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2014/11/27

ワールドプロレスリングクラシックス#225「第1回 第2回 G1クライマックス名勝負特集」

録画した日〔2013/7/1:テレ朝チャンネル2〕

平成4年8月6日に行われた3試合。
第2回G1クライマックスのトーナメント1回戦です。
「35度を超える超熱帯夜」の静岡産業館で渋めのレスリングを展開するWCWの若手。
ブロンドヘアーがちょっと後退気味のこの男こそ、後の超大物“ストーンコールド”、27歳のスティーブオースチン(Stone Cold Steve Austin)です。
キャリア2年半のオースチンはもちろんこれが初来日。
そんな未知の新鋭にC調実況・辻アナが付けたキャッチフレーズは「最凶のタフ野郎」ならぬ「タフでニヒルな凄い奴」でした。
見た目はさほど大物っぽくないオースチンですが、この日本デビュー戦では重鎮・アーンアンダーソンからフォール勝ちというVIP待遇。
山本小鉄&マサ斉藤の屈強W解説陣からも「レスリングができる」と絶賛されました。
ちなみにマサさんは「モーターサイクルとかハンティングとかいろんな趣味持ってますね」とブッカーならではの小ネタも暴露。
90年代後半には4輪の「働く車」で大活躍する事になるオースチン。
しかしさすがにまだこの頃は、トレーラーやタンクローリーには乗ってなかったようです。

伝説の「第1回」で準優勝だった武藤敬司。狙いは優勝以外ありません。
御髪の具合は前出のオースチンとだいたい同じですが、この時点におけるレスラーとしての格では圧倒的に武藤が上でした(年齢は武藤が2つ上)。
そんな武藤の初戦の相手はNWA時代から縁のあるバリーウインダム。
お父さんがブラックジャックマリガンでディックマードックが義理の叔父という生粋のプロレス一家出身のウインダムは、WWEの2大キモキャラ・ワイアットボーダラスの伯父さんでもあります。
試合は武藤が超高速のムーンサルトプレスをブチかまして完勝。
ちなみに解説のマサさんはウインダムがグリーンボーイだった頃に対戦経験があるとの事。
「このガキ…」「コテンパンにやっつけてやった」などと、G1そっちのけでいにしえの武勇伝を語っていました。

栄光の初代G1覇者・蝶野正洋は、格闘家からプロレスにシフトチェンジ中のトニーホームをSTFからの腕ひしぎ十字で撃破。
勝ち方も実に地味な「白」蝶野。
大会2連覇というド派手なブレークスルーをこの時点で想像した人はいなかったでしょう。

アメプロ(WCW)とガッチリロックアップして「NWA世界ヘビー級王座決定トーナメント」という付加価値まで付けられた第2回G1。
前年の大爆発にもかかわらず、新日はまだ「G1」というブランドに自信が持てていなかったのでしょう。
参加16人のうち日本人は三銃士、ハセケン組、SSマシンの6人だけ(馳はケガで欠場、SSマシン=機械と数えたら実質4人)。
あげくはまさかの決勝戦・蝶野vsリックルードなど、長いG1の歴史の中でもこの第2回は異質さが光るものでした。
G1が「本場所」として確立された今では再現不可能なレギュレーション。
春先にやってる“ニュージャパンカップ”とかいう大会が代替品になるのでしょうか。
ここは一つ、批判とかは気にしないで自由度=高の「異質」なトーナメントに再挑戦してほしいところです。

2014/11/25

WWEスマックダウン #795

録画した日〔2014/11/24:JSPORTS3〕

前回RAWに引き続いてのリバプール大会。
ワイアットファミリーのデブ大将が、PPVで対戦するアンブローズに気持ち悪い心理戦を仕掛けます。
この日は必殺の「シスターアビゲイル」でシンカラを軽くヒネったデブ大将。
技同様、その変態ムーブも相変わらずのキレ味。
最近はもっぱら1人で行動しているのですが、ファミリーの残り2人は切り捨てたという事なのでしょうか。
前回PPV以降、そんなデブ大将に目を付けられてるアンブローズ。
ただでさえ気が短いのに、闇だの救済だのスピリチュアルっぽいネタで毎日デブに挑発されたんじゃ精神的暴発も時間の問題です。
若手ユニットからの一本立ちが共通点の2人ですが、抗争のそもそものなれそめ、必然性はよく分かりません。
PPVが終わったら、デブ大将はアンブローズじゃなく燻りかけの実弟・ボーダラス救済にあたってほしいところです。

