3週に渡る東北巡業から北陸へと舞台を移した第2次シルバーリーグ(劇中の表記はなぜか“シルバーシリーズ”)。
今回は新潟県直江津市(現・上越市)での興行となります。
新潟は我らが馬場さんの出身地。しかしストーリーは凱旋ムードとは無縁でした。
馬場さんの生まれは中越の三条市。上越にカテゴライズされる直江津とは生活圏、文化圏の違いがあるのでしょうか。
一方、直江津での伊達タイガーは未知の強豪・ブラックパンサーの事で頭がいっぱい。馬場さんとの試合前稽古にも身が入らない状態です。
これに見かねた馬場さんは「最も男性的といわれる日本海の荒波でも見てこい」と、悩める愛弟子にリフレッシュ単独行動を指南しました。
ところがその道中、乗り込んだタクシーがリヤカーの少年と接触事故を起こすという大トラブルに見舞われます。(両者に怪我は無し)
前々回は列車事故、前回は自殺現場遭遇、そして今回のタクシー事故…。
これはもはやオカルト級、伊達タイガーのインケツっぷりはとどまることを知りません。
いずれの案件も本人に過失無し。バッドラックとしか言い様のない伊達タイガーですが、幸か不幸か今回事故った相手は地元のちびっ子ハウス「青雲学園」の少年でした。
降って湧いたチャリティー案件に一転ウキウキの伊達タイガー。
馬場さん提案のプランをさっそく捻り潰して、少年達が勤しんでいたグランド整地作業への緊急参戦を決め込みます。
ちびっ子達の純粋さに元気をもらった伊達タイガーは、作業が終わると直江津大会のチケットを大判振る舞い。
何もなければ地元の黒いタニマチ連中に渡ったであろう日プロ招待券が、未来ある純真なちびっ子の手に届けられるとは心が洗われるような美談です。
こうして迎えた直江津大会。この日のカードは反則王・ブラッディマスク(悪徳セコンド・グレートXを帯同)とのシングルマッチです。
青雲学園のちびっ子の大声援を受けて俄然ヤル気が出てきた伊達タイガーは、なぜか自転車のチェーンを凶器にするこの雑魚を全く相手にすることなく日本海の荒波に沈めました。
大盛況の直江津大会の翌日、10台近くのダンプカーが青雲学園のグランドに乱入し、次々と大量の土砂をバラ撒いていきます。
すわ、ちびっ子に招待券を横取りされた土建屋系タニマチの嫌がらせか?…。
もちろんそんな事ではなく、これは伊達タイガーからのビッグなラストプレゼント(=グランド整備用の土砂)でした。
なお、伊達タイガーが怯えまくってるブラックパンサーは、観衆7万人のローマ大競技場で強敵・カメレオン男爵を公開処刑。覆面タイトル挑戦へ待ったなしの状態です。
この黒い挑戦者の得意技はカーフブランディング(仔牛の焼印押し)との事。
狂犬・ディックマードックのそれとはスタイルが異なるものの、最大警戒を要する破壊兵器です。
東北から北陸へ、ゆったりモードで旅情豊かな巡業を続ける日プロ勢。しかし、伊達タイガーは肉体的、精神的、そしてスケジュール的に1人大忙しを囲っています。
馬場さんじゃありませんが、雄大な日本海でも見て英気を養うのもトップレスラーの務めではないでしょうか。