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2013/01/02

マディ・ウォーターズ & ザ・ローリング・ストーンズ ライブ・イン・シカゴ(Live at Checkerboard Lounge)

録画した日〔2012/12/16:WOWOWライブ〕

シカゴブルースの父・マディウォーターズが「ザ・チェッカーボード・ラウンジ」で敢行した1981年11月22日のライブ。
翌々年4月に亡くなったマディ・ウォーターズの最後のオフィシャルフィルムだそうです。 
ブルースの巨星には甚だ失礼ですが、セットリスト中で知ってた曲は「Mannish Boy」のみ。
オーニングで「どの人が巨星マディだろう?」と探すレベルのブルース無知の私の視聴目的は、途中参戦した元祖不良ロック・RollingStones連中のパフォーマンスでした。(実際、オープニングで巨星は不在。3曲目からの登場…)
時空を超えた愛弟子参戦による奇跡のセッションとして有名なこのライブ。
ストーンズは「ゲスト出演」ポジションだと思っていたのですが、あくまでも彼らは”偶然”お客さんとして入店。ミック他メンバーが、リング上の御大・マディウォーターズに招集されるという「乱入」アングルだったようです。
①入場ゲートにカメラ
「Baby Please Don't Go」演奏中に、なぜか会場入り口にカメラチェンジ。
なぜそこにカメラが?、はプロレスファンならツッコんではイケない常套設定です。
②元祖不良ロック軍団乱入
入り口を抜けてきたのは、ミック&キース&ロニーのストーンズ軍団(+イアンスチュアート)。
巨星の熱唱中に堂々カメラ前を横断。リングサイド特等席に鎮座します。
③ミックジャガー招集
大物「若手」バンドの入店に気付いた巨星は、ドラフト1位でミックジャガーをリングに招集。
ミックは戦闘服・ellesseの上下ジャージで憧れの巨星とのマッチアップに臨みます。
④オイ、キース出て来い!
あっという間にミックジャガーを懐柔した巨星が続け様にキースを招集。
ボトルガブ飲み芸を披露していた不良番長は、輝く少年の瞳でステージに合流します。
⑤巨星&グリマーツインズ夢のセッション
即興が大得意な巨星&グリマーツインズは、さっそく絶妙のセッションを展開。
ただ、せっかく一緒に来たのに呼ばれてないメンバーが…。
⑥「もうひとり」どうすっかな?
ただの酔客に落ちぶれかけた永遠の若手・ロンウッドもミックの気配りで招集。
これで来店メンバーが全てリングイン。巨星vsストーンズのビッグマッチが開始されました。
こうして実現した世紀の競演はわずか数曲。ライブ途中で巨星とミックは客席に移動して、すっかり「お客さん」になってしまいました。
ストーンズ系でリングに残ったのはキース&ロニーのリズム隊と、ピアノ・イアンスチュアート。それはそれで素晴らしいセッションだったのでしょうが、フロントマン原理主義の私としては「あれっ?」という展開でした。
あくまでも主役はマディ・ウォーターズ。絶対不可侵の巨星が、お気に入りのメンツを集めて演りたいようにヤるのが当ライブのコンセプトです。
その意味では産業ロックの巨星・ストーンズも単なるパズルの1ピースだったのかもしれません。
ブルース好きにはおそらくマストアイテム。ストーンズ好きにとっても見ていて嬉しくなる大御所依存リラックスモードの貴重ライブ。
お酒を飲みながら見るとすこぶる楽しい。ストーンズがいなければ知り得なかった超大物・マディウォーターズ入門キッカケ編のアーカイブだと思います。

2012/12/31

座頭市物語 #26最終回「ひとり旅」

録画した日〔2012/9/14:時代劇専門チャンネル〕

生まれ故郷の村に帰ってきた座頭市。
育ての親の和尚さん・中村鴈治郎は、座頭市から仕込杖を没収。カタギの道=お坊さん修行を命じます。
袈裟コスプレもぎこちない座頭市は、お坊さん修行に悪戦苦闘。
どうやら正座と読経のお坊さん定番ムーブが苦手のようで、リアル義父・中村鴈治郎(玉緒さんの父)とのグダグダ練習は絶品の面白シーンです。
心を入れ替え修行をする座頭市ですが、渡世人業界では今だ500両懸賞クビの身。一匹狼・竹脇無我やセコいチンピラ・中尾彬等のヒール連中が500両目当てに静かな村へ乱入します。
中村鴈治郎の判断で境内裏のホラ穴に隔離された座頭市は、美人すぎる村娘・由美かおるからのオニギリ差し入れという超高待遇にも浮かぬ顔。
村の平穏を乱してしまった悔恨にフラストレーションが募ります。
ヒール軍に荒らされる静かな村は、座頭市が居なくなるしかない状況に。
それを案じた中村鴈治郎は、自らが座頭市の身代わりでヒール軍に斬られる哀しい選択を取ってしまいました。
まさかの悲劇に茫然自失・激昂の座頭市。安住の地、終の棲家になるはずだった生まれ故郷を惜しまれながら後にします。
渾身のメッタ斬りでヒール軍を壊滅させた座頭市は、彼らと一線を画していた一匹狼・竹脇無我とのサシ勝負にも完勝。
今までと何も変わらないまま、次の宿場へのひとり旅を続けることになりました…。
今回#26はTV版ファーストシーズンの最終回(昭和50年4月放送)。
中村鴈治郎、竹脇無我らの豪華メンバーを擁したエピローグは、何とも切ない「To Be Continued」になりました。
1年半後の昭和51年10月「新・座頭市」まで一旦お休みの座頭市。
「TV仕様」の壁を豪快にブチ破った生粋のエンターテイナーは、次なるビッグシーズンに向けて束の間の充電期間(おそらく放電、漏電も多々アリ)に入ります。

