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2012/11/24

ワールドプロレスリングクラシックス#38「タイガーマスク特集 」

録画した日〔2012/10/6:朝日ニュースター〕

デビュー元年の佐山タイガー特集。
年末12月1日愛知県体育館、8日蔵前国技館、および昭和57年元旦の後楽園ホール決戦の3試合をピックアップします。
昭和57年1月1日、異例の元旦興行となった後楽園決戦のリングに並立するタイガーマスクブロンズ像、ダイナマイトキッド、おっかない水色ヤクザ。
佐山タイガー生みの親にして、後に新日プロ総帥・猪木を監禁脅迫する凄玉劇画作家「カジセンセ」こと梶原一騎大先生が闘いの大海原に降臨します。
劇画ヤクザ・カジセンセが見守る恐怖の御前試合は、ドラゴン藤波のヘビー級転向以来長らく空位になっていたWWFジュニア王座決定戦。
佐山タイガーが一瞬の丸め込みで爆弾小僧を封印して栄光のディファジオメモリアルを戴冠。来たるべき黄金時代・ゴールデンタイム絶頂期の先鞭をつけます。
放送残り2試合は、さながらエル・カネック特集に…。
昭和56年12月1日愛知県体育館のタッグマッチ、および12月8日蔵前国技館のシングルマッチがラインナップされました。
そもそもヘビー級のエル・カネックは、佐山タイガーと噛み合ってはいけない微妙な立ち位置。
かと言って当時の新日ヘビー級戦線には、総帥・A猪木を始めアンドレ、ホーガン、ボック、ブッチャー等々メキシカンには高すぎる壁が聳え立っていました。
群雄割拠の新日マットではイマイチ光れなかったUWA世界王者・カネック。
私も第1回IWGPの噛ませ犬ポジション(エンリケ・ベラ戦の勝ち点5のみ)から、冴えないマスクマンという烙印を押していました。
30年後21世紀の今、あらためて見るとすこぶるカッコイイ屈強のマスクマン・エルカネック。
佐山タイガーのライバルとは成り得るべくもない、スケールの大きなヘビー級戦士です。
同様の過小評価は、流星仮面マスクド・スーパースターにも当てはまるもの。
しかしアーカイブを見て反省の「ごめんなさい」を言えるのは、昭和のプロレスチビッ子にとって何とも幸せな時代なのかも知れません。
我々は贅沢なプロレス黄金期に身を置いていたんだなぁ、とつくづく感じる「仮面の魔豹」カネックのプチプッシュ回でした。

WWEロウ #1016

録画した日〔2012/11/22:JSPORTS2〕

9月のRAW#1007放送中に心臓発作に見舞われた解説者・キングローラー。
緊急の心肺蘇生から9週間に渡る懸命のリハビリを経て、今回のオハイオ大会で奇跡の大復活リングインを果たしました。
疾病前と何一つ変わらないルックスで登場した南部の帝王。
ギミック上は敵対関係だったのに、事件当日誰よりも動揺して誰よりも心配してたヒールアナ・マイケルコールとの再会シーンは、ヒール/ベビーの枠を一時撤廃するWWEならではの超法規的感涙シーンです。
そんな感動場面をブチ壊したのが、ヒール道を絶賛驀進中のWWE王者・CMパンク。
もはや文字起こしできない程の冷酷バッシングで、大復活・キングローラーをコキ降ろします。
転んでもタダじゃぁ起きない、転んだ奴をタダじゃぁ起こさないWWEスピリット。
それもこれもキングローラーが無事に帰還してくれたからこそ成立するアングルです。
「リング禍」はプロレス業界永遠の課題ではありますが、たまにはこんなドラマがあってもいい。良い意味でのWWE「The Show Must Go On」精神を見せてくれたシーンでした。

<メモ>
  • 英国BARでKOされたウイリアム・リーガル、ビッグショーの返り討ちを食らう
  • 熟女ヴィッキー、AJ-ジョンシナのワケ有り留守電テープを公開
  • 悪徳レフェリー・マドックス、勝ったら契約のライバック戦で病院送りの撃沈
  • ミズが「サバイバーシリーズ」のミック・フォーリー軍に電撃加入
  • ジョンシナが前哨戦対決でCMパンクを完封、ライバックとお約束の睨み合い

荒馬兄弟!全日本プロレス王道史(#26)

