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2014/09/20

WWEスマックダウン #785

録画した日〔2014/9/15:JSPORTS3〕

2週後のPPVでブロックレスナーとの雪辱戦を控えるジョンシナ。
ネブラスカ大会のオープニングでその決意表明をブチ上げました。
「赤」がチームカラーのネブラスカ大学に登場した赤Tシャツ・シナはお得意の全方位ヨイショ外交を炸裂させた上でレスナー潰しを宣言。
しかしこの日はレスナーもポールヘイマンもお休み。
その代わりというわけではないでしょうが、演説途中に権力者サイド・ケイン&セスロリンズが乱入します。
その1対2の状況に、呼ばれてないけど緊急参戦したのはWWE一押しベビー・ローマンレインズ。
この段階でシナvsレスナーの色はグッと薄まり、更にはワイアットファミリーやらY2Jジェリコやらビッグショー&マークヘンリーやらが続々ネブラスカのリングに雪崩れ込みます。
いろんな連中が割拠してワケの分からんオープニング。
ここで美味しくシメを担当したのはもちろん悪のCOO・トリプルH。メイン戦での全員ごった煮5対5の10人タッグマッチをトップダウンしました。
かくして決行された10人戦。
過剰人員が出たら何ちゃらバトルロイヤルに放り込むWWEにおいて、ギリギリしきい値の試合形式です。
結果、シナvsレスナーはもはや忘却の彼方へ。
ワーカホリック・ジョンシナの孤軍奮闘プロモーションはこの先も続いていきそうです。

<メモ>
  • 次回PPVでマークヘンリーvsルセフの米露決戦が行われることに
  • 健気なベラ妹が、AJリーに襲撃されたヒールの姉をガード

【KENTAデビュー!】WWE NXT TAKEOVER

録画した日〔2014/9/19:JSPORTS3〕

WWEマイナーリーグ「NXT」の2時間特番。
開催日は9.11、プロレスリング・ノアから移籍したKENTAが遂にWWEのリングに登場します。
KENTAの出番は第3試合終了後。ジャパニーズレスラー伝統の三味線系テーマ曲に乗ってその姿を現しました。
リング上で待つのはNXTのGM・ウイリアムリーガル。
マイナーリーグとはいえ、新入団選手に対するセレモニーとしては最高クラスのものではないでしょうか。
ちなみにアオりVTRにはノア時代の映像も多数カットイン。
そこにことごとく映り込んでいたのはノアのタニマチ「ザ・リーヴ」の看板。
「空き室でこまぁったら、まかせてください~♪」でおなじみの不動産屋が世界170カ国に発信されるという、想定外のKENTA効果が生み出されました。
会場の濃厚マニア連中は「KENTA!」チャントで日本人ルーキーを大歓迎。
超大物CMパンクのフェイバレットホールド「GTS」を開発した男。この要素だけでもKENTAはリスペクトの対象であると言っていいでしょう。
GMリーガルと抱擁後「Hello!」と会場に一吠えしたKENTA。マイク芸はWWEで生き残るにあたり最も重要なスキルです。
しかしKENTAはここでなんと「今日こうして、このリングに、ようやくこのWWEのリングに立つことができて、ホントに嬉しく思ってます」と母国語=日本語で決意表明をブチ上げ始めました。
「今日からオレは、新しく“ヒデオイタミ”として新しいスタートをきります」とアヤシイ新リングネームをまずは日本のファンへ伝えたKENTA、じゃなくヒデオイタミ。
続けて「皆んなのヒーローになれるように、オレはこのリングでベストを尽くしたいと思ってます」と優等生宣言で日本語挨拶を締めました。
そしていよいよEnglishでのご挨拶に突入。内容は謙虚で前向きな日本語版と概ね同じものでした。
「ヒデオイタミ」への改名案件もウマいこと謎掛けっぽく伝わったようで、会場の濃厚マニア連中の反応も上々。
見てる方がドキドキのおしゃべり実技試験はとりあえずクリアといったところでしょうか。
大看板「KENTA」を捨てWWEへの恭順を誓ったヒデオイタミ。
しかしそんな思いをブチ壊すかのように、アセンションとかいうヒールタッグが乱入してきます。
もちろんこれは「顔芸」の実技試験。ヒデオイタミは”おぅ、来やがったな”的にこのWWE必須スキルをクリアしました。
ここから先は世界共通の大乱闘劇。ヒデオイタミはキックとローリングエルボーで悪党2人を一網打尽にします。
ローリングエルボーはレジェンド三沢光晴へのオマージュか?
おそらくそれを解釈できたであろう濃厚マニア連中は「ヒデオ!」チャントで新星の門出を祝ってくれました。
「国際的」「史上最大級」のフレーズが連呼されるなど、WWEはKENTAを”完成品”として登用したはず。
しかしそれでもやっぱりギミックは総取っ替えでマイナーリーグからのスタート。プライドの高い「世界唯一のメジャー団体」は例外を許してくれません。

