ハリケーン「サンディ」の被災地でもあるニュージャージーで開催されたWWE最大のイベント。
会場のメットライフスタジアムに集まった観衆は80676人。メイン戦は2年連続で「ロックvsジョンシナ」のアイコン対決でした。
何度も何度も繰り出した必殺技・AAで遂に王者ロックを沈めたジョンシナ。11度の戴冠はリビングレジェンドと崇められるべき偉業です。
しかし試合自体はスーッと始まってアレ?って感じで終わる凡戦風味。観衆8万人のスタジアムが大爆発したようには見えませんでした。
ビッグマッチを終えた両雄は因縁帳消しのノーサイド。実況席は品格、敬意といったフレーズで2年越しの人間ドラマを締め括ります。
WWE脳に侵されている私としては、何時どっちがブン殴り掛かるのかワクワクが抑えられなかったのですが、結局ハプニング&ドンデン返しの無いまま4時間のPPVは大団円と相成りました。
このロックvsシナのハッピーエンドや、テイカー21連勝、トリプルH現役続行など、各ビッグネームが良くも悪くも現状維持で役割を果たした今年のレッスルマニア。
本当のお楽しみは、個人的に1年で一番ワクワクする「祭典24時間後のRAW」にあるのかもしれません。
①シェイマス&オートン&ビッグショーvs若手乱入軍団シールド
大抜擢のゴリ押し若手トリオがエゴの塊チームのギクシャク状態に乗じてオートンを撃沈。祭典初出場初勝利をゲットしました。ビッグショーとオートン+シェイマスの対立軸は継続の見込みです。
②マークヘンリーvsライバック
大型トレーラーの正面衝突的なパワー対決は、ライバックの豪快必殺技・シェルショックを押し潰したヘンリーがピンフォール勝ち。しかし試合後にはライバックがあらためてヘンリーにシェルショック葬を敢行。負けてなお強しを猛アピールしました。
③タッグ王座戦~ケイン&ブライアンvsジグラー&ラングストン
仲間割れしそうでしない王者組が、ダニエルブライアンの豪快ダイビングヘッドバットでジグラーを粉砕。なお、この試合はジグラー+AJリーの用心棒・ラングストンのデビュー戦。レインメーカー風に言えば「特にありません」ってな感じの普通の大型レスラーでした。
④Y2Jクリスジェリコvsファンダンゴ
デビュー戦を延々ボイコットし続けていたバカ新人・ファンダンゴ。結果、ラングストン同様にデビュー戦がレッスルマニアという超VIP待遇の恩恵に預かりました。試合でもジェリコを粉砕してジャイアントキリングを達成。次代の大物とはとても思えませんが、まずは生暖かくステップアップを見守りたいと思います。
⑤世界王座戦~アルベルトデルリオvsスワガー
スワガーwith極右オヤジ・コルターのイデオロギー闘争は、デルリオの腕折りサブミッションで一先ず小休止となりました。何だか知らないけどマイノリティ系ヒーローに祭り上げられちゃったデルリオ。さっさと本来の超成金傲慢ヒールに戻って欲しいもんです。
⑥CMパンクvsアンダーテイカー
猛烈にカッコいいLiving Colour(リヴィングカラー)の生演奏でリングインしたCMパンク。入場シーン、試合内容、お客さんからの声援ともレッスルマニアの大正義・テイカーとほぼ互角だったのですが、最後は必殺ツームストンで轟沈。地獄の墓堀人の無敗伝説に一役買ってしまいました。
⑦ブロックレスナーvsトリプルH
負けたら即引退(ただしトリプルHのみに適用)のノーホールズバード戦。超絶グッドシェイプで臨んだ猛獣レスナーを「まだ終わらんよ」と鉄階段ペディグリーで粉砕、伸び行く若手&中堅には大迷惑の現役続行宣言をブチ上げました。
4時間の超ロングラン興行は全8試合。
前述のとおり「現状維持」がテーマであるかのような、サプライズ無しの堅実路線でした。
ちなみに一番頑張った今年のミスターレッスルマニアは、テイカー戦とトリプルH戦で悪のマネージャーを掛け持ち連闘したハゲデブ・ポールヘイマンだったのではないでしょうか。