやがて義父ビンスvs 婿トリプルHによる家族内口論に発展。
この公開処刑のそもそもの言い出しっぺである娘ステファニーの判断により、熟女ヴィッキーの処遇はファン投票の結果に委ねられる事となりました。
ファの出した答えは当然「Fail=不適合」。
ビンス家伝統の「You're  Fired」葬をステファニーから食らったヴィッキーは、媚びもオベッカもかなぐり捨てて跡継ぎ夫婦へ猛口撃を敢行します。
まあこれが結構な正論だったりして、見てる側からすると微妙な心持ちになるんですが...。
愛すべきナチュラルヒールは残念ながらロングバケーション突入か、それとも次回以降もシレッと登場してくれるのか。
いずれにせよこの手の人事ネタでリアルorアングルを詮索するのは野暮な話。
JSPORTSの放送基準で熟女ヴィッキーの今後のご多幸を祈りたいと思います。
そして忘れ形見の如く進展するのはビンスvsトリプルHの親子ゲンカ。
現WWEでヴィッキーに比肩するヒールとなり得るのは、実はこの2人どちらかだけなのかもしれません。
個人的にはトリプルH夫妻にヒールターンしていただきたい。
PPV よりよっぽど楽しみな企業内+家庭内紛争です。

<メモ>
  • 世界最強の男・ヘンリー、みみっちくツイッターでジョン・シナを呼び出し
  • ファンダンゴ他の2軍マネー戦メンバーが集団コントを披露
  • 新ユニット「ワイアットファミリー」初登場、シールドがマシに見える乱入劇でケインを強襲
  • ヴィッキーの置き土産はCMパンクvsオートンの超豪華シングル戦

2013/07/18

タイガーマスク #67「黄色い悪魔復活」

録画した日〔2013/7/12:TOKYOMX〕

全米マットに「黄色い悪魔=イエローデビル」を名乗る東洋人レスラーが出現したという情報を入手した伊達タイガー。(情報源は旧友・大門大吾)
封印ギミックの盗用に居ても立ってもいられず、日プロトップの馬場さんに緊急渡米を直訴します。
伊達タイガーの悲痛な叫びに御大が出した答えはもちろん「No」。
たしかにギミックの侵害はプロレス界の禁忌事項ですが、伊達タイガーがアメリカに行ったところで何ができるのか?
むしろ全米に顔が利くビッグプロモーター・馬場さんが一睨みした方がよっぽど効果があると思われます。
馬場さんが伊達タイガーを説き伏せた大義名分は「ファンあってのプロレス」「リングの君を見ようと集まった客に何と弁解するつもりだ」という、ぐうの音も出ない正論。
要は「テメェの勝手で興行に穴開けんじゃねぇ」「タニマチに顔が立たねぇだろ」という、歴戦のブッカーとして当然の対応です。
なおこの渡米問答の過程で、日プロ昭和46年1月度の興行スケジュールが一部公開されました。
黒板に書かれたそれによると…
  • 1/24(日) 伊達タイガー遊園地でサイン会 ※猪木、大木はオフ
  • 1/25(月) 大宮体育館で興行
  • 1/26(火) 伊達タイガー移動日=羽田から大阪へ
  • 1/27(水) 大阪興行 ※会場不明。馬場さん、猪木、吉村は当日移動
  • 1/28(木) 午後からサイン会 ※馬場さんはコミッション出席
  • 1/29(金) 大阪体育館で興行 ※伊達タイガーは猪木と組んで外人戦
  • 1/30(土) 九州巡業開始 ※午後から記者会見あり
一週間で埼玉→大阪→九州と移動する何とも過酷なスケジュール。
しかも合間にはサイン会やら記者会見やら、外部とのアクセスもマメに実践していたようです。
やっぱりプロレスの基本は旅から旅への”Show must go on”。
合理化、パッケージ化が進んだ21世紀のマット界においても、この矜持だけは脈々と受け継いでほしいものです。
馬場さんの無慈悲なトップダウンを受けた伊達タイガーは、闇紳士・嵐先生の道場を訪問。
八方塞がり、暗中模索の中での気の持ちようを指南してもらうのが目的です。
もちろん清廉潔白な伊達タイガーが有力フィクサーを使っての「ネジ込み」を画策するはずはありませんが、渡米交渉が暗礁に乗り上げた直後のタイミングだけに誤解を招く軽率な密談といえるのではないでしょうか。
幾多の修羅場をくぐってきた(正しくは“作ってきた”か?)暗黒フィクサー・嵐先生は、例によって伊達タイガーのメンタルのブレをピンポイントで看破。
レスラー崩れの大門大吾を「ニセ黄色い悪魔」に仕立てて襲撃させるという荒治療を施しました。

