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2013/07/18

タイガーマスク #67「黄色い悪魔復活」

録画した日〔2013/7/12:TOKYOMX〕

全米マットに「黄色い悪魔=イエローデビル」を名乗る東洋人レスラーが出現したという情報を入手した伊達タイガー。(情報源は旧友・大門大吾)
封印ギミックの盗用に居ても立ってもいられず、日プロトップの馬場さんに緊急渡米を直訴します。
伊達タイガーの悲痛な叫びに御大が出した答えはもちろん「No」。
たしかにギミックの侵害はプロレス界の禁忌事項ですが、伊達タイガーがアメリカに行ったところで何ができるのか?
むしろ全米に顔が利くビッグプロモーター・馬場さんが一睨みした方がよっぽど効果があると思われます。
馬場さんが伊達タイガーを説き伏せた大義名分は「ファンあってのプロレス」「リングの君を見ようと集まった客に何と弁解するつもりだ」という、ぐうの音も出ない正論。
要は「テメェの勝手で興行に穴開けんじゃねぇ」「タニマチに顔が立たねぇだろ」という、歴戦のブッカーとして当然の対応です。
なおこの渡米問答の過程で、日プロ昭和46年1月度の興行スケジュールが一部公開されました。
黒板に書かれたそれによると…
  • 1/24(日) 伊達タイガー遊園地でサイン会 ※猪木、大木はオフ
  • 1/25(月) 大宮体育館で興行
  • 1/26(火) 伊達タイガー移動日=羽田から大阪へ
  • 1/27(水) 大阪興行 ※会場不明。馬場さん、猪木、吉村は当日移動
  • 1/28(木) 午後からサイン会 ※馬場さんはコミッション出席
  • 1/29(金) 大阪体育館で興行 ※伊達タイガーは猪木と組んで外人戦
  • 1/30(土) 九州巡業開始 ※午後から記者会見あり
一週間で埼玉→大阪→九州と移動する何とも過酷なスケジュール。
しかも合間にはサイン会やら記者会見やら、外部とのアクセスもマメに実践していたようです。
やっぱりプロレスの基本は旅から旅への”Show must go on”。
合理化、パッケージ化が進んだ21世紀のマット界においても、この矜持だけは脈々と受け継いでほしいものです。
馬場さんの無慈悲なトップダウンを受けた伊達タイガーは、闇紳士・嵐先生の道場を訪問。
八方塞がり、暗中模索の中での気の持ちようを指南してもらうのが目的です。
もちろん清廉潔白な伊達タイガーが有力フィクサーを使っての「ネジ込み」を画策するはずはありませんが、渡米交渉が暗礁に乗り上げた直後のタイミングだけに誤解を招く軽率な密談といえるのではないでしょうか。
幾多の修羅場をくぐってきた(正しくは“作ってきた”か?)暗黒フィクサー・嵐先生は、例によって伊達タイガーのメンタルのブレをピンポイントで看破。
レスラー崩れの大門大吾を「ニセ黄色い悪魔」に仕立てて襲撃させるという荒治療を施しました。

その存在だけで伊達タイガーをきりきり舞いさせる黄色い悪魔の正体は、虎の穴を卒業したばかりの日本人「ケン」。
そしてなんと彼の妹は、伊達タイガーのオアシス・ちびっこハウスで暮らす「洋子ちゃん」。
理屈や仕組みはよく分かりませんが、ケンは伊達タイガーを抹殺することで妹・洋子ちゃんと再会ができるようです。
名門・虎の穴輩出のエリートである黄色い悪魔。グリーンボーイとはいえ実力の程は折り紙つきとなります。
ただ、少し残念なのはヤッつけ制作が伺える覆面のクオリティ。
素材はタオル地か?。佐山タイガー衝撃のデビュー戦(昭和56年4月23日蔵前国技館)を思い出させるフォルムです。
次回予告によると、伊達タイガーは虎の穴の陽動作戦にまんまとハマってアメリカマットへ突撃する模様。
だったらここはお目付け役で馬場さんに帯同してほしいところ。
師弟コンビの全米行脚シリーズなんかが見られると素晴らしいんですが…。