ただその辺りは本人もファンも承知のこと。
特に「ヒデオイタミ」本人はそんなシチュエーションも含めて、一からWWEを楽しみたかったのではないでしょうか。
そんなヒデオイタミのお陰でそろそろNXTのレギュラー放送も再開される模樣。
これから出てくるであろう元新日・プリンスデヴィットも含め、一軍へステップアップする過程を追うのは楽しそう。毎週必見です。

2014/09/19

独眼竜政宗 #24「天下人」

録画した日〔2014/9/13:NHKBSプレミアム〕

昭和62年放送のNHK大河ドラマ。
この#24「天下人」では、主人公・伊達政宗が小田原で豊臣秀吉と初謁見するシーンが描かれます。
かねてからの小田原攻め参戦要請に対し、月単位の大遅刻をカマした伊達政宗=渡辺謙。
真っ白な死装束に身を包み「煮るなり焼くなり…」的な命がけの豪快土下座パフォーマンスを敢行します。
政宗がひれ伏す天下人・秀吉を演じるのは、これが大河ドラマ初見参の勝新太郎。
ギラギラしてないけど枯れてもない、おっかなさ無限大のキメ顔で豪胆な若武者をギロリと待ち受けます。
この正宗vs秀吉初遭遇シーンが、役者・渡辺謙vs勝新太郎としても正真正銘の初遭遇だった事は有名な話。
勝新が下した「どうせならオレらも…」の勅令で、渡辺謙は本番撮影時まで大先輩に挨拶すらさせてもらえなかったそうです。
かくして伝説となった両雄の超緊迫マッチアップ。
めでたく秀吉=勝新のツボにはまった正宗=渡辺謙は業界に大きなステップを踏み出す事となりました。
レジェンドが仕掛けた“ガチなアングル”に熱いバンプを取ったグリーンボーイ。役者魂みなぎる世代闘争です。
歴史モノや武将系に全く疎い私がこのドラマを見てるのは、エキセントリックなカツシン秀吉に謁見するため。
正宗とメインを張った今回は見せ場満載、座頭市の必殺技であるドカ食いムーブも披露されました。
カツシン秀吉は、お茶会で下ネタをブッ放したり、淀君=樋口可南子との間にデキた赤ちゃんにデレデレだったりのいわゆる俗物キャラ。
それだけに、遅刻した正宗に見せたような怒りのコントラストは恐怖そのもの。とにもかくにも圧倒的存在感のバイプレーヤーです。

勝新だけでも超スペシャルなのに、徳川家康=津川雅彦、正宗の伯父さん=原田芳雄などなど、このドラマは他のバイプレーヤーも超ド級。
卒業組には北大路欣也やドリフ長さん、ゴクミなんかもいて、Wikipediaの出演者一覧を見ると目眩がするほどです。
そんな銀河系軍団の中で「そのさらに一枚上」的ポジションに君臨した勝新。
クソドラマ警視-Kでいきなりミソが付いた1980年代は、勝プロ倒産、バカ息子&娘の大麻容疑など重たくて暗いものでした(なお、99.9%自業自得である模様)。
今回の太閤役VIP待遇は、リビングレジェンドとしての誇りを取り戻すひとすじの光明となったのではないでしょうか。
そして何より凄いのは錚々たる銀河系軍団を従え主役を張った当時28歳の渡辺謙。
豪放磊落なラストサムライは16年後に本場ハリウッドの銀河系までブレークスルーし、このドラマの価値を文化遺産の域まで引き上げる事になります。
次回#25はちょうど折り返し地点。
あと半年、日本史も勉強しつつ絢爛のオールスターウォーズを楽しみたいと思います。

