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2013/05/18

WWEスマックダウン #715

録画した日〔2013/5/13:JSPORTS2〕

昨年11月「サバイバーシリーズ」に登場して以来、何だかんだでメインストリームを張り続けている若手乱入軍団・シールド。
今回のデトロイト大会では、赤い処刑マシン・ケインを標的に定めました。
ロックやトリプルH 、テイカーといった殿堂入り系のスターからシナ、オートンなどのバリバリ世代までまんべんなく襲撃するシールドですが、皆んな尻切れトンボで結局のところ「何ぁにがやりたいんだコラ」的な存在に過ぎません。
今回はケインが標的なので、そのタッグパートナーのダニエル”Yes”ブライアンにとりあえず事前襲撃をブチかましました。
こうして迎えたメイン戦は、ケインが孤軍奮闘するものの1対3ではどうにもならずに轟沈してしまうエンディングに。
シールドの当面の相手はケイン&ブライアンのチーム「へル・ノー」となる模様です。
こんなシールドの身分不相応プッシュのみならず、毒蛇オートンの不遇やデル・リオの健全ベビーフェイス路線など、どうにも腹の底から楽しめない最近のWWE。
かと言って、ボケっと見てるといきなり超展開が勃発するのもWWEクオリティ。これが初めてのことじゃぁないんで、居眠りしないように見続けようと思います。

<メモ>
  • オートンとビッグショーが1対1の抗争を開始
  • シェイマスとヘンリーが、綱引き決戦に続いて不毛な腕相撲対決

タイガーマスク #58「ブラックV」

録画した日〔2013/5/10:TOKYOMX〕

遂にブラックVとの決戦の刻を迎えた伊達タイガー。
そのセミファイナルには日本プロレス史上最強タッグ「BI砲」が勇躍参戦。期待のホープのビッグマッチに花を添えます。
BI砲の対戦相手は虎の穴出身のザ・ミラクルズ。
極悪殺法が売りの強豪マスクマンツインズですが、巨人軍「ON砲」とも並び称される昭和のスーパーユニットからすればガキも同然の雑魚コンビ。勧善懲悪のBI砲劇場に期待が高まります。
しかし試合の主導権を握ったのはミラクルズ。残虐無比な木製階段攻撃により、我らがBI砲は仲良く大流血に見舞われてしまいます。
双子のミラクルズと比較するのは酷ですが、やはり2大スター共闘の課題は心の通ったタッグワークか。
これといった連携プレーが披露される事もないまま、反則裁定による辛勝でメイン戦の伊達タイガーにタスキを繋ぎました。
かなり物足りなかったBI砲ですが、あくまでもこの日の主役は伊達タイガー。
この凡戦は「前座が目立ってはいけない」という日プロの不文律を、トップ2人が身を持って指し示した模範試合という見方もできるのではないでしょうか。
こうしてBI砲の超豪華露払いを受け決戦のリングに立った伊達タイガーですが、その腰には見慣れないチャンピオンベルトが巻かれていました。
実況アナによると、この試合は伊達タイガーが保持する「覆面世界チャンピオンベルト」を賭けたタイトルマッチだそうです。
降って湧いたような王座戦ネタ。黄金と言うより木製っぽいこのベルトを、伊達タイガーがいつ何処で誰から奪取したのかは不明です。
そもそも絶対的権威NWAの認定は受けているのか?。カテゴリを“覆面”と限定している事から、いずれはジュニア8冠なんかに紛れ込まされて自然消滅する運命でしょう。
BI砲の出陣やら覆面ベルトやらの超展開で、私としては「オメェはそれでいいや」状態となったブラックV。
ただ、暗転した花道にキャンドルを灯して姿を現すその入場シーンは十分に金が取れるクオリティ。WWEの生ける伝説・アンダーテイカーもこのブラックVからインスピレーションを受けているはずです。
注目の60分3本勝負は、1本目を「V式ミサイルヘッドバット」で奪われた伊達タイガーがウルトラタイガーブリーカーを場外コンクリートに直撃させ2本目を奪取。
3本目を待たずしてブラックVを病院送り、見事に覆面世界チャンピオンベルト防衛を果たしました。
絶対的スターであるBI砲を脇に回し「メインイベンター」として世紀の対決に激勝した覆面王者・伊達タイガー。
中邑”クネクネ”真輔のIWGPインターコンチネンタルのように、伊達タイガーも好き勝手にやってインチキ臭い「覆面世界チャンピオンベルト」の価値を高めていってほしいものです。