録画した日〔2012/10/6:サムライTV 〕

師弟コンビ・馬場&鶴田の北米遠征(昭和50年2月)からピックアップした2試合。
番組サブタイトル「荒馬兄弟!」のザ・ファンクスは荒馬ならぬ当て馬、主役は我らが馬場さんと若武者・ジャンボ"トミー"鶴田の2人です。
稀代のホラ吹きアナ・倉持さんの言うところ「外は零下15度」「観衆は超満員6000人」「その半数以上は女性」というカンザスシティ・メモリアルホールで行われた馬場さんのPWFヘビー防衛戦。
チャレンジャーは恐怖の生傷男・ディックザブルーザーです。
分厚い胸板に大木のような豪脚、そしてこれぞヒールの憎々しい面構え。そんな100点満点の大悪党の猛攻に馬場さんは大苦戦を強いられます。
中でもコーナーポストから投下するフットスタンプ「アトミックボムズアウェイ」は超ド迫力の殺人技。
藤波のドラゴンリングインにも似てますが破壊力は段違い、屈強な馬場さんだからこそ耐えられる胃袋破裂必至の凶悪人間爆弾です。
試合は大暴走の生傷男が反則負け。
大物ブルーザー相手に互角に渡り合い、ダイナミックなアメリカンプロレスを体現した馬場さんの懐の深さ、引き出しの多さを実感する名勝負でした。

放送もう1試合は、師弟コンビがチャンピオン「荒馬兄弟」にチャレンジしたインタータッグ戦。
ザ・ファンクスの地元テキサスで見事に至宝を奪還したBJ砲。NWAの大ボス(当時)・サムマソニック氏を歓喜の吊し上げです。
後のNWA公認レフェリー・ジョー樋口がセコンドについているのは経費削減のシワ寄せでしょうか。
この番組は「サムライTV」の無料放送時に録画しました。
プロレスのアルジャジーラとも呼ばれる専門チャンネルですが、私はずっと未契約。
いわゆる総合系や内輪ウケ系インディー団体が結構幅を利かせてるイメージで、イマイチ食指が動きません。
「今」を伝えるのがメディアの宿命なので仕方ないのですが、もうちょっと昭和プロレスを発掘してもらえると有難いんですが…。

プロレスの星 アステカイザー #12「魔のリングに挑め!!」

録画した日〔2012/11/13:チャンネルNECO〕

ヒール軍の大ボス・ルアー様の「考えていても始まらん。行動だ」という猛ゲキにサラリーマン的な逃げ場を塞がれた番頭・サタンデモン。
新たなアステカイザー捕獲作戦として、トラップ満載のデスマッチリングを設計します。
特撮の聖地・採石場に突貫工事で造成されたデスマッチリングの仕様は以下のとおり。
  • ロープは有刺鉄線(ただし、電流および火薬なし)
  • リング中央の4ヶ所に殺人トラップ埋設(ブラックミスト軍の商標ロゴが目印)
  • コーナー3ヶ所に少年野球のチビッ子を拘束(うち一人はアステカイザー開発者・速見博士のご子息・太助)
各コーナーのチビッ子を解放すればアステカイザーの勝ちなのか?。
だとすればサタンデモンは、狼酋長・ワフーマクダニエルが得意とする「インディアンストラップマッチ(相手を引き摺って4つのコーナーにタッチ)」に近い試合形式を想定しているかも知れません。
そしてこの殺人リングを造成した「リング屋」は、何とコーナーに括りつけられてるチビッ子と東都プロレス練習生・ゴローでした。
道ばたでサタンデモンに洗脳魔術を仕掛けられた3人のガキと1人のバカは、憧れのアステカイザーを自分たちの手で抹殺するという地獄のマインドゲームに陥ってしまいます。
チビッ子救出のためサイボーグ格闘士・アラビアンウルフとのデスマッチに勇躍参戦したアステカイザー。ご丁寧なサタンデモン軍の目印に気付かなかったのか、両手両足を殺人トラップに捕捉されてしまいました。
渾身ブリッジでも解けない恐怖の殺戮兵器、手負いのアステカイザーは何だかよくわからん「カイザーパワー」で命からがら脱出します。
最後はお得意のアニメ化フィニッシュムーブでアラビアンウルフを撃沈。コーナーに括られたチビッ子達も無事解放されました。
全面協力の約束だった新日プロ精鋭陣は今回も登場なし。毎回趣向を凝らしたデスマッチを企てるヒール軍・サタンデモンが、今や唯一のプロレス的良心です。
今回のハイライトは、速見博士の息子・太助くんの子供部屋に鎮座する「SCREEN TENNIS(スクリーンテニス)」という謎のゲーム機でした。
Webで検索してもこれといった情報は無し。プロレス的に言えば「未知の強豪」「幻の名レスラー」といった所でしょうか。
もはやこんな非プロレス部門にしか見るべき活路がないクソガキ向け特撮。昭和の子供部屋に貼られた、卍固めの闘魂・アントニオ猪木はすっかり遠い存在です。
次回がちょうど全26話の折り返し地点。初心に帰ってプロレス道を追求してほしいもんです。

