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2015/07/10

森繁対談・日曜日のお客様 #5 ゲスト:勝新太郎

録画した日〔2015/7/7:日本映画専門チャンネル〕

超大御所・森繁久彌が主宰する30分のトーク番組。
放送開始は昭和57年4月。高倉健→黒柳徹子→金やん父子→井上靖という豪華リレーを受けた#5のゲストは、我らが勝新太郎でした。
番組が始まったのにヒソヒソ話に夢中の2人(チョメチョメ話だった模様)。
「あぁ、もう始まってんの?」とすっとぼける勝新を「皆さまが聞いてもいいようなお話をしていただかなきゃ…」とたしなめる森繁。
芸道覇権を獲った両雄のトークバトルに早くも名勝負の予感が漂います。
本編早々「倒産すると太るな」とシュートを仕掛けた森繁に、勝新は「屋根の“裏”のヴァイオリン弾き、見た」とがっちりロックアップ。
ちなみにそんな2人の歳の差は「18」。けっこう離れてます。
森繁の口撃のとおり、勝新は前年に「勝プロ」がブッ潰れて12億もの巨額負債を抱える身。
しかしこの番組では「女は母さん、男は父さん(倒産)」「オレは一人前の男になりつつある」などと債権者を逆なでする妄言を次々投下。
ただ、こんなニッコニコ顔で言われたらお金なんてどうでも良くなっちゃいそうです。
そしてなんと森繁も勝プロ債権者の1人だったという事実も発覚。
勝プロ作品に幾度となく出演している森繁は、全部「友情出演」と言いくるめられてギャラを1円も貰えてないんだとの事でした。
反省のカケラもない勝新は近々郵便貯金ホールでのコンサートを控えてるそう。
「貯金だなんて名前が良くない」と言いつつキャパ1,500人の大箱公演にノリノリの勝新でしたが、森繁は「我々仲間も4,5人は行く」とチクリ。
これには勝新も「誰もコン(来ん)サート…」とがっかりです。
江戸時代に書かれた“フロイス日本史”を最近読んだというインテリ森繁から「本を読みなさい」と諭されたグータラ勝新。
「うん、あぁフロイス。フロ、イス…、風呂の椅子って覚えりゃいい」と渾身のボケを返しますが、呆れた森繁に淡々とスルーされてしまいました。
そんな勝新が一転しんみり語ったのはこの年亡くなったお母さんの話。
有名な「俺を産んでくれたところに顔を…」というエピソードも披露されました。
Wikipediaにも出ているこのネタは、もしかして日曜お昼のこの番組が起源だったのでしょうか。
そしてお母さんが眠るお棺に禁酒を誓ったという勝新。しかしテーブルにはトーク冒頭からハイペースで空けてるウイスキーのグラスが…。
森繁円熟のツッコミに勝新はニヤリ。いい話がすっかり台無しです。
こんな感じで勝新の人たらしっぷりをレジェンド森繁がノラリクラリ引き出す展開となったこの番組。
お酒が入ったせいもあるでしょうが、まったりとかユルいとかいったフレーズが当てはまる味わい深い30分1本勝負でした。

私が小学生の頃からすでに大長老だった森繁翁。
放送当時は69歳。亡くなったのはつい最近の2009年。享年96歳での大往生でした。
今後のゲストも吉永小百合やら松本清張やら経団連の土光さんやら凄まじい顔ぶれ。
まさしく森繁久彌でなければ成り立たない、昭和の重厚なトーク番組です(ただし今回を除く)。

