2002年、ストーンズ結成40周年にあわせてリリースされた2枚組ベストアルバム。
40周年だけに「40曲」収録の大ボリュームです。
特筆すべきは「未発表曲」ではなく『新曲』を4作ネジ込んだところだと思います。
そしてその中からシングルカットされたのは「#2-5 Don't Stop」。
時は21世紀突入直後、還暦目前(当時)のストーンズによる現役続行猛アピールと受け取りました。
実際のところ“Dont'Stop”のフレーズに偽りはなく、アルバム発売日を待たずに「Licks World Tour 2002/03」をキックオフ。未知の国インドや中国含む20カ国超140本近くのステージをこなし、無尽蔵のタフネスぶりを世界に見せつけました。
もちろん極東日本にも上陸。それどころかなんと、30年越しの因縁「武道館=The budokan hall」興行を実現してくれました。
当時30歳の私は、上野の金券ショップで「¥65,000」のbudokan hallチケットを発見。
経済的には何とかOKだったんですが、興行が月曜だったため仕事的にNGで購入断念。10年たった今も激しく後悔しています…。
このLicksツアー、ネットが普及してから初めてのワールドツアーという事になるでしょう。
朝一、会社のPCでセットリストを確認。レア曲演ってたらニヤニヤする。これが当時の日課でした。
ちなみに、ニヤニヤを通り越して腰が抜けたのはこの2003年シドニー大会のセットリスト。
- Midnight Rambler
- Tumbling Dice
- Live With Me
- Dead Flowers
- No Expectations
- Neighbours
- I Can't Turn You Loose
- Everybody Needs Somebody To Love
- That's How Strong My Love Is
- Going To A Go Go
- Slipping Away
- Happy
- Start Me Up
- Rock Me Baby
- Honky Tonk Women
- It's Only Rock'n Roll
- Brown Sugar
- Satisfaction (encore)
現場に居合わせた羨ましいファンは、たったの2200人との事でした。
アルバム自体は、「そりゃ、こう選ぶしかないわな」といった感じの広く浅い全方位気配り型のラインナップ。
長い長いストーンズの活動期からまんべんなくセレクトされた40曲です。(なぜかダーティワーク期を除いて...)
“初心者向け”、“入門盤”といったレビューを多く目にしますが、まさしくそのとおり。特にDisk1はみんな納得、ベストの選曲ではないでしょうか。
古いファンにも色々と気付きを与えてくれる、ストーンズの基本マニュアルのようなアルバムだと思います。
そしてこのForty Licksから10年、今年2012年にStonesは50周年を迎えました。1人も欠けずに!。
想定の範囲内ですが、このDecadeに乗じたビッグな集金企画のエンジンに火が付いた模様です。
『GRRR!〜ザ・ローリング・ストーンズ・グレイテスト・ヒッツ』とかいうベストアルバムの発売。発表されたフォーマットは下記3パターンとなります。
- スタンダート:3枚組50曲_¥2,980
- デラックス:3枚組50曲&オマケ諸々_¥5,000
- スーパーデラックス:4枚組80曲(!)&オマケ/ガラクタ多々_¥15,000(!!)
21世紀の女工・AKB48のほうが握手券がある分良心的じゃねぇのかと思わせるほどのコンプ狙い商法です。
元祖不良ロックバンドの産業ロック傾倒に異議を唱えつつ、とりあえず15,000円のセットを予約しようと思います。