その存在だけで伊達タイガーをきりきり舞いさせる黄色い悪魔の正体は、虎の穴を卒業したばかりの日本人「ケン」。
そしてなんと彼の妹は、伊達タイガーのオアシス・ちびっこハウスで暮らす「洋子ちゃん」。
理屈や仕組みはよく分かりませんが、ケンは伊達タイガーを抹殺することで妹・洋子ちゃんと再会ができるようです。
名門・虎の穴輩出のエリートである黄色い悪魔。グリーンボーイとはいえ実力の程は折り紙つきとなります。
ただ、少し残念なのはヤッつけ制作が伺える覆面のクオリティ。
素材はタオル地か?。佐山タイガー衝撃のデビュー戦(昭和56年4月23日蔵前国技館)を思い出させるフォルムです。
次回予告によると、伊達タイガーは虎の穴の陽動作戦にまんまとハマってアメリカマットへ突撃する模様。
だったらここはお目付け役で馬場さんに帯同してほしいところ。
師弟コンビの全米行脚シリーズなんかが見られると素晴らしいんですが…。

2013/07/17

WWEスマックダウン #724

録画した日〔2013/7/15:JSPORTS2〕

日本巡業(7/4,5)のためシェイマス、ミズ、ブライアンあたりの主力メンバーが不在となったカンサス大会。
そのテコ入れ策なのかCMパンクがゲスト参戦。オープニングで演説会を敢行しました。
会場を沸騰させる人気者に噛み付いたのは、自らを“番組の顔”と称する世界王者アルベルト・デル・リオ。
上から目線でヨソものを恫喝するデルリオと得意のマイク爆弾で徹底抗戦するパンクによる収束不能の舌戦は、GM補佐・テディロングの緊急トップダウンによりメイン戦の一騎打ちに持ち越しとなりました。
揉め事→メイン戦で決着という、何度も何度も何度も見てきた流れ。
今回そんな超マンネリのスパイスとなったのは、そのメイン戦の実況席に座ったハゲデブ・ポールヘイマンでした。
パンクLOVEをアピールしつつ色々とアヤシい動きを見せているこのインチキ野郎。馬脚を現すにはうってつけのシチュエーションとなります。
しかしながらヘイマンはデルリオに襲撃されて轟沈。これが原因で試合はリングアウトドロー決着となってしまいました。
勝ちを逃したパンクの矛先はブン殴った側のデルリオ。体を張ってくれたヘイマンには手を取って労をねぎらいます。

新展開、というかヘイマンの手のひら返しはPPVまでお預けか。
パンクの出場試合はマネー戦。どんな手法でハメるのか(ハメられるのか)今から楽しみです。

<メモ>
  • ケイトリンに追い掛けられたAJリー、ジグラーを放ったらかして逃亡
  • オートン、久々一騎打ちのクリスチャンをRKO葬
  • 極右オヤジ・コルター、独立記念日に怪気炎
............................................................................................................

この#724(現地時間7/2収録_7/5放送) の「裏開催」となった日本巡業=WWE Live。
私は初日7/4に両国スモウアリーナへ単独参戦を決行しました。
時間の都合で前座のヨシ・タツ(Yoshi Tatsu)が見られなかったのは残念でしたが、大正義・ジョンシナを始めとする“いつもテレビで見てるスターたち”と時間と空間を共有できるのはやっぱり格別です。
ちなみに個人的トピックは、若手乱入軍団・シールドの面々が本編のギラギラ無慈悲キャラとはひと味ちがうヘタレヒール芸を一生懸命こなしていた事でしょうか。