2012/11/23

武豊TV!II #37~「菊花賞・天皇賞(秋)」ほか~

放送時間〔20:00~21:30:フジテレビONE〕

秋競馬のG1戦線、秋華賞→菊花賞→天皇賞のプレイバック。
収録日は11/8。その直前11/4に参戦したブリーダーズカップターフ(4着=トレイルブレイザー)の報告もありました。
BCターフの最終コーナーは「えっ?勝っちゃうの??」レベルの抜群の手応えでした。
これは武豊によると、小回り&直線(小倉より短い)、およびトレイルブレイザーのモタれ癖を考慮した「行くしかない」の仕掛けだったようです。
能力的にも視覚的にもベストパフォーマンスを発揮して、武豊にとっては久々の「負けて悔いなし」のレースになったブリーダーズカップ。
勝ち負け関連のメンバー相関図を見ると、たしかに日本の”非G1ホース”としては出色の戦績を残したといえるでしょう。
そして今回面白かったのは、10.28東京「3歳上500万」のプレイバック。
普通の条件馬(タニセンヴォイス)で4着に終わった平場レースという、なんだか不自然なチョイスですが、これは武豊による熱い熱い「クリストフ・スミヨン」バッシングの着火材でした。
1年(!)の謹慎明け初日に不毛な競りかけを仕掛けてきたスミヨンに対し「意図が分からん」「気分を害した」「残念なレース」と静かにヒートする武豊。よっぽど腹に据えかねているのでしょう。
武豊の私情なのか日本人ジョッキーの総意なのかは知る由もありませんが、プロレスファンの私としては天才をここまで怒らせる稀代のヒール・スミヨンの「やらかし」に逆に期待してしまいます。
話の行きがかり上、JRAの新しい制裁ルールにも言及。
「名誉のためならペナルティ食らっても…」と天秤掛けが可能なルールには、武豊も色々と言いたいことがあるようです。
しかし最後に「我々はフェアプレーするだけ」と当たり障りなく丸く締めるあたりは、トンパチ岩田やゴリ押し福永とはステージが違う日本競馬の顔役・第一人者の貫禄を伺わせます。
秋のG1序盤戦は例によってどうにもならん超長期スランプ状態。菊花賞にいたってはそもそも騎乗馬なし&怪我したんで自宅観戦という体たらくでした。
しかし今回そんな状況を大きな心で見られたのは、次回放送分の「G1マイルチャンピオンシップ=サダムパテック=1着」の結果があるからです。
この番組でもフライング気味に次回の煽りVTRをブチ上げ。
2005年あたりの放送開始当初は毎回のように行われていた「乾杯」ムーブが、次回久々に敢行される模様です。
その次回がいつかは分かりませんがG1勝ちはほんとに久々、出来ればマイルCS以外の「乾杯」もあれば嬉しい限りです。
まあ、あさって11/25のJC・ローズキングダムには全く期待してませんが…。

THE ROCK STORIES ~PART1

録画した日〔2012/11/14:フジテレビ〕

「ロックを語りつくす」をテーマにした3夜連続洋楽リスペクト番組の1回目。
エルヴィスプレスリー、チャックベリーからビートルズ、ストーンズ、ザ・フーまでのロック黎明期を日本ロック界の大物連中が好き勝手に語ります。
オープニングに登場したのは御大・ミックジャガー。
ストーンズ50年目の新曲「Doom And Gloom」を番組テーマ曲にゴリ押しした産業ロックの王者は、Sirの貫禄をプンプンと漂わせタイトルコールをブチ上げます。
番組中には不良番長・キースリチャーズも登場。「キース・リチャーズです」の自己紹介がなければ出勤前のオカマのオバちゃんと間違えられそうな風情です。
いずれにせよ何かと金のかかる両巨頭を引っ張り出すとは、この番組の仕掛け人、相当な実力者、ネゴシエーターと見ました。