2014/09/17

新座頭市 破れ!唐人剣

録画した日〔2014/1/30:日本映画専門チャンネル〕

昭和46年1月に公開されたシリーズ22作目。
中国人剣士と座頭市のふれ合いと過酷な運命が描かれます。
三波伸介率いる地元のチンピラ“てんぷくトリオ”と仲良く情報交換する座頭市。
今回はシリーズ初となる国際試合。我らが日本代表ダークヒーローは心身とも上々のコンディションであるようです。
一方、中国代表は香港のジミー・ウォング(=王羽=ワン・ユー)。
昭和18年生まれ当時28歳のウォングは現地で“天皇巨星”と称される超大物スター。
ひと回り年上の座頭市(昭和6年生まれ)は、そんなウォング天皇に実直系正義漢ベビーフェイスギミックを献上しました。
ウォングのメイン武器は短剣。これにジャンプやバク宙など香港の定番ムーブを織り交ぜたトリッキーなファイトスタイルが持ち味です。
ただし、ウォングの来日目的はかつて共に修行をした日本人住職を訪ねる事。
座頭市との日中決戦どころか、争い事から開放される癒しの旅となるはずでした…。
闘う必要のないのウォングと座頭市を結び付けたのは日本住まいの中国人ちびっ子。
この子の両親が役人に斬られるシーンに居合わせたウォングは怒りのメッタ斬り。賞金首の逃亡者となってしまいます。
かたや座頭市はこの子が泣いているところに通りかかり、例によって行きずりで面倒を見る事となりました。
やがて座頭市&中国人ちびっ子は逃亡中のウォングと合流。ここでミソとなるのが言語の壁です。
言葉だけでなくアイコンタクトもできない座頭市は、味覚からの切り崩しとしてオニギリ外交を展開。
日中ハードボイルド2人がこうして次第に心をかよわせるシーンはほっこりと味わい深いものがあります。
日本語を少し話せるちびっ子の機転もあり程よく意思疎通ができた3人は、ウォングの修行仲間の住職がいる栃木県間々田を目指すことに。
とりあえずこの日は、人が良くて清貧で一人娘がいて町外れというフラグてんこ盛りのお宅に匿ってもらう事になりました。
翌朝お酒の買い出しに町へ下りて行った座頭市は、よせばいいのに顔芸豊かなてんぷくトリオと飲み&博打を敢行。
そしてやっぱりその間に地元ヒール軍が町外れのお宅を襲撃。ウォングとちびっ子は難を逃れたものの健気な一人娘が連れ去られてしまいました。
ヒール軍本拠に乗り込んだ座頭市は親分・安部徹を耳そぎ刑に処した上で無事に娘さんを解放。
しかしウォングおよび娘さんからすると座頭市は居場所を密告した下衆野郎。
もちろん誤解、濡れ衣ではありますが、てんぷくトリオと油を売っていたせいで座頭市の信用は地の底まで失墜してしまいます。
座頭市に「裏切られた」ウォングはちびっ子&娘さんと共に間々田のお寺に到着。かつての修行仲間・南原宏治にあたたかく迎え入れられました。
霊験あらたかな神社仏閣はヒール軍の襲撃対象外。
闘いに疲れたウォングにようやく癒しの時が訪れたと思われたのですが…。
どっからどう見てもヒール顔の南原宏治に「悪い事すんなよ」と言うのは無理な話。
このクソ坊主はさっそく金目当てで旧友ウォングの居所をヒール軍へ密告。その結果ちびっ子が人質としてさらわれてしまいます。
一方、密告疑惑が晴れない座頭市はちゃっかり地元サロン嬢・浜木綿子といい仲に。
ただもちろんウォング案件から逃避したわけではなく、浜木綿子とてんぷくトリオの力添えのもとちびっ子奪還に見事成功しました。
怒りに燃える座頭市は一気にヒール軍征伐へ。
親分・安部徹をブッタ斬り、クソ坊主・南原宏治らに孤軍対峙しているウォングの救出へ馳せ参じます。
ちなみにこの座頭市vs安部ヒール軍のシーンは硬軟織り交ざった仕掛けが満載。勝プロ金掛けてんなぁ、という極上のクオリティでした。
アクションの達人・ウォングは座頭市の到着前にヒール軍を完全粉砕。夢の日中剣豪タッグ結成はなりませんでした。
それどころかウォング的に座頭市は「クロ」の裏切り者。
言語の壁が最悪の形で立ちはだかり、2人は真実を共有できぬまま無常の一騎打ちへと突入します。
静の座頭市と動のウォングといった趣の日中決戦。
京都太秦と香港ではいろいろと殺陣の作法も違うはずですが、そこは百戦錬磨のトップスター同士、エンタメ系ポテンシャル全開でガッチリとロックアップしました。
ラストは座頭市がミリ単位の剣術でウォングに勝利。
ただしこれはあくまで日本版だけのもので、香港公開版では香港の巨星・ウォングが日本の座頭市を葬り去るラストにすげ替えられたというのが定説です。
そしていまだ発掘されていない勝者ウォングバージョン。
香港映画&勝プロというネタ要素満載ユニットが織りなした、実にアヤシイ昭和のミステリーと言えるでしょう。

座頭市お得意の勧善懲悪アングルが適用外となる異色作。
日中ダークヒーローが珍道中を繰り広げつつヒール連中をブッタ斬っていくものだと思ったら大間違いで、これもある意味お得意と言える両雄並び立たないバッドエンドが用意されていました。
テレビ版から入った私にとって、テレビに出る前の座頭市を見るのはこれが初めて。
場面場面でことごとく痛快でカッコいい、キメポーズ&キメ台詞連発の「映画スター」座頭市に大満足です。
HDDにはまだまだ多数の「映画版」が眠っている状態。
大好きなドカ食いムーブの変遷をたどるなど、暇を見つけてランダムに消化していきたいと思います。