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2012/12/29

WWE「TLC:テーブル、ラダー&チェア」

録画した日〔2012/12/28:スカチャン4〕

タイトルどおりテーブル戦やらハシゴ戦やらがごった煮になった2012年最後のPPV大会。
開催地はニューヨーク・ブルックリン。大会オープニングでは12/14に発生したコネティカット銃乱射事件の追悼「26カウント」ゴングが鳴らされました。
メインはドルフ・ジグラーvsジョン・シナのマネーインザバンク戦。
いわゆる「都市部」のファン(ただし男子のみ)からやたらと辛辣な扱いを受けるシナ。今回のNYブルックリンでも「シーナ、サック!」「レスリング下手!」の定番チャントが容赦なく降り注ぎます。
しかしシナは「気に入ったぜ」的なフトコロ深い対応で、WWEは「これだけファンを沸かせるのはシナだけ」という超解釈で、それぞれヒネクレ男子の暴走回避策を確立済み。例によって困るのは大声援を受けちゃうヒールだけで、メイン戦大抜擢のジグラーの力量・危機回避能力が試されます。
そんな雰囲気で行われた試合は、ヒール・ジグラーが鉄階段でブッ叩かれたり、ハシゴ最上段から落っこちたりと受け身マスターの底力を存分に発揮する展開に。
「レスリング下手」ジョンシナも、ハシゴごとジグラーを担ぎ上げる超絶殺法を披露。真面目で頑張り屋の2人による噛み合った熱戦となりました。
クライマックスではカギを握る女性陣・ヴィッキーゲレロとAJリーが乱入。
AJは「見えっこねぇ」からのファイブナックルシャッフルでヴィッキーを粉砕、ジョンシナのカバンゲットお膳立てをしたのですが…。
まさかというかやっぱりというか、AJはカバンゲット直前のジョンシナに「ハシゴ落とし」を敢行。裏切り漁夫の利で、ドルフジグラーがマネー権利を死守しました。
ハッピーエンドで終わる訳がないWWEの色恋ネタ。ちょっと早かったかもしれませんが、AJリーのゴールなき暴走がまたまた始まる模様です。

何だかシナは今年「こんな役割」ばっかりだったんですが、ドルフジグラーのPPVメイン初体験もアリでWWE的には一応の大団円。2012年有終のPPVだったのではないでしょうか。

①ローデススカラーズvsミステリオ&シンカラ(テーブル戦)
勝った方がWWEタッグ王座の挑戦者になれるテーブル戦はローデス組の勝利。
スワンダイブを迎撃されテーブル落下という、シンカラにしかできないヤラれっぷりでした。

②アントニオセザーロvsトゥルース(US王座戦)
反米のUS王者というオイシイ設定のセザーロが難なくタイトル防衛。
試合後も「U・S・A」コール誘発の煽り暴言をブチ上げ続けました。

③ミズTV(ゲスト=3バカエアギター)
3バカによるスペイン語実況席への罵倒をキッカケにアルベルト・デル・リオが参戦。
デルリオ&ミズ+1との6人タッグマッチが緊急決定しました。

④コフィキングストンvsウェイドバレット(IC王座戦)
バレットのステップアップ試合かと思いきやコフィが防衛成功。
何だか無風状態のIC王座戦線です。

⑤WWE王者・CMパンクご挨拶
本当のケガでPPV欠場のCMパンクが高い高いVIP席から演説。
ブルックリンを罵倒しまくりお客さんのヒートを買います。

⑥ケイン&ブライアン&ライバックvsシールド(TLC戦)
若手乱入軍団・シールドがブライアンをテーブル葬して初試合初勝利。
ライバックを始め、6人とも異常なまでのハードコア適性を披露してくれました。

⑦イヴvsナオミ(ディーバ王座戦)
事前のバトルロイヤルで挑戦権を得たらしいナオミ(ファンクサウルスの裏方ダンサー)。
抜群の身体能力を見せたものの、イヴの老獪攻撃の前に撃沈です。

⑧ビッグショーvsシェイマス(世界王座イス戦)
「接触禁止令」でさんざん盛り上げた因縁抗争。
大巨人が超特大サイズのスチール椅子(おそらく自分用)でシェイマスを返り討ちにしました。

⑨3MB(3バカエアギター)vsデルリオ&ミズ&ブルックリンブローラー
ミズ&デルリオが探し出したパートナーはご当地レスラー・ブルックリンブローラー。
結果はともかく、ミズとデルリオはこのままベビーターンしてしまうのでしょうか…。

