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2013/04/28

新・座頭市Ⅰ #9「見えない涙に虹を見た」

録画した日〔2012/9/28:時代劇専門チャンネル〕

座頭市がたき火をしてるところに暖をもらいに来た伊丹十三・音無美紀子夫妻。
この夫妻とは茨城県笠間市時代の幼なじみ同士。偶然の嬉しい再会となりました。
座頭市の記憶の中では伊丹十三=名門そば屋の御曹司、音無美紀子=みんなのアイドル(もちろん座頭市も大ファン)。
いわゆるクラス公認の羨ましい不可侵ナイスカップルだったはずなのですが…。
流れる歳月は残酷なもので、伊丹十三は博打にハマってすっかりクズ人間に堕落。実家の名門そば屋はもちろん、身重の音無美紀子までも借金のカタに入れてしまいます。
同窓会やなんかで「あの秀才が…」「あの美人が…」というのはよくある事。今回のケースでは、音無美紀子が昔のままだったので座頭市的にはまあ良しとするべきでしょう。
卑しさ浅ましさダラシなさ等々、クズ男のネガティブ要素をすべて兼ね備えた伊丹十三。極悪ヒールとは一味違う、見ててイラつく厄介者として抜群の存在感を発揮しました。
後に日本映画界を席巻する巨匠は、役者としても座頭市とタメを張れる大物であったことが伺えます。
実家に嫁さんと借金のカタすらなくなった伊丹十三は、幼なじみ・座頭市の身をヒール軍へ献上。
しかしもちろん座頭市は、音無美紀子の救出も兼ねてヒール軍をメッタ斬りの返り討ちに処します。
なお今回、伊丹十三はメッタ斬りの対象外。カタギとして父親として心を入れ替えた事を見届けると、座頭市は一人次の宿場へ旅立って行きました。
しばしば登場する座頭市の幼なじみ。天涯孤独っぽいキャラではありますが、子ども時代はごく普通のカワイイちびっ子だったのでしょう。
それにしてもその顔ぶれは伊丹十三のほかスーダラ系男子・植木等など多士済々。恐るべき人材の宝庫・茨城県笠間市といったところでしょうか。