録画した日〔2013/3/21:NHKBS1〕
1996年3月にマレーシアで行われたアトランタ五輪最終予選の準決勝サウジアラビア戦を振り返る30分番組。
メキシコ大会以来28年ぶりのオリンピック出場を決めた歴史的な一戦です。
17年ぶりにシャーアラムスタジアムに降臨したキャプテン前園真聖。
川口能活や城彰二、中田英寿もいた派手なチームでしたが、あの日のドラマは全て「ゾノ」が創り上げたと言っていいでしょう。
スピードやテクニックとは異なる物凄いエネルギーが充満した、圧倒的な存在感を持つ絶対王者でした。
あの試合、2点目を取ってからが異常なまでに長く感じた記憶があります。
番組中に前園は「苦しい思い出しかない」と振り返っていましたが、見ている側も3月なのに蒸し暑さで全身ベトベト、見終わって放心脱力の極限マッチでした。
ドーハとジョホールバルに挟まれた、予選だけで完全燃焼できる古き良き世界標準黎明期です。
常に「アトランタ後」の功罪が問われてしまう前園。キャリアトータルで見れば不完全燃焼、惜しい選手だったのかもしれません。
しかし私としては、本戦も含めたこのオリンピックチームでの躍動だけで10年20年経とうが最敬礼の存在。
今だに「もし」「たられば」で熱く語りたくなる、幻想に満ちたスーパースターだと思っています。