2015/07/09

WWE NXT #284

録画した日〔2015/7/3:JSPORTS3〕

「Who is FINN BALOR?」と題したフィンベイラーのプロモビデオを放映(全3話の2話目)。
今回は新日“プリンスデヴィット”時代のエピソードが語られました。
ベイラーが新日本に入団したのは暗黒期の2006年。当時は弱冠24歳だったそうです。
以降8年間トップに君臨した新日Jr戦線のレジェンド。ただ私は最後の1年ぐらいにブチ上げた超極悪軍団「BulletClub」が好きでした。
Tシャツ1枚で組織への恭順を示せるのがプロレスラーの世界。
ベイラーもライオンシャツを掲げて古巣愛をアピールしましたが、残念ながら商品タグが付いたままの新品…。
心は本隊ではなくやっぱり超極悪軍団「BulletClub」にあるのでしょう。
ベイラーとWWEをマッチングしたのはAトレイン、あるいはジャイアントバーナード、あるいはロードテンサイことマシューブルーム氏。
2人が初めて会ったのは新日の巡業バスだったんだそうです。
ほほえましい師弟関係のベイラーとマシューブルーム。
新日時代の思い出写真も多数紹介されましたが、そこに必ず写り込んでいたのが“マシンガン”カールアンダーソン。こちらはWWE入りを2,3回断って超極悪軍団「BulletClub」の灯を守っています。
野毛の寮に入って日本人選手たちと道場で練習していたベイラー。
マシューブルームがそのエピソードを語るのですが、彼が新日道場にどこまで詳しいのかは不明です。
それにしてもWWEの日本ネタで必ずと言っていいほど出てくる「道場-dojo-」というフレーズ。アメリカ人にとっては幻想の領域なのでしょう。
その道場でのほのぼのツーショットが紹介されたのは、Anti-AgingのTシャツが眩しい“ブルージャスティス”永田裕志。
なお、本家・アンダーテイカーに対するギミックの侵害となるため、白目の写真ではありません。
イヤァオ化する前の中邑真輔や変わらぬ芸風の棚橋弘至といった面々も思い出写真で念願の(?)WWE参戦。
これを見たWWEユニバース連中が「お、ナカムラだ」「タナハシだ」「あいつはミラノコレクションだ」と認識しているのか興味があります。
新日でのラストマッチは昨年の4.6両国大会・田口隆祐戦。
爽やかに握手を交わしたかつてのパートナーが現状「オーマイ・ガーファンクル」などと意味不明の破廉恥ギミックに流転している事は、ベイラーのためにも国外に知られないように情報統制するべきでしょう。
「日本帰りは出世する」とは昭和プロレスの定説。
平成の「日本育ち」のベイラーは7.4両国でNXTベルトを奪取するなどすこぶる順調。
1軍昇格のXデーは夏から秋にかけてか?、王者のステップアップに注目していきたいと思います。
と、ワクワクしたところにまさかの悲報。
なんとこのNXTは今回で一旦最終回。JSPORTS的にはケガで療養中のイタミヒデオの復帰に合わせて再開予定となってるんだそうです…。
まあ、このあたりの不条理は昭和プロレス世代からすりゃ序の口、どうってことねぇよの範疇。とりあえずイタミは無理せずベストの状態でリスタートしていただければと…。
王者ベイラーの奮闘はネットかなんかでチェックしようと思います。

2015/07/07

WWEロウ #1152

録画した日〔2015/7/2:JSPORTS3〕

次回PPVで猛獣・ブロックレスナーの挑戦を受ける事になってしまったWWE王者・セスロリンズ。
今回のインディアナポリス大会では、ムゲに切り捨てたAuthority軍のケイン、J&Jセキュリティに関係修復と再共闘を持ち掛けます。
「言っとくけどレスナーが怖いワケじゃあねぇからな」とエクスキューズを付けつつ、まずはチビ護衛2人と折衝を進めるロリンズ。
しかしその態度はあまりにも横柄。絵に描いたようなヘタレヒールの振る舞いです。
運営部長ケインへの接し方もだいたい同じ。
こうなると彼らの答えはもちろん「No」。レスナー戦へ向けてロリンズが描いた青写真はあっさりと崩れてしまいました。
ここで助け舟を出したのはCOO夫妻のトリプルH&ステファニー。
孤立無援で困惑するロリンズに対し「だったら誠意を見せろ」と、ブラック企業ならではの非合理的な勅令を突き付けます。
かくして始まった公開謝罪コント。しおらしく謝罪のフレーズを並べたロリンズですが、ケインとチビ護衛2人はつれないリアクションに終始。
そうこうしてるうちに、例の重低音テーマ曲が会場に轟きます。
やっぱり登場した猛獣レスナー。ここでケインとチビ護衛2人はそそくさと退散。
そして始まった「スープレックス祭り(SuplexCity)」。1人ぼっちのロリンズは、あっちこっちにブン投げられあっという間に瀕死の状態となってしまいました。
しかしここから事態は急展開。
なんとロリンズを見捨てたはずのケインたちがリング戻ってレスナーを強襲。最後はロリンズがボス譲りの殺人技・ペディグリーでレスナーを撃沈しました。
めでたくリユニオンした「家族」4人。まあ、次回からは各自レスナーにブン投げられる運命なのでしょうけど…。

