昭和51年10月スタートの特撮ヒーローもの。(木曜18:00~18:30放送・全26話)
原作が「マジンガーZ」の永井豪で制作は「ウルトラマン」の円谷プロ。そして最強軍団・新日本プロレスが全面協力という、昭和のちびっ子にとってはオモラシ寸前の超ドリームコラボレーションです。
総帥・アントニオ猪木はエンディング間際に登場。
何人か登場したプロレスラーの中で唯一のセリフ付き、まさしくメインイベンター級のVIP待遇特別出演です。
- 大泉:ちょっとスミマセン、ブラックミスト[※ヒール軍]の事なんですが、どうお思いですか?
- 猪木:ああいう奴をのさばらせておいてはイケないヨ。プロレスは正統な格闘技なんだ。しかし、東都プロレスも大変だな。(以上、ヨドミのない棒読み)
- 大泉:そう!正にそのとおり。将来を背負って立つシュン君[※主人公]も辞めましたしねぇ。
- 猪木:シュン君か。オレの良いライバルになると思ってたが。「人生はどの道選んでもいいが、男の意地だけは忘れんように」シュン君にそう伝えて下さい。(以上、やや抑揚が付いた棒読み)
- 大泉:もう一つ、アステカイザー[※インタビュー前日に初登場]の事ですが、私は猪木さんではないかと睨んでおりますが。
- 猪木:オレ?
- 大泉:アレだけ強いのは、日本広しと言えども猪木さんぐらいなもんでしょうが。
- 猪木:ンムフ、オレじゃぁないよ、ンムフフフ。しかし、アステカイザーとは一度戦ってみたいな。(満面のアントンスマイル=顔芸でまとめる)
- 猪木:ヨッシャ!(唐突に木戸修とスパー再開)
3ヶ月前に死闘を繰り広げたモハメドアリの激流の如きマシンガントークとは雲泥の差。「引っ込め、ペリカン野郎」とブン殴られても仕方のないレベルです。
なお、出演した新日勢でクレジットがあったのは以下の4名。
「リングアナ・倍償鉄夫(おそらく「賞」の誤字。アントン美津子さんの実弟)」
「レフェリー・ミスター高橋」
「鮮血のヘル・ジョージ高野」
「マッドコンドル・佐山聡」
この他、ドン荒川の出演が確認できました。
後のタイガーマスク(写真左・マッドコンドル)とザ・コブラ(写真右・鮮血のヘル)がブッキングされているあたり、新日の歴史考証的にも意義深いものがあります。
ちなみに「格」的には、ヒール軍・ブラックミスト先鋒役のザ・コブラが上だったようです。
そして昭和のプロレスファンとして見過ごせなかったのが、オープニングで佐山・マッドコンドルを破って世界チャンピオンになったストロング・リキとかいうロートルレスラー。
すぐさま、乱入したブラックミスト軍の餌食になるんですが、問題はその腰に巻かれたチャンピオンベルトです。
これはどう見ても新日の至宝「NWFヘビー」のそれ。
バレンタイン、パワーズ、シン、ハンセン…、強豪レスラーの血と汗と涙が染み込んだ由緒あるベルトをクソガキ向けのヘボ特撮に持ち出し、しかもよく分からん三文役者の腰に巻かせるという大暴挙。
昭和51年当時のNWF王者はもちろんアゴの長いあの男…。まさか、カネのために至宝をレンタルする訳がない、テレビ朝日の職人達が本物そっくりに仕上げたレプリカである事を切に望みます。
物語として一点気になるのは、プロレスムーブもソコソコこなせるアステカイザーが、肝心のフィニッシュムーブの時だけアニメ化されてしまうという事。
Web等で調べると、これは「仕様」だそうです…。
まあ、新日プロ勢目当ての私としては「オメェはそれでいいや」って感じでしょうか。
今から36年前の作品。猪木や佐山の面白シーンだけでなく、チラッと映った当時の後楽園ホール界隈も印象的でした。
次回予告を見る限りでは、猪木は今回の1回目でお役御免、後楽園ホールも使用せずヒーローものの聖地・採石場での決戦(火薬使用)にシフトされていくようです。
全26回、とりあえず広い心で第2話をチェックしようと思います。