2013/05/15

ワールドプロレスリング ~IWGPヘビー級選手権 オカダ・カズチカvs鈴木みのる

録画した日〔2013/5/12:テレビ朝日〕

5.3福岡国際センター「レスリングどんたく」のメイン戦。
王者オカダカズチカが、鈴木みのるを撃破して初防衛に成功しました。
30分超の激闘の末にレインメーカーの軍門に降った鈴木みのるは「全然効いてねぇ」と強気発言をブチ上げながらヨレヨレヘロヘロ這う這うの体でドレッシングルームへ消えていきます。
ともすれば某新喜劇系のベタ芸にもなりかねないムーブですが、もちろんそんなツッコミを入れる余地はゼロ。
相手の格を上げつつも自分の価値は落とさないという、プロレスラーとして一つの到達点に達したとも言える無双っぷりです。
伏線はよくわかりませんが、次期チャレンジャーとして名乗りを上げたのは暴走キングコング・真壁刀義でした。
真壁が強調していたのは「スッキリ」というフレーズ。レギュラー出演している芸能番組の名前です。
その絡みで強調していたのが“世間へのアピール”。
確かに現時点では全国ネットのワイドショーに毎日(毎週?)乱入している暴走キングコングのほうが世間の知名度は上でしょう。9時5時で働く平均的サラリーマンの私には全く分からんネタですが…。
おしゃべりにはちょっと幅が出てきたレインメーカー25歳。
暴走キングコングの仰せのとおり、次の一歩はプロレス村を超えて対世間へのバリュー拡大でしょう。
手っ取り早いのは炎上マーケティングやら有名女性とのスキャンダルあたりか…、悪のマネージャー・外道と前向きな悪巧みを企ててほしいものです。

2013/05/14

WWEロウ #1040

録画した日〔2013/5/11:JSPORTS2〕

ヨーロッパ遠征から帰還してのコロンバス大会。
そのヨーロッパ遠征でWWE王者・ジョンシナはアキレス腱を負傷してしまったそうです。
負傷を押してでも闘う気満々のシナ。
熟女・ヴィッキーゲレロの采配により一旦はメイン戦(宿敵ライバックと組んでシールドとの2vs3ハンデ戦)から外されますが、再編成された6人タッグ戦をライバックがボイコットした事もあり、強引にシールド征伐に乗り出します。
しかしケガの影響か、シールド軍の猛攻に轟沈してしまったシナ。
本来メイン戦のリングにいるはずのライバックは、なんとも小憎らしい高みの見物を決め込みました。
ひたすら「FeedMeMore」とシャウトして悪い奴らをブン投げてた単細胞系ベビーの方がしっくり来るライバック。見る側にとっても試練のヒールターンです。
一方10年近く不動のベビーフェイス路線を邁進する王者シナは、大会前半でWWEの「Make a Wish」活動の一環として難病のチビっ子を憧れのステージに招待。
もちろんこのような奉仕活動はストーリーとは別物ですが、明るく楽しくそして真摯にアプローチができるのは今のWWEでは彼だけではないでしょうか。
こういったシーンを見るにつけ、シナにヒールターンを期待しちゃぁイカンと強く感じます。

<メモ>
  • 次回PPV王座戦(ジグラーvsデルリオvsスワガー)の試合形式はハシゴ戦
  • スイートT(元テンサイ、元ジャイアント・バーナード)マークヘンリーとの綱引き対決で惨敗
  • ファンダンゴとグレートカリが不毛なダンス対決。なぜかカリが勝利