日本を代表する”ホンモノ系”ミュージシャン連中が50、60年代の懐かしVTRをネタにしてあれこれ語るという番組システム。
「Char&仲井戸“CHABO”麗市」の友情タッグや「山崎まさよし・奥田民生・吉井和哉」の気が付けばいいオッサントリオ、ロック界のテンコジ「甲本ヒロト&真島昌利」などなど登場メンバーはやたら豪華です。
THE ALFEE・高見沢俊彦と没落王・小室哲哉というド派手タッグも登場。
ビートルズをちょこっと語っただけの登場でしたが、ラフでルーズな他の面々とは一線を画した強烈ビジュアル。このブレの無さこそ「ロック」ではないでしょうか。

紹介される映像はいわゆる定番アーカイブ。ファンでなくても何かしらどこかしらで見たことがあるものです。
しかしそれらを楽しそうに「膨らます」ミュージシャン連中のトークが絶品。
評論家のもっともらしい解説よりも、本職の方々の適当なダベリの方がよっぽどためになる事を実践・証明してくれました。
そんなこんなで思いのほか好内容のPART1だったんですが、PART2・3はノーマークで未録画…。
Web上の情報によれば、次回以降はボブディラン、ジャニスジョプリン、セックスピストルズから、ガンズ、U2、オアシス、レディオヘッド等々メジャーどころをほぼ網羅している模様です。
再放送というよりも各々のタッグチームによる音楽大好きトークを個別に放送してもらいたい…、と思ってたら実際大晦日にCSで放送されるようです。
先月の3夜連続モノTHE ROCK MOVIESといい、今回の企画といい、何だかやたらとロックに傾倒しているフジテレビ。
最近は視聴率で苦労しているようなので、開き直りのマニアック路線を突き進んでほしいもんです。

WWEスマックダウン #690

録画した日〔2012/11/19:JSPORTS2〕

RAW#1015から引き続きの英国巡業・バーミンガム大会。
その前回RAW終了後にビッグショーとシェイマスが英国名物「BAR」で大乱闘を巻き起こしたというバカニュースが報告されました。
用心棒経験アリの解説・JBLも大喜びした、飲み屋の大乱闘経緯は以下のとおり
  • RAW終了後、ウイリアムリーガルがシェイマス誘って行きつけのBARへ
  • そこに突如ビッグショーが乱入して大暴れ
  • リーガルは失神KO、シェイマスも大ダメージ
  • その一部始終を誰かがスマホで撮影、WWEへ投稿
怒髪天のシェイマスはオープニングにリングイン。
「オレは構わんがリーガル師匠を…」などとちゃっかり英国ファンのハートも掴む、怒りのマイクアピールをブチ上げます。
英国だからBARでやっか、地元のリーガル潰してヒール強調させっか…てな具合の何とも短絡的な乱闘アングル。もちろんこれもWWEの伝統芸です。
昔と違うのは「なんで居るんだよ」のExclusiveな専属カメラマンではなく、偶然居合わせた客がスマホで現場を撮影したという所でしょうか。
PPV「サバイバーシリーズ」で激突の両雄による、伝統とイノベーションが融和した面白煽りエピソードでした。

