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2014/05/23

ポール・マッカートニー 「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー 最終公演」

録画した日〔2014/5/6:MUSIC ON! TV〕

2013.11.21に行われた東京ドーム公演。
大阪→福岡→東京と続いた「PAUL McCARTNEY OUT THERE JAPAN TOUR 2013」の最終日となります。
ダブルアンコールに応えた「Yesterday」のプレイ中、東京ドームは5万人のサイリウムライトで真っ赤になりました。
この演出は興行主がポールに内緒で企てたサプライズだったそうで、大感激したご本人はこれで2014/5月の再上陸を決意したそうです。
お客さんもポールもほっこりの大団円。
極上の余韻を残しステージを去る御大でしたが、ここでバンドメンバーがOneMoreSongを直訴。「いや聞いてない」「やれんのか」「どうですか?お客さん!!」といった具合のプロレス的ムーブを経て、ドームは怒涛のダブルアンコール延長戦へと突入します。
「Helter Skelter」に続いてブチ上げられたツアーエピローグは「Golden Slumbers」から「Carry That Weight」「The End」へ畳み込むアビーロードメドレー。
この一連のアンコール芸だけで高額なチケット代は回収できたのではないでしょうか。
最後のメドレーを3曲と数えると、この日ポールが披露したのはなんと39曲。
例えば近所のおじいちゃん(71歳)がカラオケ行って40曲ぶっ続けで歌えるか?、比類なき世界遺産級の天才は人智を超えたタフアスリートでもあるのでしょう。
ビートルズ率が高いセットリストの中、際立っていたのはつい最近(2013年)リリースされた「Save us」「NEW」など“新曲”の存在。
これがあるからこそナツメロを思う存分引け目なくできるというもの。
お客さんのニーズをふまえつつ、あくまで現役選手として走り続けるポールの意志表明です。
盟友・ジョージハリスンのフィルム越しに唄う名曲「Something」。
いわゆるレア曲の判別が私はできないのですが、ジョージハリスン領域への進出はレアの範疇なのでしょうか。
どっちにせよ胸が熱くなる名シーンである事は間違いありません。
もちろん「Let it be」「Hey Jude」といったポール領域のド定番も通常営業。
特に野郎→ご婦人→みんなの3段階で合唱するHey Judeのナナナ部分は、1度でいいからやってみたい世界最高峰のコール&レスポンスです。
質、量ともに圧倒される2時間半。満年ポール初心者の私でも知ってる曲ばかりという優しいランナップでした。
コアなお客さんからすれば、ビートルズ:Wings:ソロの比率が逆転した方が満足度は高いのかなと勝手に推測します。

真っ赤なサイリウム5万本、および大相撲五月場所のおかげで緊急開催された2014年日本再巡業。
私も初ポール&ラスト国立という最強編成にハイテンションで参戦したのですが、信濃町歩道橋近辺で例の顛末に遭遇してしまいました。
とんでもなくいい天気だった5.17国立。これが降ったりやんだり的なぐずついた日だったらスパッと割り切れたはず。
青い空を恨めしく思ったのは40年超の人生で初めてかもしれません。
リマッチがあるか否かは未定。それよりもポールが大丈夫なのかどうかも不明の今現在。
チケット代、場所、曜日etc...、過酷な条件を受け入れるメンタルはできてるので、一日も早い完全復活を祈ります。

2014/05/21

ワールドプロレスリング ~プロレス対柔術 異種格闘技戦 中邑,桜庭vsダニエル,ホーレス

録画した日〔2014/5/18:テレビ朝日〕

ゴールデンウィーク恒例「レスリングどんたく」福岡大会からの3試合。
小島聡vsウェスブリスコのNWA世界戦では、新日OBのスタンハンセンが特別立会人として登場しました。
悠々自適なテキサス隠居生活によりブルロープでお客さんをブッ飛ばす必要がなくなった不沈艦。笑顔のハイタッチで福岡の花道を進みます。
しかし私の記憶では、ハンセンはNWAとあえて距離を置いたレスラー人生だったような。
このあたりの変節もプロレスの醍醐味といえるでしょう。
挑戦者ウェスブリスコはジャックブリスコの甥っ子(お父さんがジェリーブリスコ)という最高峰NWA本流を継ぐ超良血。
そして傍らに寄り添うのはおなじみブルースサープ社長。
スター仕様のキンキラジャケットに身を包んだ悪の総帥は、至宝奪還へブリスコ以上に闘志を燃やします。
ダーティ極まりないNWA軍を孤軍迎え撃った小島でしたが、ラリアット1発で10分もかからず余裕の王座防衛。
この一撃決着は、始祖・ハンセンに向けたラリアットフォロワーとしての渾身メッセージでもあったのでしょう。