お客さんがいっぱいにならないのに、極東くんだりまで毎年来てくれる最強エンタメ軍団。
来年もやれんのか?、やってくれるのなら必ず見に行こうと思います。

2013/07/15

土曜キネマ スペシャル「座頭市」

録画した日〔2013/7/6:BSジャパン〕

16年ぶりに制作された26作目の映画版座頭市。
公開は平成元年2月。結果的にこの作品が勝新太郎最後の「座頭市」となりました。
新時代「平成」に降臨した昭和のヒーロー座頭市。
ただ、この映画の製作開始は昭和63年1月。いろいろスッタモンダ(いろいろあり過ぎるので詳細は割愛)があって「昭和」に間に合わなくなっちゃったのが実際のところのようです。
舞台は千葉県銚子市周辺の宿場町。この町は2系統のヒール軍に支配されていました。
座頭市のスタンスは、賭場で大儲けして目を付けられたり、恵まれないちびっ子ハウスに居候したりしながら両軍の抗争に巻き込まれていくというもの。
10年前に終了したTVシリーズの路線をほぼ踏襲しています。
町を牛耳る2大ヒールの一方のボスに抜擢されたのは、なんと座頭市のリアルバカ息子・奥村雄大(今の芸名=鴈龍)。
幕府の悪徳役人・陣内孝則とタッグを組む冷徹な合理主義者というギミックです。
ストーリーのキモにバカ息子...。
トンデモドラマ・警視-Kでもお馴染みの座頭市一家ゴリ押し人事がここでも炸裂した事となります。
奥村雄大と対立するもう一方のヒールはシェケナベイベー・内田裕也。
これまた口あんぐりのサプライズ人事です。(お約束の安岡力也、ジョー山中付き)
16年ぶりの勝負作にバカ息子vs無軌道ロッケンローラーというリスクの塊とも言える構図を描いた監督・座頭市。彼こそ本物の「ロック」ではないでしょうか。
そんな不安いっぱいのメインストリームを補完するのは三木のり平、緒形拳、樋口可南子といった超実力派バイプレーヤー連中。
この他プッツン5・片岡鶴太郎なんかもそれなりのポジションで参戦していたのですが、残念な事に彼らは点と線で言うところの「点」の散らばり。
豪華ゲストを乱立させず座頭市のワントップでズブズブと突き進んでくれた方が、見ている側からすれば分かりやすかったかも知れません。
この映画について各方面で絶賛されているのがラストのブッタ斬り祭り。
奥村雄大vs内田裕也の軍団抗争最終戦に乱入した座頭市は、1人で両ヒール軍を総ナメにして銚子市に平和をもたらしました。
そして、スーパーヒーロー座頭市の生涯における「斬り納め」となったのは、自らも熱狂的勝新太郎シンパである名優・緒形拳。
その役どころは、座頭市の凄玉ムードに惹かれる孤高の用心棒でした。
ヒール軍全滅により本来は斬り合う理由などなくなった2人ですが、緒形拳は侍としての矜持から宣戦布告を仕掛けます。
これを受けた座頭市は容赦なく緒形拳をブッタ斬って瞬殺。「抜いたのぁ、そっちが先だぜ…」とシビれるような名台詞を最後に、幾多の栄光を刻んだ銀幕から去っていきました。

私は「映画版」を見るのはこれが初めて。
1時間でサクッと完結するTVシリーズ=お茶の間向け勧善懲悪時代劇にしか思考回路が対応できないので、勝手の違うこの作品にはちょっと入り込めなかったというのが正直な感想です。
また、入り込めなかった要素の一つは序盤でいきなり飛び出した女親分・樋口可南子との大胆濡れ場(in露天風呂)でした。
通算100回のTVシリーズではババア相手の大ポカ1回を除いて残り99回に渡り純潔(?)を貫き通した座頭市。
映画版ならではのお色気カットなんでしょうが、最強ハードボイルドの変節は残念な限りです。
ヒール軍の陣容も、前述の奥村雄大&陣内孝則、内田裕也と、演技はともかくルックス的になんかピンと来ない面々でした。
ただそんな中で嬉しかったのは、TVシリーズの常連ヒール・蟹江敬三が相変わらずのセコセコ男として参戦していた事。
座頭市の寵愛を受けるこのヘタレヒールは、立ちションしてる所をブッタ斬られるという業界屈指の超VIP待遇でその役割を全うしました。

昭和6年生まれの座頭市は、当時還暦を迎えるちょっと前。
凄みのあるその風貌は年齢を重ね更なるグレードアップが施され、それでありながら殺陣で見せる華麗なステップは絶頂期を彷彿とさせる最強のコンディションでした。
しかし座頭市はこの輝きを最後に、ブリーフ案件や大病に見舞われる泥濘の平成時代(1990年代)へ突入してしまいます。
そして21世紀を迎える事なくこの世を去ってしまったスーパーヒーロー。
この作品のラストカットは、次の宿場への旅路を行くその横顔でした。
To Be Continued…。カッコいいまま不死身のまま何処かへ消えた座頭市。偉大なる漢の最期のダンディズムを真正面から受け止めるべき「遺作」です。