虎の穴本社に緊急招集された悪のプロモーター・ミスターX。
遅々として進まない伊達タイガー抹殺案件を抱えているだけに、処刑の恐怖に怯えて顔面蒼白ブルブル状態です。
実際のところ招集の理由は処刑宣告ではなく、虎の穴No2からの「新・経営方針」発表でした。
その経営方針、骨子は以下のとおりです。
新経営方針<金を得るためにはカネを使う(ギブアンドテイクの時代)>
- 現社屋を取り壊し、コンピュータ管理の新社屋を構築。
- スカウト方針、組織待遇の見直し。
- 前時代的なシゴキ特訓を禁止。練習生には十分な食事と住居をあたえる。
時は昭和40年代半ばのスポ根全盛期。そんな熱血時代の逆を行く、いや先を行く何とも合理的なトレーニング方針です。
しかしこの作品、スポ根、理不尽何でもござれの男の星座・梶原一騎先生の原作だったような…。
そんな新生虎の穴におけるミスターXの任務は「スカウト部長」。
さっそく米、仏、英、印からケニア、タイ、そして日本まで全世界を行脚して有望な少年たちをスカウトしていきます。
しかしこの人事、適材適所なのか?
丸腰の伊達タイガーに瞬殺されたアホバカ三人衆や、ちびっ子ハウス健太君にすら翻弄されるヘッポコ秘密兵器シャドーなど、ミスターXのスカウト能力には大きな不安があると言えるでしょう。
ちなみに、伊達タイガー抹殺案件は本社戻しで無期限の保留。ミスターXの責任は問われないとの事です。
虎の穴で大改革が敢行されている頃、伊達タイガーは古巣日プロの巡業に参加。
今回は「西日本シリーズ」福岡大会で馬場さんと師弟タッグ(現状は主従タッグか?)を結成し、見事に勝利を飾っています。
目下の悩みは必殺技がない事。
やっかいな契約問題と仇敵ミスターXから解放されて、ようやくプロレスに専念できているようです。
「破壊なくして創造なし」。過去の因習に縛られる21世紀の日本企業に見習ってほしい、虎の穴のスピード感溢れる構造改革。
ちなみに、プロレス部門の上げる利益は「年間数十億ドル」、ラスベガスの総利益に匹敵するとの事です。
それに比べて我らが日プロは何をしているのか?
伊達タイガーの移籍問題も結局ウヤムヤ。いい時にこそ変化が必要、ここで「変えなかった」ツケはすぐに回ってくるはずです。