警視-K #3「自白への道」

録画した日〔2012/12/7:日本映画専門チャンネル〕

刑事ドラマの王道「取り調べ」がメインとなるストーリー。
ノンフィクション作家・佐木隆三の「殺人百科」収録作品「何処へ行ったの?」が原作です。
今宿署管内で、若い女子工員2人が失踪する事件が発生。関係のあった金持ちのボンボンが容疑者として浮かび上がりました。
ガッツはこの男の結婚式会場に乗り込んで連行。イヤミなエリート警視・金子研三の方針を無視して、強引に取り調べを開始します。
シーンの殆どが取調べ室という今回。リアリズムを追求するガッツは、声を荒げる事なく沈着なマインドゲームによる切り崩しを図ります。
そこで露呈するのが「セリフが聞き取れない」というガッツの致命的なウィークポイント。
セリフが聞こえないんでボリューム上げる→CMになったら突然大音量で心臓ビクン…、リモコンが普及していない昭和の茶の間を襲った地獄の無限ループが目に浮かびます。
原作への敬意なのか、自白に至るまでの駆け引きを淡々と描いた味わい深いストーリー。
必殺投げ手錠こそ炸裂したものの、#1#2で披露された赤いバスローブ&シャワーシーンは残念ながらありませんでした。
監督脚本はもちろん、番組のadmin権限を完全掌握しているガッツ。「今回は渋く行きてぇな」とちょっと路線変更をしたようです。
しかしそんな軌道修正にも、超良血ゴリ押し大根女優・奥村真粧美は余裕の通常運転。
エンディングの食事シーンinトレーラーハウスでは「トマトがダンプカーにペチャット轢かれてトマトケチャップ」だの「ノミとかバッタが麻雀してるの。想像してみて♪」だのと意味不明の暴走妄言を父親・ガッツにブチ込みます。
今回はエンディングだけの出演でしたが、その木偶の坊的存在感はスペシャル級。次回以降も芝居が上手くならない事を期待します。

ちなみに今回#3は、映画監督・岩井俊二氏の「マイリトル映画祭」によるセレクション特別放送でした。
#5、#11も併せて放送されたのですが、いちおう時系列で見たいので来年1月からの本放送開始まで封印をしようと思います。
いずれにせよ残り10話、ガッツワールドの本格稼働が待ちきれません。

ゴッドタン スペシャル 芸人マジ歌選手権

録画した日〔2012/12/28:テレビ東京〕

いろんな芸人がオリジナル曲を持ち寄ってライブをする企画。
審査員が吹き出したら演奏強制終了というルールです。
私の視聴目的は「ジェッタシー」。去年のこの選手権で初披露されたフットボールアワー・後藤氏のオリジナル曲です。
しかし今回、後藤氏は新曲「ヘブン オブ アメリカン」を引っ提げての登場。名曲・ジェッタシーを聴くことはできませんでした。
トレードマーク・白タンクトップ姿の後藤氏。この日のために55万円をかけた特注ギターを学生カバンとなじられてしまいます。
また、USA賛歌の新曲「ヘブン オブ アメリカン」はイントロの口笛だけで演奏強制終了という不遇っぷり。
見事なまでの出落ち芸、ジェッタシー抜きでも看板を張れる事を証明しました。
肝心の新曲は、絶妙なダサさで象徴的フレーズを連呼するスタイル。ストーンズで言えば「Casino Boogie」に近い手法でしょうか。
そして「ヘブリカン(ヘブン オブ アメリカンの短縮形)」というジェッタシー的なキラーフレーズも配置。ビッグヒットした前作からのギミック踏襲は、産業ロックの常套手段と言えるでしょう。
曲の最後には「ジェッタシー」と一吠え。これはファンサービスのアドリブと思われます。
ミュージシャンとして成長するにつれ付き纏うのは、ファンのニーズとのギャップ。
自分の現在形を伝えたいのに、ファンは出会った頃の衝撃・思い出を求める。かつて桑田佳祐は「もう、いとしのエリーはいいでしょ」と言ったとか…。

流行語大賞からは漏れてしまったものの、ネット界隈では圧倒的な支持を受けるジェッタシー。
私としては、いつまでも「ジェッタシーの後藤氏」でいて欲しい。でも、今以上のダサさの極みに駆け上がって行く姿も見守りたいと思います。
また、ジェッタシー以外で後藤氏を見たことが無いので、本業で活躍する姿を正月休みのテレビでチェックしてみます。