<メモ>
  • Y2Jジェリコ登場、アダムローズのウサギの正体は「フナキ」という持論を展開
  • 5vs5戦の最終メンバー決定は次回RAWへ持ち越し

2014/11/24

座頭市と用心棒

録画した日〔2013/12/20:日本映画専門チャンネル〕

超大物・三船敏郎が参戦したシリーズ20作目。
公開は昭和50年1月、興行的には座頭市最大のヒットとなったそうです。
大映(勝プロ)vs東宝(三船プロ)という団体の枠を超えた夢の看板一騎討ち。
ただこの手の交流戦アングルは得てして当たりさわりの無い花相撲になってしまうもの。
プロレスファンとしては、凡戦の末の両者リン決着を受け入れる予防線を張っておくべきでしょう。
交流戦の舞台は座頭市が3年ぶりに赴いた田舎の里。かつては平和で穏やかだったこの里は、今はヒール軍がのさばる荒んだ状況でした。
三船敏郎はそのヒール軍の凄腕用心棒。外敵にして賞金クビである座頭市抹殺を請け負います。
ストーリー序盤で展開された両雄のマッチアップは当然のドロー決着。
そもそも休養目的だった座頭市と聾唖者を斬りたくない三船敏郎は、お互いを「バケモノ」「ケダモノ」と呼び合いつつ奇妙な交友を深めていきます。
豪放磊落な無頼漢ギミックの用心棒・三船敏郎。
クロサワ映画を見た事がない私としては元ネタ「用心棒」「椿三十郎」とのコントラストがよく分からないのですが、座頭市を凌駕するワールドクラスの貫禄は存分に伝わってきました。
そんな三船敏郎を「先生」と頼るヒール軍ボスは米倉斉加年。器の小さいヘタレ系です。
その父親である滝沢修は役所から金塊をちょろまかしてるこれまたヒール野郎。息子・米倉斉加年はこの金塊を狙っています。
座頭市は父親サイドと契約することで、ヒール父子の骨肉抗争に首を突っ込みました。
空前のビッグマッチだけあってディーバも超豪華。両雄に格で伍する大女優・若尾文子が抜擢されました。
その役どころは米倉斉加年に借金を作ったために汚れの身となった居酒屋女将。
しかし、座頭市からすれば優しくしてもらった3年前の良いイメージが残ったままです。
若尾文子の本命は敵ポジションながら常連客の三船敏郎。
ここで座頭市は三角関係を回避。それどころか滝沢修からもらった契約金200両を三船名義で若尾文子に手渡すという、オクテな恋愛ベタのいい人として立ち回ります。
一方、金塊を巡るヒール父子の抗争はクールなピストル使い・岸田森まで参戦する泥沼模様。
メインの「座頭市vs用心棒」につなぐ前座ネタながら、出てくる連中が全部悪人というお腹いっぱいなカオス。座頭市お得意の勧善懲悪とはやや趣を異にするストーリーです。
そしてヒール軍全滅後にようやく迎えた最終決戦。
座頭市はこの時点で大流血という不利な状況。さらに三船敏郎の足を斬った際に仕込み杖が折れてしまうアクシデントにも見舞われてしまいました。
丸腰で三船敏郎に背中を向ける座頭市。
しかしそこに乙羽信子(岸田森のピストルで撃たれてダウン中)が意識を取り戻したとの報が…。
これにより頂上決戦は急転ドロー決着に。
絶体絶命の座頭市は、ドラゴンストップならぬ乙羽信子ストップにより九死に一生を得た事となります。
ゴジラ(東宝)vsガメラ(大映)とも謳われた大一番は予想どおりエクスキューズたっぷりの痛み分け。
強いて言えば座頭市がアウェイの三船敏郎に花を持たせたかたちでしょうか。
いずれにせよ、その勝敗より実現した事に重きを置くべき夢の団体交流戦です。
巨星同士の「2人の世界」でズブズブ進むと思いきや、乙羽信子、米倉斉加年、岸田森らの脇役がきっちりお仕事。ネタの1つ1つにちゃんと必然性がある筋の通ったストーリーだったと思います。
ただせっかくのドリームマッチ、もっと無茶苦茶で荒唐無稽なアホバカストーリーが見たかった気もします。