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2015/12/18

ワールドプロレスリングクラシックス#2

録画した日〔2015/9/5:テレ朝チャンネル2〕

S56.4.23蔵前決戦からの2試合。
「初代タイガー」のデビュー戦が行われたプロレス史に残る大会です。
金曜夜8時ゴールデンタイムに見参したぱつんぱつんタオル地マスクの実写版タイガー。
超過激古舘アナは「チビっ子ファンの夢がギッシリ詰まってる」とかなんとか大本営発表をブチ上げましたが、実際のところはチビっ子が泣き出すレベルのブサイク変態虎仮面。もちろんマスクの中の素顔は「全くの未知数(by古舘)」とされています。
しかし、そんな訝しい空気はゴングと同時にスカッと一掃。謎の虎仮面は今まで誰も見たことがないキレキレの異次元ムーブを連発します。
こうなると「肌の色を観察すると東洋人」とかいう東スポ桜井さんのインチキ分析などどうでもいい話。目の前で躍動する「リアル」のクオリティに昭和の茶の間は一気に釘付けとなりました。
この試合の重要なエッセンスは対戦相手を務めた「イギリスの爆弾貴公子」ダイナマイトキッド。
献身をモットーとしたハードなスタイルは噛ませ犬に堕ちない絶妙なライン。ともすれば出落ちになりかねなかったニューヒーローを、フィニッシュの芸術的ジャーマンまで熱くエスコートします。
「今までにないような試合」と実況席の鬼軍曹・山本小鉄を感嘆させた伝説マッチ。
技やムーブの難度は現代の新日Jr戦線の方が断然高いのですが、パッと見で惹き込まれるのはやっぱり圧倒的にこっち。
この違いは何なのか、ただの思い出補正なのか…。
終始ピンとしてる佐山タイガーの立ち姿が、実はその答えなような気がしてなりません。

支度部屋突撃インタビューを受ける自分をモニタで確認するややこしい構図のアントニオ猪木。
この日のカードはスタンハンセンとのNWF王者決定戦なのですが、猪木は勝っても負けてもNWFベルトの返上を公言しており、絶対に負けられない戦いへとハードルが上がりまくってる状態です。
この“NWF卒業”は前年末に発表した世界統一IWGP構想の余波。
もはやそっちで頭がいっぱいの猪木は、モノマネの素材提供とも取れる超顔芸をキメながら「勝って気持よく返上」「IWGPへの第一歩」とかなんとか熱い決意をブチ上げました。
一方、宿敵・スタンハンセンは前年2月以来の返り咲きに虎視眈々。
ちなみにこの試合が“決定戦”と銘打たれているのは、4.17鹿児島における両雄の第一ラウンドが没収試合になったため。
この顛末により王座はコミッショナーである自民党超大物・二階堂進氏の預かるところとなってるんだそうです。
そして闘魂ガウンとカウボーイジャケットをこれまた二階堂コミッショナーに預けた猪木とハンセン。
これらはもちろん両雄の代名詞。
この一戦にはベルトだけでなく互いのプライドも賭かっているのだという、実に侠気溢れるセレモニーでした。
試合はトップロープからの片膝ニードロップで猪木がサクッと勝利。
この瞬間をもって黎明期の象徴「NWF」とはひとまずお別れ。新日のメインストリームは世界標準(自称)の「IWGP」へと移行することになります。
歴史的瞬間連発の4.23。その決定版は試合後に交わされたノーサイドの握手でしょう。
荒くれ者ハンセンが見せた一瞬のスポーツマンシップに、お客さんは最初あっけにとられてジワジワほっこり。
ベビー、ヒールとしてのギミックを24時間365日守り続ける2人だからこそ成立する感動シーンです。
NWFベルトは一旦猪木の腰に巻かれたうえで封印。
この美しいドラマをブチ壊して21世紀暗黒期にその封が解かれたのはプロレス固有文化「無かった事」にしてほしいところです。
ちなみに、Wikipediaによると“イヤァオ”進化前の中邑真輔が2004年にIWGPと統一して再封印したんだそうですが、そこらへんのストーリーやらアングルやらは私の記憶には一切残っていません。
IWGP構想で前進あるのみの猪木。溢れるギラギラ感はやっぱりたまらないものがあります。
世界統一のためなら己の分身すら過去の遺物に。その顛末はともかくこのスタイルこそ猪木イズムの真骨頂と言えるのではないでしょうか。
NWFからIWGPへの一大コンバージョンに、佐山タイガー出現という超ビッグバンが併発した伝説の蔵前決戦。
「4.23前」と「4.23後」にプロレス史を分けてもいいくらいのまさしく世紀の興業だったと思います。

2015/12/17

WWEロウ #1175

録画した日〔2015/12/12:JSPORTS2〕

先日ゴシップ誌に電撃婚約をスッパ抜かれたルセフとラナ嬢。
それ以来はじめての2ショットをピッツバーグ大会で披露しました。
私生活とギミックの両立を見事成就させた2人。
「ミズTV(MIZTV)」出演という括りではありましたが、当然ホストのミズなどそっちのけ。
全世界160カ国に配信されてる事などまったくお構いなしにねっとりイチャイチャと愛を確かめ合います。
久々登場のラナ嬢は天職とも言えるヒールにシレッと再ターン。お客さんは「ドルフとヤッた」などお下劣チャントを浴びせてこれを歓迎しました。
ちなみにドルフジグラー(およびサマーレイ)はこの件に一切クビを突っ込まない模様です。
そんな2人に茶々を入れてきたのはライバック。
さっそくミズTVそっちのけで一騎打ちが始まったのですが、ここでラナ嬢が足をケガするアクシデントが発生。
これはいかにもな休養フラグ。この日のラナ嬢はケジメの顔見せ出場だったニオイが漂います。
それを裏付けるかのように旦那のルセフにはちょっとした新展開。WWE王者・シェイマスがブチ上げた「国際同盟」とかいうヘボ寄り合いにバレット、デルリオともに参画することになりました。
逸材ラナ嬢がこれでフェイドアウトしてしまうとしたら残念な限り。ブラックな勤務体系と女の幸せを天秤にかけたら至極真っ当な選択ではあるのですが…。

<メモ>
  • ワイアットと抗争するダッドーリーボーイズの助太刀のため古豪トミードリーマーが復帰
  • エキゾチック急行・アダムローズが下世話なニュースコーナーを開始