WWEロウ #1021

録画した日〔2012/12/28:JSPORTS2〕

WWE版プロレス大賞「スラミー賞(Slammy Awards)」授賞式が行われたフィラデルフィア大会。
ネイチャーボーイ・フレアーや、なぜか坊主頭のトリプルHなど豪華メンバーが参戦しました。
WWEならではの「キス賞」を受賞したのはAJリー&ジョンシナ。
前日のPPV「TLC:テーブル、ラダー&チェア」でAJのハシゴ落としを食らったジョンシナは欠席。授賞式にはAJリーだけが登場しました。
プレゼンターはAJの仇敵・ヴィッキーゲレロ。例によって一触即発になったAJは、仲裁に入ったドルフジグラーに仰天略奪濃厚キスを敢行します。
もう何だか分からんカオス状態。
その後ジョンシナが、ジグラーのマネー権行使(対ビッグショー)を妨害する事件もあり、メイン戦で「AJリー&ジグラーvsヴィッキー&ジョンシナ」の男女混合タッグマッチが決行されることになりました。
超展開のメイン戦。最後の最後にはさらなるカオス、理解不能の結末が用意されていました。
試合中盤にAJリーが謎のデッカイ若手を緊急招集。このデッカイ若手は叩きつける系の痛そうな大技でジョンシナをKOします。
体は凄いけど顔があまりにも凡庸なデッカイ若手は、育成番組・NXTのラングストンとかいう選手との事。
猛プッシュ中の乱入軍団・シールドと合わせて、またまたゴリ押しのニューカマーなのか?
RAWとSMACKDOWNしか見ていない私としては未知数の不安な若手。AJとシナの面白色恋アングルの潤滑油になってくれるといいのですが…。

<メモ>
  • 復活フレアー、ハゲデブ・ヘイマンを必殺4の字葬するも乱入軍団・シールドの襲撃を受ける
  • ベビーターン中のデルリオ&ミズ、トミードリーマーとタッグ結成でECWの地元に媚
  • 新人賞を逃したアントニオセザーロがアメリカ選挙制度を猛批判
  • 試合賞のトリプルH、なぜか坊主頭で久々登場&演説

2012/12/30

プロレスの星 アステカイザー #18「危機一髪! 悪魔の足攻めアイアン・クロー」

録画した日〔2012/12/4:チャンネルNECO〕

根一(こんいち)君というプロレスラー志願の中学生がどっかの農村から上京。
東都プロレス後援会長・速水博士のご子息太助君を頼りに、さっそく道場へ入門志願に行きます。
道場主・ジョー神埼へ入門を直訴した根一君ですが、年齢を理由に門前払い。
海外マットでは14歳でプロレス入りした人間魚雷・テリーゴディの例もありますが、ここ日本は大相撲でも最低は中卒。ジョー神崎の判断は、至極当然のものでしょう。
プロレスラーへの夢を捨てられない根一君は、首都圏近郊の各プロレス団体へアポ無し入門行脚を敢行します。
  • 井中プロレス(”田舎”と掛けたネタ団体か?)
  • APA亜細亜プロレス(WWEアコライツとは無関係)
  • 極東プロレス
  • 田口プロレスジム(浅草・アニマル浜口ジムのような養成所的位置づけか?)
しかし、残念ながらというか当然というか、上記4団体いずれもNG。
それにしても中学生の移動可能圏内に東都プロ含め5つの団体がひしめき合っているとは、昭和52年はなかなかのプロレス戦国時代だったようです。(新日、全日、国際を合わせて計8団体か?)
田舎に帰るに帰れない根一君をスカウトしたのは、番頭・サタンデモンの言うところ「日本一強い格闘士集団」ブラックミスト。
サタンデモンはトレーニングと称し、根一君に理不尽拷問刑を仕掛けます。
普通の中学生には耐えられないであろう極限状態に置かれても、ブラックミスト傭兵を「カラストンビ野郎」と相手にせず「オマエに噛み付いてやる」とサタンデモンに凄む根一君。
コイツは相当な凄玉。できれば高校レスリング部などで体作りをしてから、勇躍プロレス界に乗り込んで欲しい逸材です。
そのままブラックミストにいてもモノになったかもしれない根一君を、アステカイザーは社会通念上の良心で救出。
最後はアニメ化ムーブ「カイザーイン」で完封したものの、どうやら最近は足を負傷している模様。サイボーグ格闘士・コースデグラーの執拗な足攻めに苦しんだ一戦でした。
もう何でもいい根一君は、最後はアステカイザーに弟子入り志願。
常識人のアステカイザーは「体を鍛えて5年後に」と、具体的な目標設定を提示して根一君の前途をサポートします。
無碍に門前払いしたジョー神崎とは器が違う。東都プロレスで若手が育たない理由が分かる気がします。
気が付けばここ数回、全面協力・新日プロの精鋭陣の登場は全く無し。
しかしそれでも鑑賞に値するレベルを維持しているのは、飛躍的に向上したプロレスムーブにあると思われます。
今回アステカイザーは「フランケンシュタイナー」のプロトタイプと思われる変形回転首投げを披露しました。
ベビーとヒールががっちり噛み合う陣容を確立させたクソガキ向け特撮。頑なにフィニッシュをアニメ化するポリシーも含め、団体の色を全面に出して残り8回突き進んでほしいものです。