世界の料理ショー #37「テンダーロインステーキ アムステルダム風」

録画した日〔2012/12/27:テレビ東京〕

仔牛のヒレ肉を使ったオランダ・アムステルダム風のゴージャス料理に挑戦。
かかる食材費用は「ハンバーガー4個とアイスキャンディ1本分」と大ボラを吹くグラハム・カー。その報いなのか、今回はショー史上かつてない大火炎地獄に見舞われます。
事件は、中盤のお決まり・ワインガブ飲み休憩後に勃発しました。
仔牛ヒレ肉を放り込んだ巨大オーブン内でボヤが発生。大量の溶かしバターに引火し、その炎は悪魔のような火柱と化してカーに襲いかかります。
しかし、カーは「ダイジョブよ♪」と冷静沈着。あわてて放水用ゴムホースを持ち出したセコンド・スティーブに「ゴムホースが燃えちゃったらどうすんだよ!」「タバコの火貸してくれませんか?ぐらい言えねぇのか!」と余裕綽々のパワハラを浴びせます。
火炎の恐怖に全く怯まないカーは淡々と料理ルーチンを遂行。裏側に焼き目を付けるため、炎上中の巨大オーブンに再度ヒレ肉を投入します。
もちろん結果は、1回目よりも大きな地獄の業火に…。
あくまで泰然自若のカー。客席の笑い屋連中に「火のまわりで皆んなで踊りまくろうか♪」と豪快無比な火事場ジョークをブチ上げました。
2度の炎上にも全く懲りないカーは、副菜作りで定番戦術・フランベを敢行。1m級の火炎アートで見る者を魅了します。
ちなみに「仔牛のベッド」役のこの副菜は、ワイン、ウイスキーにシェリー酒と完全R-20バージョン。仔牛なしでも十二分にウマそうな贅沢極まりない逸品です。
何事も無かったかのように顔芸で締める炎の達人・カー。
25分弱に大ボラ→酒→火炎のジェットストリームアタックを計3発ブッ放すエネルギーは、ジャパニーズ料理の達人では到底太刀打ち出来ない最強・最凶レベルです。

なお2012年最終戦のはずだった次回「#38エビのクリーム煮 ニューオリンズ風」はゴジラ松井の奇襲で越年に…。
このエビ回も「神回」との情報アリ。新春カー再降臨が楽しみです。

2012/12/28

緊急特番!松井秀喜 現役引退へ

放送時間〔8:00~8:25:テレビ東京〕

日本時間12/28AM7:00から行われたゴジラ・松井秀喜の引退会見を録画中継。
テポドン強襲時もアニメを放送し続けるテレビ東京が緊急特番をブッ放すとは、この世の果て級のビッグニュースと言えるでしょう。
甲子園、ジャイアンツ、メジャーリーグと自らの野球人生をひとり語りするゴジラ。
中でもミスター長嶋監督へのリスペクト「感謝してもし尽くせない気持ちでいっぱい」のくだりは、ミスターのレスポンス「現代で最高のホームランバッターだった」とのシンクロで涙腺決壊必至の師弟愛アングルです。
私としては、ゴジラ松井のNPB絶頂期にあんまり野球を見ていなかった事が痛恨。
サッカーやらイチローのMLBやらで東京常駐の「超凄玉」に目を向ける事ができなかったのは、如何ともし難い勿体ない話です。
ただ、サラリーマンの聖書・東スポのゴジラネタは365日フル監視。「AV差し入れ」「ノーパンしゃぶしゃぶ参戦」などの独占極秘情報で、最上級アホバカネタを満喫させていただきました。
本来ならテレ東の朝8:00~8:25はグラハム・カー主演「世界の料理ショー」の放送時間。私はこの番組を自動録画しています。
今日帰宅後にHDDレコーダの録画リストを確認したら、たまたま今回の緊急特番が入っていました。
この緊急特番がなければ、ゴジラの記者会見はネット活字でチェックするだけに留まっていたでしょう。
熱く真摯な全メッセージをVTRで見ることができて良かった。偉大なる日本最強スラッガーにあらためて敬意を表します。