このほか中邑&桜庭による対グレイシージャケットマッチや、イケメン飯伏のNEVER王座挑戦表明など相変わらず充実のラインナップを誇る新日。
選手の駒が多すぎて1大会に入り切らないという贅沢な課題を抱えています。
ブルースサープ社長による実に丁寧な宣戦布告どおり、次のビッグマッチは5.25横浜アリーナ。
瀕死の状態からかつての常打ち会場「横アリ」まで辿り着いたプロセスは感動モノです。
今回私は会場に行けませんが、CSで生中継があるようなんで新日完全復活を噛みしめたいと思います。

2014/05/19

ラストデイズ「勝新太郎×オダギリジョー」

録画した日〔2014/5/1:NHK総合〕

今はなきスターの足跡をそのフォロワーがたどるというコンセプト。
2夜連続の番組で、勝新太郎の次の回は忌野清志郎(vs太田光)でした。
国営放送NHK、およびいかにも求道者っぽいオダギリジョーと勝新のマッチアップはガチンコ度数がかなり高め。
巨匠クロサワとの仲間割れや勝プロ倒産、パンツにxxなど私が大好きなネタ系スキャンダルも苦悩の晩年としてシリアスに描かれます。
かの有名な平成2年成田パンツ劇場。その他諸々の事件簿は当時のニュース(ワイドショー)映像で紹介されました。
映画やドラマと違ってDVD化される事がないこれらのお宝コンテンツ。
シリアスorネタの用途を問わず、NHK以外のTV局でもどんどん放出していただきたいものです。

このリスペクト番組最大の目玉は、昭和53年に撮影された京都茶屋豪遊プライベートフィルムの蔵出し。
なんでも、勝新がTV版座頭市のスタッフ連中を宴会に呼び出して、本業そのままの機材(16ミリカメラx2機ほか)による映像化を緊急勅命したんだとか…。
何とも迷惑な勝新流サプライズ招集。
しかしそこはさすがに最強近衛兵軍団、ドラマと見紛うほどのハイクオリティ映像を後世に残してくれました。
これはブート扱いなんてもったいない、まさにプロショットの「最新」オフィシャル映像。
ジミーペイジだったら即3枚組DVDボックス(特典付き)にして年金稼ぎに走るでしょう。
ネット情報によると、このプライベートフィルムは100分にも及ぶ大作だとの事。
しかし残念なことに今回放送されたのは“パセリ酒”や三味線早弾き芸などのたった2,3分でした。
モヤモヤと残った飢餓感。3枚組DVDボックス(特典付き)の需要は意外とあるかもしれません。

勝新のアーティスティックな側面を語るエピソードとして紹介されたのは、TV版最高傑作の呼び声が高い新・座頭市Ⅱ「#10冬の海」でした。
台本ほっぽり投げて皆んなで行った京都間人(たいざ)の海は、36年経った今も撮影当時のままの風景です。
この神回で重要ポストを託された愛弟子・谷崎弘一も再訪に感慨深げ。
ちなみに谷崎弘一は昭和55年「警視-K」でも部下役(タニ)として登用されたのですが、このアホバカ刑事ドラマは“苦悩の晩年”の1ピースとして紹介されてしまいました…。

番組のいちおうの2枚看板となっているオダギリジョーの役割は、小学校に行ったりオフィスや冬の海に行ったり勝新の足跡を辿ること。
特にオフィスでは海外からのオファー書類やら勝新のメモ書きやら書面系お宝がザクザクの状態でした。
そしてエンディングにはラストデイズを見届けた糟糠の妻・玉緒さんが満を持して登場。
最初っから玉緒さんが色んな所を辿って、随時パセリ酒等のお宝映像を流してくれりゃいいだけの話だったんですが…。
とは言ってみたものの、オダギリジョーの硬派フィルターをとおした勝新の独創性とかっこ良さに釘付けとなった50分。
あらためて感じるのは、スキルフルな裏方さん達の全力サポートが勝新伝説の追い風になっていたという事。
ご本人がいくら天才でも伝説は1人で成就できません。
オダギリジョー氏らフォロワーの中には「勝新太郎」になれる資質がある役者もきっといるはず。
しかし可哀想なことに現代のエンターテイメントの仕組み、枠組みでそれはままならない事なのでしょう。
そんな唯一無二、正統後継者不在の傑物を語り継ぐためにも、やっぱりお宝映像(主にネタ系)は今後もちょくちょく蔵出ししていってほしいと思います。