「クロスファイア・ハリケーン(Crossfire Hurricane)」ザ・ローリング・ストーンズ50周年記念ドキュメンタリー

録画した日〔2012/12/5:フジテレビ〕

フジテレビのロックリスペクト企画「THE ROCK MOVIES」というカテゴリでピックアップされた発掘映像満載のストーンズ記録映画。
公開は今年の11月で監督はブレット・モーゲン、製作総指揮は「Shine a Light」のマーティン・スコセッシ。Blu-ray(DVD)発売の2週間”前”という、律儀に予約しちゃって商品到着待ちだったファンにとっては「無常の世界」とも言える迅速オンエアーとなりました。
脱退組・ビルワイマンとミックテイラーも含めた本隊メンバーへのインタビューをナレーション代わりに、グループの歴史を振り返る構成。
使われる映像はリリース済みの公式映像が主で、それに当時のニュース映像や各種お蔵入り系発掘映像が重ねられていきます。
だいたいが何処かで見た事ある映像でしたが、私としては不良番長・キースリチャーズのピッチリネクタイ姿のお宝映像を見る事ができて感激です。
何より「映画」として作られているだけに、各エピソードがいちいちドラマチック。ドラッグ禍や乱痴気騒ぎ系のアホバカネタも、ズッシリ重い歴史としてフィーチャーされます。
そして、1つの事件に現在のストーンズがそれぞれコメントを付けるという手法はとても興味深いものでした。

内気な貴公子・ミックテイラーも積極的にコメントで登場。
あんまり語られた事がない脱退劇については、ミックとキースにイジメられて逃げ出したんじゃなく「ドラッグから抜けるため」のリタイヤだったとの事。
これを受けたキースによる「(テイラー脱退は)ヤッパリ滅入るね、軌道に乗った矢先だったのに…」というコメントは何とも切ない限りです。
嬉しい新エピソードとしては、キースリチャーズが「Midnight Rambler」を絶賛(正しくは自画自賛?)していた事。
「オレ達じゃなきゃ作れない」「オレとジャガーを象徴する曲」という煽りと共に絶頂期”レディジェン”のライブパフォーマンスと、悪名高き”コックサッカー”の酒池肉林ジェット機乱交映像がシンクロするシーンは、個人的にこの映画のクライマックスでした。
50周年記念とはいうものの、実はこの映画で取り上げられたのは「女たち」期までの20年弱。
永遠の若手・ロンウッドに至っては終了間際10分前に駆け込み登場という冷遇っぷりでした。
これはPART2を作る布石なのか?
映画という観点なら、「刺青の男」以降の産業ロック化やミックvsキース冷戦、ミックの叙勲&セレブ化、老いとの葛藤等々、80年代以降のほうが面白ネタが多いのではないかと思います。

Blu-ray版を見てからチェックした地上波フジテレビ版。
CMの鬱陶しさを差し引いても、正直なところフジテレビ版の方が字幕が親切で見やすかったです。
Blu-ray版ではコメント字幕にメンバー名が無く、このフジテレビ版でコメント主の誤認識に気付く事が多々ありました。
エンディングを迎えて「あれっ?」という感じになる、ちょっと物足りない50周年ドキュメント。やはり最低でもミックvsキース冷戦期まではフォローして欲しかったと思います。
ただ、そもそもブライアン・ジョーンズ案件だけでも2時間じゃ足りないはず。そんなストーンズの50年を2時間でまとめるのは無理な話なのでしょう。
お宝映像や発掘エピソードに拘らず、普通にPART2を作って貰えるとありがたいんですが…。