2012/12/26

座頭市物語 #25「渡世人」

録画した日〔2012/9/13:時代劇専門チャンネル〕

道端で子犬にカラまれてヘロヘロの座頭市は、助けてくれた娘さん・真木洋子と道中を共にします。
しかしこの娘さん、親分の仇・座頭市の首を狙う近藤正臣の許嫁でした。
子犬にすら完封される冴えないアンマさんが、全国宿場に最強伝説を轟かせるあの座頭市なのか?。
半信半疑の真木洋子でしたが、蕎麦屋でチンピラ連中を瞬殺する姿を目撃して自分の目に狂いが無かった事を確信します。
さっそく近藤正臣と兄・新克利(近藤正臣のタッグパートナー)に座頭市案件を報告する真木洋子。しかしその反面、座頭市の凄玉っぷりに「この2人にゃ勝算ゼロ」と微妙な心持ちが影を覆います。
座頭市の言うところ「今時珍しいスジメの通った若い衆」の近藤正臣・新克利組は、真木洋子の心配をよそに正々堂々と翌日早朝の決闘を直訴。
それを受けた座頭市、朝が来るまではノーサイドと2人に酒を驕ります。
座頭市はお得意の手酌ピタっと止めムーブも披露。
もうこの時点で圧倒的な貫禄差。1対2ハンディキャップマッチとはいえ、戦わば瞬殺ムードが早くも漂います。
そして迎えた決戦当日、座頭市は気持ちの真っ直ぐな2人を斬りたくないからか、やや遅刻しての登場。
しかしそのタイムラグ中に、シマ総取りを目論む悪徳親分・渡辺文雄(東大)が抜け駆け的に2人を襲撃。新克利はヒール軍に斬られてしまいました。

怒りの座頭市は近藤正臣と緊急タッグを結成しヒール軍を殲滅。盟友を失いカタギに戻る決意をした近藤正臣に「オレとは2度と目を合わせるな」と言い放ち、1人渡世人の道を歩みます。
渡世人の生き様と或るべき姿を描いたストーリー。勧善懲悪とは一味違うものの、これぞ時代劇というテーマ設定です。
もちろんディティールは全て座頭市流。その道の王者・座頭市と道の途中にいる若くて熱い2人のシンクロは、侠気溢れるシーン&セリフの連続でした。

2012/12/25

WWEスマックダウン #695

放送時間〔2:00~3:45:JSPORTS4〕

GM・ブッカーT施行の接触禁止令下に置かれているビッグショーとシェイマス。
PPV「TLC」48時間前のコネチカット大会では、シェイマスが乱闘のドサクサでビッグショーにタッチしてしまいました。
蚊が止まったようなシェイマスの微タッチをあげつらえ、ビッグショーは鬼の首を撮ったかのように「契約違反」だと主張します。
こんな時に役立つのがハーバード出身のインチキ弁護士・オタンガ。
お咎め無し&王座戦決行を主張するGM・ブッカーTを「逮捕歴があっても法律は知らないようだな」とシュート極まりない罵詈雑言で攻め立てます。
そこに乱入したのは当事者・シェイマス。パイプ椅子片手に「王座戦中止ならこの場でブチのめすまで」と猛襲予告です。
怖気づいたビッグショーは直ぐさま提訴を取り下げ。ポツンとリングに残されたインチキ弁護士・オタンガは、全WWEユニバースの予想どおりブローグキックで撃沈の憂き目に会いました。
この「接触禁止シバリ」アングルはエンディングまで引っ張られます。
例によってシェイマスの試合に乱入するビッグショー。あくまでもシェイマスから先に手を出させる魂胆で、えげつない挑発を繰り返します。
もはや暴発寸前のシェイマス。それを制止したのは、英連邦つながりの盟友・ウイリアムリーガルでした。
ラストはビッグショーのパイプ椅子爆弾を、リーガルが身を挺して被弾。王座戦の為にそれでも手を出せないシェイマス。フラストレーションは完全に沸点到達です。

WWEの定番アングル「接触禁止令」。ここまでしつこく徹底すれば、見ている方の思い入れもだんだんと深くなるものです。
ギリギリまで弓を引いた状態でPPVに向かうシェイマスの何度目かの覚醒に期待です。