<メモ>
  • プライムタイムプレイヤーズ、ホイッスル芸のお披露目時間を結構長くもらう
  • 先週社員食堂で乱闘したオートン、今週はデルリオを鉄階段RKO葬

2012/11/21

世界の料理ショー #13「 鶏丸焼きパイナップルづめオーストリア風」

放送時間〔8:00~8:25:テレビ東京〕

1.4Kgのニワトリに丸焼きを仕掛けるビッグマッチ。
丸焼き帝王・グラハムカーは#4「がちょうの丸焼き」と同様、ディナージャケット&蝶ネクタイの丸焼き戦闘スタイルで極限のガチンコ勝負に挑みます。
カーの殺人フルコース「詰め」&「丸焼き」のルーチンは、概ね以下のとおり。
  1. ニワトリ1羽ブッタ斬り(with饒舌トーク)
  2. キッチンペーパーで内臓をキレイに(with軽妙トーク)
  3. タコ糸で縛って各部位を固定(with下ネタトーク)
  4. パイナップル味付け&放り込み(with爆笑トーク)
  5. 超巨大オーブンへ投入(with毒舌トーク)
一連のムーブは相変わらず安心のハイクオリティ、まさしく世界レベルの名人芸です。
特にタコ糸の捌きは目にも止まらぬスピード。腹を空かせた客席の笑い屋連中もカーの超絶技巧を固唾を飲んで見守ります。
酒飲んでバカなこと言いながら適当に作ったとは思えない、焦げ目こんがりのウマそうなニワトリ丸焼き。
グレートムタの毒霧に相当するカーの必須アイテム「溶かしバター」こそ温存されましたが、例によって視覚的ムネヤケ誘発の成人病直行ハイカロリーメニューです。
今回、正体不明のセコンド・スティーブへの理不尽口撃はなし。前回の丸焼き決戦#4「がちょうの丸焼き」でもそうだったので、これは大一番限定のファイトスタイルなのかもしれません。

次回の丸焼きは、11月28日(水)「キジの丸焼きカンパーランド・ソース イングランド風」。
そのほかにも来週は、ウサギやらラムやら未知の強豪との激突が目白押しとなります。
どうにも止まらないC調トークは、まさしくブレーキの壊れたダンプ「カー」。褐色王・みのもんたを退けて、日本の朝の顔と呼ばれる日も近いのではないでしょうか。

2012/11/20

プロレスの星 アステカイザー #11「栄光へのチャレンジャー!!」

録画した日〔2012/11/13:チャンネルNECO〕

最強論を追求する東都プロレスの看板レスラー・ジョー神崎が、何をトチ狂ったのかアステカイザーへ挑戦表明。
神崎は業界にスジを通す昔気質のレスラーの様で、ご丁寧にアステカイザーのライバル・ブラックミストに対しても挑戦状を叩き付けていました。
いろんな意味で「やれんのか?オイ」って感じの、ジョー神崎プッシュ回。
京都太秦の大部屋に放り込まれてそうな凡庸ルックスの横分けレスラーは、インチキ記者大泉滉、練習生ゴロー、ラーメン屋のオヤジのサポートを受けて一世一代の大勝負に挑むのですが…。
戦隊モノの聖地・採石場へおびき出された横分けと大泉滉とラーメン屋。
プロレス道に一直線な横分けは、アステカイザーとのビッグマッチ実現をエサに予想どおりブラックミストに騙されてしまいます。
手段を選ばず最強を追求する姿勢は東都プロのエースたる所以ではあるんですが、アホバカ方法論とポンコツ取り巻き連中がそのポテンシャルを完全にスポイルしている状況と言えるでしょう。
”プロレスの星”を名乗る以上ジョー神崎のバカ暴走を見て見ぬ振りもできないアステカイザー。
取り敢えず聖地・採石場に乱入してブラックミスト軍の攻撃を一手に引き受けます。
迎え討つサタンデモンが仕掛けた試合形式は、サイボーグ格闘士・アラビアンウルフとの「有刺鉄線マッチ」でした。
これはアラビアの怪人・ザシークへのオマージュなのか?、フィニッシュムーブがアニメ化される現行仕様では確認・検証をする事ができません。
もはやストーリーを辿る気にもならないクソガキ向けヘッポコ特撮。
どうせ今回も新日プロ精鋭陣は出ないんだろうと斜に構えていると、オープニングに後の虎ハンター「HAWAII83」小林邦昭の姿が…。(登場時間:3秒)
新日とはまだ切れてない、だったら次回こそレスラー総出演…、といったプロレスファンの妄想気質を蹂躙するアステカイザー。
大泉滉練習生ゴローと続いて今回ジョー神崎をピックアップして、取り敢えず脇役陣のスポット回は終わったようです。
まぁ、スポット浴びてコイツら雑魚連中の何かが変わったって事は無いんですが、おんなじ要領で新日若手にスポットを投下する特撮版ヤングライオン杯があってもいいんではないでしょうか。