2013/05/13

タイガーマスク #57「死を呼ぶVサイン」

録画した日〔2013/5/3:TOKYOMX〕

「白人レスラー皆殺し復讐計画」を推進するポポアフリカが日本へ送り込んだ一番弟子・ブラックV。
ホテルトーキョーで開かれた来日記者会見で伊達タイガー抹殺への怪気炎を上げます。
凄玉ムードをプンプン漂わせ勝利のVサインを誇示するブラックV。
師匠のポポ同様にフェイバレットホールドは頭突き攻撃で、この記者会見では樫の木製の堅牢な長机を真っ二つに粉砕する驚愕の猛デモを敢行しました。
なお、伊達タイガーが白人ではなく黄色人種の東洋人である事は、師匠のポポ同様に深く考慮していない模様です。
続いてブラックVは都内ジムへ場所を移し、集まったブン屋連中に1対5変則スパーリングを公開。
オリジナルの必殺技「V式ミサイルヘッドバット」を繰り出し、5人の屈強な中堅レスラーを次々失神KOに葬ります。
この「V式…」とは、コンクリート特訓で鍛えた石頭をきりもみ式で対戦相手に撃ち込むという破壊力満点の殺戮兵器。直撃を食らわば骨まで砕かれる危険極まりない代物です。
そして今回、のんきに敵陣視察に訪れた馬場さん&伊達タイガーの師弟コンビも無慈悲なミサイル砲撃のターゲットとなってしまいました。
恐怖のV式ミサイルは伊達タイガーへ一直線に猛爆。
決戦を待たずして万事休すかと思われたところ、師匠・馬場さんがファンク兄弟ばりの献身ムーブで被弾寸前の愛弟子をカバー。ブラックVの大砲撃は馬場さんのジャイアントな臀部にズドンと命中しました。
美しき師弟愛で伊達タイガーを守った馬場さんは医務室のベッドでグロッキー状態。ただ幸いにも尾てい骨が粉砕される最悪の事態は免れたようです。
昭和54年のブルーザーブロディ日本マット初登場マッチ(馬場&デストロイヤーvsイヤウケア&ブロディ)では、アトミックドロップでよもやのピンフォール負けを喫した馬場さん。
未知の超獣への大金星献上はV式ミサイル被弾の後遺症が遠因だったのかもしれません。
V式ミサイルの破壊力に恐れをなした馬場さんは打倒ブラックVの極秘特訓を計画。何にも聞かされてない伊達タイガーを助手席に乗せて特訓場へ急行します。
ちなみに馬場さんの車はアメ車風情の左ハンドル。親友の人間発電所・ブルーノサンマルチノが遥々ピッツバーグからプレゼントしてくれたキャデラックであると思われます。
2人が赴いた極秘特訓の舞台はなんと野球のグラウンド。ここで馬場さんは丸腰の伊達タイガーへ向けて栄光の読売巨人軍仕込みの壮絶ノックを叩き込みます。
なお、馬場さんがプロ野球公式戦でバッターボックスに立ったのは昭和32年10月23日ドラゴンズ戦における1打席のみで、フォークボールの神様・杉下茂の前にあえなく3球3振だったそうです。(この試合で杉下は200勝を達成。馬場さんは先発5回1失点ながら敗戦投手に。)
ジャイアンツイズム、梶原イズムに満ち溢れた極秘ノック特訓により、恐怖のV式ミサイル回避に一応の目処を立てた馬場さんと伊達タイガー。
しかしそんな師弟の束の間の安堵をブチ破る驚愕の最新情報がブン屋連中よりもたらされました。
師匠ポポのアクロバットトレーニングで鍛えられたブラックVは、目の肥えたブン屋連中が「ゴム人間」「黒い大ダコ」と仰天する軟体ポーズを披露。
ウルトラタイガーブリーカーは言わずもがな、いかなる関節技も恐れるに足らずという圧倒的アドバンテージを伊達タイガーに猛アピールします。
ブラックVの底知れぬポテンシャルに唖然呆然、絶望の師弟コンビ。
V式ミサイルを凌ぎ切って必殺ウルトラタイガーブリーカーで撃沈するという必勝構想は、リングに上がる前に敢え無く砕け散ってしまいました。