<メモ>
  • 干され毒蛇オートン、シールド襲撃で台詞すら無く病院送り
  • ほぼベビーターンのダニエルブライアンが「Yes」を解禁

2012/12/24

プロレスクラシック(100)”鉄の爪”三世 エリック兄弟デビュー記念特集

録画した日〔2012/7/9:日テレG+〕

今年の7月にノアマットでデビューしたケビン・フォン・エリックの長男ロス・フォン・エリック&次男マーシャル・フォン・エリックへのご祝儀特集。
彼らにとってのお爺ちゃん、フリッツ・フォン・エリックの試合を中心とした全5試合です。
私にとっての「フォン・エリック」は、テキサスの黄色い薔薇デビッド・フォン・エリックです。
「次期NWA王者の最有力候補」「フリッツに一番似てる」という幻想を身に纏ったまま日本で客死してしまったデビッド。その第一報だった東スポはしばらく捨てられませんでした。
昭和58年6月、エリック王国総本山・リユニオンアリーナで行われた”ゴージャス”ジム・ガービン(withサンシャイン)とのテキサスヘビー級王者決定戦。
ジム・ガービンの試合巧者ぶりに悪戦苦闘するデビッドですが、超満員完全ホームのダラスファンは次代の大物の一挙手一投足に大嬌声を送ります。
結果はジム・ガービンがズルしてイタダキの王座奪取。
ちょっと荒削りな面が目立ったデビッド。NWA&フリッツによる英才教育真っ最中といった所でしょうか。
デビッドが生きていたら、そして「シナリオどおり」昭和59年にNWA戴冠していたらその後のアメリカマット界はどうなっていたのか?
昭和59年は超人ハルク・ホーガンがWWFのトップに立った年。謎掛けと妄想だけが残る、あまりにも惜しい未完の超大物レスラーです。
次男・デビッド惜敗の流れで行われたメイン戦では、長男・ケビンが7度目の返り咲きを果たしたばかりの美獣・ハーリーレイスに挑戦。
これはさすがにケビンが可哀想なマッチメイク。あまりにも貫禄の差がある文字どおりのチャレンジマッチです。
試合は美獣・レイスのノラリクラリ殺法に激怒した次男・デビッドが乱入。ケビンの反則負けとなりました。
最高峰”レイスモデル”ベルトを強奪したデビッドは「次はオレだ」と猛アピールです。

なお今回、残念ながら三男・ケリーの試合は無し。伝説の1984.5.6ダラススタジアム「In Memory Of David」のNWA戦を見たかったのですが…。

御大フリッツ・フォン・エリックの試合は3試合放送。
昭和44年ロサンゼルス大会では、「ビッグ・ショーヘイ・ババ」とコールされる馬場さんのインターナショナル選手権に挑戦しました。
ダラスの帝王・フリッツもここロサンゼルスではヒール役。
ロスっ子の大声援を受けた馬場さんが、リング狭しと縦横無尽に暴れまくります。
最後はフリッツ大暴走による反則勝ちでしたが、馬場さんのアメプロ適性にはつくづく感心。日本が誇る世界標準のビッグスターである事を再認識する貴重映像でした。

昭和50年の長野大会では、若大将ジャンボ鶴田が鉄の爪迎撃に名乗り。
しかしフリッツの関心は、翌週テキサスデスマッチを控えた放送席の馬場さんでした。
鮮血を思わせる真っ赤なシャツのフリッツは、セコンドの桜田(後のケンドー・ナガサキ)をアイアンクローで瞬殺。夕涼みの親父みたいなボロ肌着姿の馬場さんと睨み合います。
ちなみに背後にカットインしているのは倉持アナと大仁田厚。後にそれぞれの道で大ボラを吹きまくる2人の懐かしショットです。
試合は鶴田が不完全燃焼の反則勝ち。
放送席の馬場さん、今度は大流血の愛弟子・鶴田と睨み合いです。
馬場さん絶対王政の全日。そんな縦社会において「もう一回」のアピールを御大に直訴できるあたり、馬場さんによる若大将ジャンボへの厚遇ぶりが覗えます。

長野で膨張した因縁抗争は両国・日大講堂で沸点到達。
何でもありのテキサスデスマッチは、次期NWA王座挑戦権決定戦でもありました。
早々に大流血した両者は、グチャグチャドロドロのド迫力ファイトを展開。必殺・アイアンクローをめぐる、仕掛けるフリッツvs逃げる馬場さんの丁々発止の駆け引きはもはや芸術の域と言えるでしょう。
超一流の2人だからこそ成立する小細工なしの重厚なワンテーママッチです。

質実剛健な最強オヤジ・フリッツと、イケメン揃いのフレッシュな親孝行3兄弟(ケビン、デビッド、ケリー)。
小学生だった私にとって、エリック一家は現実離れした夢の様な存在でした。
6人中5人が早逝、しかもうち3人が自殺という「悲劇」以外何ものでもない呪われたファミリーですが、忘れ形見ケビンはどうか幸せに暮らして欲しいと心から祈っています。
今年「三世」がデビューしてた事は知らなかったんですが、何かと傾き気味のノアには埋もれず、ロックやランディオートンの様に偉大な「三世」ビッグスターになって欲しいものです。