<メモ>
  • レスナー、ブン投げて大ケガさせたマイケルコールにニヤリと謝罪
  • 失恋&ケガでどん底のルセフになぜかサマーレイが接近

2015/07/06

WWE 日本公演【J SPORTS初!全試合完全中継】

録画した日〔2015/7/5:JSPORTS4〕

「The Beast in The East」と銘打たれたWWE日本公演”SUMO HALL”両国国技館大会。
開催日は7月4日。WWEネットワークで生中継されるという異例のワールドワイドなハウスショーです。
WWEの横綱(ヨコズナではない)としてワンマッチ緊急参戦を果たした猛獣・ブロックレスナー。
いわゆる“ハウスショー”への登場は実に11年ぶりだとのこと。
「マサ斉藤に会いに来たついで」など諸説ありますが、とにもかくにも全世界注目の東京襲来となります。
めでたく生け贄に選ばれたのはコフィキングストン。
猛獣はこれを投げっぱなしジャーマン大連投&殺戮F5で瞬殺。驚愕の「スープレックス祭り-SuplexCity-」上陸に超満員国技館は大爆発です。
試合が終わっても無慈悲にコフィをブン投げまくったレスナー。NewDayの残り2人がたまらず乱入するも当然F5で返り討ち。
リングにブッ倒れる犠牲者3人。東京初開催のスープレックス祭りはド派手にその幕を閉じました。
私は今回両国で現地観戦。
アオりVTRから例の爆音テーマ曲への流れは絶品。分かっちゃいたけど鳥肌モノでした。
そしてレスナーはギラギラとたっぷり時間を掛けてエプロンにジャンプアップ。日本公演のハイライトはこの入場シーンだったと個人的に思っています。
8年前のIGF(!)のカートアングル戦(!!)も同じ国技館で生観戦しましたがこの日の興奮度は無論段違い。
レスナーも凄いけどその一番いい見せ方を掌握してるWWEもやっぱり凄い。完全無欠のエンターテイメントでした。

7.4実質のメインはフィンベイラー(=元新日・プリンスデヴィット)の凱旋マッチ。
例によってヤリ過ぎ感満点のボディペイントでキメた“悪魔王子”は、ケビンオーエンスが保持するNXT王座に挑みます。
試合前には「花束贈呈」というニクい演出も。
この日本独自のプロレス文化に対し、悪漢・ケビンオーエンスはもらった花束を場外へブン投げる卑劣行為で敬意を示します。
そしてWWEは日本古来の「紙テープ投げ」も復刻。
この五色の紙テープはお客さんが持参したものではなく、WWEが“ベイラー戦の前に…”とアリーナ席にあらかじめ配っていたものでした。
ちょっと残念だったのは2人の入場中にテープを投げちゃうお客さんが多かった事。
ただたしかに、WWEからプロレスに入った若い人からすれば紙テープ渡されたところで「What?」という感じなのかも…。
WWEの好意が嬉しい半面、昭和は遠くなりにけりを痛感するジャパニーズスタイルでした。
肝心の試合ではなんとベイラーがベルトを奪取。ハウスショーでは異例の王座交代劇です。
昭和のプロレスファンとしては、極東発のこの吉報が往年のNWAのように何やかんやで無効にならない事を祈るばかりです。
激闘を終始コントロールしていたのは敗れたオーエンスの方。
前日のジョンシナ戦でもとんでもないハードワークを見せており、その動けるデブっぷりは感嘆の域。
この男がどうしてプッシュされているのかがよく分かりました。

この日の大事な第1試合を任されたのはY2J・クリスジェリコ(対戦相手はネヴィル)。日本での人気と実績をふまえた鉄板のマッチメイクです。
ちなみに実際の第1試合はセザーロvsマタドールwith子牛。第2試合のNewDay2人vsルチャ2人ともども、ダークマッチとしてどっかに葬られたかたちです。

ディーバ三つ巴王座戦はベラ姉がペイジとタミーナスヌーカを退け手堅く防衛成功。もちろん国技館の一番人気はペイジでした。
ちなみに本国でヒールのベラ姉は前日ベビー(vsタミーナ)でこの日はどっち付かず。何だかかわいそうな役回りです。

レスナー降臨→ベイラー戴冠というとんでもなく熱い流れで迎えたメインはシナ&ジグラーvsケイン&キングバレットの勧善懲悪タッグマッチ。
いかにもハウスショーっぽい、まったりとした顔合わせです。
TVで見るまんま正義漢風情のシナですが、本場でお馴染み「Let's Go Cena」「Cena Sucks!!」の客席内抗争は東京でもやっぱり勃発。
私の席の周りでも人の良さそうな若者が「Sucks!!」とシャウトしてました。
シナからすればこの辺もエンターテイメントの範疇ですっかり慣れっこ。
適度にアツく適度にユルい絶妙(?)な試合運びで「This is Awesome」なビッグイベントをさっくり締めてくれました。

前日の金曜日は空席が目立ってたものの、さすがに「The Beast in The East」の土曜日はギッシリ満員となった両国。
TV放送と連動した進行はテンポ抜群、客席は最初から最後まで滾りまくりでした。
ちなみにTVで流れた各種アオりVTRは、一部を除き国技館のビジョンでも共有。
RAWやSDでおなじみの“外の様子”もカットイン。両国駅前のランドマーク「ちゃんこ霧島」が晴れて世界デビューを果たしています。
いろいろ試行錯誤中の「WWEネットワーク」の恩恵をなぜか日本が受けちゃった神興行。
この手法なら最大の障壁である“言語”は関係なし。ぜひとも夏の恒例イベントにしてほしいものです。