全日本プロレス春の本場所・チャンピオンカーニバルの傑作選。
昭和48年開催の第1回から57年10回目までに行われた名勝負7戦をリプレイする、2時間のアーカイブ番組です。
昭和57年福岡、第10回大会の優勝戦は「馬場さんvs超獣・ブルーザーブロディ」。
不沈艦・ハンセンと合体したばかりのキングコングブロディは絶頂期への飛躍真っ只中、心身ともに文字どおりのグッドシェイプ状態です。
結果は大暴走&ジョー樋口失神という安定の全日クオリティで馬場さんの優勝でしたが、内容はブロディの独壇場。
ドル箱・超ミラクルパワーコンビの本格稼働に向けて、「超獣恐るべし」を強烈に印象付ける御大馬場さん主導の猛烈デモだったと言えるでしょう。
この6年後プエルトリコに散ったブルーザー・ブロディ。その「プロレスラー」の佇まいにちびっ子時代の私は痺れまくっていました。
生観戦できなかったことは心残りの一つ。チェーンブン回して追いかけられたり、狂気の雄叫び「アゥッ、アッ」のコールアンドレスポンスを会場でやってみたかった、今でも幻想の中に生き続けるスーパースターです。
【S49第2回大会:デストロイヤーvsブッチャー】
不透明決着の場合は「両者失格」という超法規的レギュレーションの因縁マッチ。
結果は予想どおり制御不能のノーコンテスト、2人とも本場所チャンカンから追放です。
【S50第3回大会:J鶴田vsボブオートンJr】
昭和47年デビューの同期生対決は、必殺ダブルアームスープレックスで鶴田の勝ち。
それにしてもオヤっさん、息子の毒蛇ランディに激似です。当たり前っちゃぁ当たり前ですが…。
【S51第4回大会:大木金太郎vsブッチャー】
NWA公認レフェリー・ジョー樋口が裁く大流血必至の「頭突き世界一決定戦」。
やっぱり収拾不可能、なぜか美獣・レイスが乱入して大混乱の両リン決着でした。
【S51第4回大会:馬場さんvsバラクーダー(正体・マリオミラノ)】
世界標準の殺人技・ランニングネックブリーカードロップで馬場さんが海賊仮面を撃沈。
ライバル・ブッチャーとの時間無制限同点決勝マッチへコマを進めました。
【S55第8回大会~優勝戦:J鶴田vsディックスレーター】
包帯グルグル巻きの満身創痍という、ファンク一家伝統装束に身を包んだ喧嘩番長・スレーター。
日本におけるキャリアハイマッチは、惜しくも鶴田の頑強ジャーマンの軍門に下りました。
【S56第9回大会:ブロディvsブッチャー】
プロレス界屈指の「オレ様」同士による日本初対決は、ルール無用のプエルトリコ系凶悪流血マッチ。
NWA公認レフェリー・ジョー樋口が速攻でサジを投げての両リン決着でした。
全7試合のラインナップは上記のとおり。
中でも昭和55年の決勝戦・鶴田対ディック・スレーターは全日史に残る好勝負だったと思います。
このチャンピオンカーニバルは80年代中盤に消滅、全日「四天王時代」に復活しましたがその際はアスリート系の耐久消耗戦大会になった感じだった記憶があります。
「今年のメンバーは?」と胸踊らせてシリース予告を見ていた頃が懐かしい、ワクワク感と格式を兼ね備えた春の名物シリーズでした。