Translate

2013/04/28

ワールドプロレスリングクラシックス#35「タイガーマスク特集」

録画した日〔2013/1/20:朝日ニュースター〕

4月23日のデビュー戦を含む初代タイガーマスクの昭和56年3試合をピックアップ。
会場はいずれも昭和プロレスの殿堂・蔵前国技館です。
デビューからちょうど2ヶ月後の6月24日、蔵前の支度部屋から昭和の茶の間に超立体四次元カメラ目線を投げかける佐山タイガー。
色々と目を凝らしてみると、その装束は伝説の4.23手作りタオル地マスク&安物シーツマントから格段の進歩を遂げていることが確認できます。
この日の対戦相手は絵に描いたようなルチャリブレ戦士・ビジャノ3号。
しかしド派手な外見だけで侮る無かれ、ゲレロ一家、エリック一家と並ぶプロレス界の大家族・レイメンドーサ家の三男坊にしてUWAライトヘビー級王者に君臨する実力派です。
黄色対ピンクの一騎打ちは、タイガーがスワンダイブ式プランチャを場外のビジャノ3号に敢行。納得のリングアウト勝ちを収めます。
単に飛んだり跳ねたりだけじゃぁない、グランド技や古典的力比べも散りばめられたメリハリのある好勝負でした。

ビジャノ3号戦20日前の6月4日には、ドラゴン藤波との龍虎ドリームタッグを結成。クリス・アダムス&マイク・マスターズ組を迎撃しました。
それにしても6月に2度も蔵前決戦を開催するとは、黄金時代幕開け直前の新日の勢いを感じます。
デビューから1ヶ月ちょっとのこの試合。
お客さんも対戦相手もようやくタイガーの変幻自在四次元プロレスに目が追いついてきた感じでしょうか、タイガーの「次の動き」を期待・想定する場面も多く見受けられるようになっています。
しかしそれでもスピードと切れ味は極上の一語。ホントは何でもない動きであっても、目くるめく超立体ムーブに見えてきます。
そして新日黄金時代の着火点であり、いきなりの爆発点でもあった4.23蔵前決戦。
超過激アナ・古舘伊知郎によれば、初登場のタイガーは「全くの未知数」「肌の色からすると東洋人」「ビリーライレー・ジム=蛇の穴出身の噂あり」との事。
ちなみに対戦相手のダイナマイト・キッドは、爆弾小僧ではなく「爆弾貴公子」とアナウンスされていました。
リアルタイムで視聴した上に何度も何度も見直す機会があるデビュー戦ですが、30年以上経った今でも佐山タイガーの一挙手一投足にやっぱり釘付けになってしまいます。
ちなみに当時小学生3年生だった私は、メディアミックスのトンデモアニメ「タイガーマスク二世」も当然チェック。人間がアニメとシンクロしてやがて飛び超えてしまったあの衝撃は、今後2度と体験することはできないでしょう。
もちろん「タイガーマスク二世」は最後まで見ていません…。
佐山タイガーの初期3試合を見るにつけ思うのは、対戦相手に恵まれていたという事。
ダイナマイト・キッドだけでなくクリス・アダムス、ビジャノ3号も「好敵手」と呼ぶに相応しい、タイガーにきっちり合わせたムーブを見せてくれています。
デビュー戦の相手がザ・バンピード(=デイビーボーイ・スミス)のような無軌道野郎だったらどうなってたのか?
でもやっぱり佐山なら世界のマット界をひっくり返すスーパースターになっていたのでしょう。