記者会見での猛デモ&怪気炎に始まり、公開スパー、師弟愛、極秘特訓etc…とプロレスのエッセンスがギュウ詰めとなった今回#59。
プロレスアニメの王道を独走する充実ぶりです。
注目の一騎討ちは次回ゴングとなりますが、伊達タイガーはちびっ子ハウスのクソガキ連中とサッカーで遊んでる際にV式ミサイル突破策をひらめいた模様。
今回の煽りを凌駕する超展開が期待できるのではないでしょうか。

2013/05/12

無宿(やどなし)

録画した日〔2012/8/29:日本映画専門チャンネル〕

昭和49年に公開された芸術祭参加作品。
勝新太郎と高倉健、超ビッグスターの最初で最後の共演が実現しました。
日本が軍国主義っぽくなってきた昭和12年の夏が舞台(場所はおそらく山陰地方)。
同じ日に刑務所から出所した2人のヤクザな男が、いがみ合いスレ違いながらも絆を深めていくというストーリーです。
白の夏物スーツ上下にカンカン帽を身に纏った勝新太郎は、ガキ大将がそのまんま大人になった様なちょっとウザめの天衣無縫キャラ。
目下の夢は、どっかの海に沈んでいるロシア・バルチック艦隊のお宝財宝を見つけ出すことです。
そんなC調男・勝新太郎とは何もかも正反対の高倉健。全ての日本人が抱く「健さん」像を忠実に守った寡黙な着流し男です。
元潜水夫って事で勝新太郎からバルチックお宝探しの誘いを受けますが、それよりも兄貴分の仇討ちが目下の懸案事項。激烈な執念でヒール連中を追い込むヒリヒリの任侠道を貫きます。
性格も夢も生きる道も全く違う男2人を結びつけるヒロインは梶芽衣子。
かと言って、両雄が恋のさや当てをするという事ではなく、2人それぞれの道中を行ったり来たりあっちこっち共にする少しおバカな薄幸の娘さんです。

女郎屋から脱走(勝新太郎&高倉健がアシスト)した梶芽衣子の願望は「海が見たい」。この点で勝新太郎と利害が一致し、2人はボロい舟で壮大なバルチック艦隊お宝探しを決行します。
そしてこの2人のアホバカパワーに吸い寄せられるかの如く、孤独な仇討ち行脚を続けていた高倉健もお宝探しに合流。
アテはないけど夢がある、綺麗な海辺で3人のフリーダムな暮らしがスタートしました。
3人の頑張りも虚しくバルチック艦隊お宝はまるで見つからず。この案件は、実生活に違わずスーパースター勝新太郎の大ボラだったものと思われます。
しかし梶芽衣子は「お宝なんかなくっても、こんな毎日が続いたらいい」、高倉健は「俺はここへ来てホントに良かったと思ってる」とライフスタイルには大満足。これぞ業界人を魅了する勝新マジックといったところでしょうか。

エンタメ業界最強の2人による空前のドリームタッグ。
団体の枠(勝新=東宝、健さん=東映)を超えたアプローチを掛けたのは、ワンパターンになった東映任侠モノからの脱却を期した高倉健だったそうです。
関連書籍によると、両雄のスケジュールはすれ違いっぱなしで必然的に2ショットシーンは少なめになってしまいました。
苦肉の策としてヒロイン梶芽衣子がフル回転。また両雄不在の「絵」を埋めるために海、山、田んぼと美しい風景が満載となる副産物が産まれています。
全体としては高倉健を光らせるために勝新太郎が一歩引いたような印象。
勝プロ総帥としては、芸人的に誠意を尽くし客人である超大物・健さんを饗すスタンスだったのではないでしょうか。
ちなみに一番オイシかったのは、そんな2大巨星の間を行き交いほぼ出突っ張りとなった女囚さそり・梶芽衣子です。
昭和6年生まれの同い年である勝新太郎と高倉健。これが唯一の共演作であり、この後2人がエンタメ業界で同じ舞台に立つ事はありませんでした。
超大型の一枚看板同士「たった1回」で終わらせるのがお互いのためだったのでしょう。
しかしこの映画のギミック同様、正反対の道を歩みながらも2人の芸人魂はどこか心の奥底で繋がっていたのだと思いたいです。