2012/11/19

ワールドプロレスリングクラシックス#5「タイガーマスクvs寺西勇ほか」

録画した日〔2012/10/6:朝日ニュースター〕

昭和58年7月7日大阪府立体育会館から「佐山タイガーvs寺西勇」「長州vs藤波」の2試合をピックアップ。
メインは長州・藤波戦。総帥猪木はIWGP決勝のアックスボンバー後遺症により、どっかで休養=バカンスしてました…。
超過激なアナウンサー・古舘伊知郎曰く「リング上はテレビライトの熱さにより40度を超えている」という灼熱地獄の大阪夏の陣。
我らがスーパーヒーロー・タイガーマスクは、内外に向けての確固たる意思表示である赤いマーシャルアーツパンタロン姿ではぐれ国際軍団・寺西勇とのNWAジュニア防衛戦に臨みます。
もはや四次元プロレスを突き抜けてイデオロギー的にも別次元に突入している3年目の佐山タイガー。
分かる人にしか分からないシュートなムーブで様々な「実験」を仕掛けます。
しかしここで特筆すべきは前衛格闘家・佐山ではなく、その変則ムーブににきっちり対応した”和製カーペンティア”寺西勇でしょう。
「いつ何どき誰の挑戦でも受ける」を真の意味で体現する、国際プロ吉原イズムの真骨頂を見せてくれます。
しかし、そんな両雄の格闘スピリットと私を含めた昭和チビッ子ファンの陶酔をブチ破ったのがリングサイドに陣取るノースリーブ野郎「HAWAII83」でした。
次週の札幌決戦で佐山タイガーのWWFベルトに挑戦する「HAWAII83」は、試合後のリングに乱入。何とタイガーと昭和チビッ子の命である黄金マスクをペロンと引っ剥がしてしまいます。
マスクを剥ぎ取られ悶絶するスーパーヒーローを傍目に、NWAの選手権認定証をビリビリに引きちぎる猛デモを披露するHAWAII83。
何という暴挙。全国のチビッ子ファンが怒りに震えるその時、HAWAII83の左上に黄金の物体がフレームインします(!)
黄金の物体はゴールド/オレンジの変則タイガーマスクでした。手負いの佐山タイガーは躊躇せずにそれを被り、怒りの形相で寺西勇&HAWAII83に番外戦を仕掛けます。
この状況を古舘伊知郎は「応急処置的な…」と取り繕い、解説・東スポ桜井さんは「変わったマスクを着けましたねぇ」と東スポイズムですっとぼけ。
ネタの最前線・テレ朝実況席を持ってしても把握できない前代未聞の超展開となりました。
この変則マスクは、リングサイドの熱狂ファンがタイガー絶体絶命の危機を救うべく放り込んだモノというのが定説となっています。
ホビー系とは分からない程のハイクオリティ縫製なマスク。
持ってたファンはもちろん凄い。そしてそれをリングに投げて届いちゃったのも凄いし、更にそれを本番稼動させたタイガー&セコンド陣(高田&山ちゃん)の判断も凄い。予定調和の遥か上を行った大ハプニングです。
この1か月後に電撃引退する佐山タイガーが「プロレスラー」として最後に魅せたフェイクとリアルの綱渡り。
様々な偶然と黄金時代の熱気が生み出した、昭和プロレス史に残る奇跡の名場面と言えるでしょう。

猪木不在のメインイベントは、王者・長州力にドラゴン藤波が挑んだロッカメモリアル・WWFインター戦です。
逆ラリアットに逆サソリと長州を攻めこむドラゴン藤波。
古舘伊知郎のキラーフレーズ「掟破り」は聞けませんでしたが、さすがはハズレのない名勝負数え唄が披露されます。
長州の反則勝ちグレー決着とはいえ死闘の両者には最敬礼、特にドラゴン藤波が光りまくった大熱戦でした。

タイガーマスク終焉直前の昭和58年7月。
この後8月に勃発する大騒動(佐山タイガー引退&猪木クーデター退陣)を予測しうるべくもない大阪のプロレスファンは、超満員札止めの尋常でない熱気で黄金軍団を迎えます。
何事も素晴らしい時間は長く続かない。分かっちゃァいるけど良い時こそそんな事には気づかないものです。
もうちょっと我が世の春が続いて欲しかった。立錐の余地もない大阪府立の大熱狂を見るにつけ、新日がこの後の1ヶ月ちょっとで失うもののバカデカさに絶望ともどかしさを感じてしまいます。