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2013/07/24

タイガーマスク #68「幻の黄色い悪魔」

録画した日〔2013/7/19:TOKYOMX〕

封印ギミック「黄色い悪魔=イエローデビル」を米国マットで無断使用されている伊達タイガー。
その正体を虎の穴出身の日本人グリーンボーイ・ケンと断定し、説得のため単身ニューヨークへ乗り込みました。
NYの公園でイエローデビル情報を探る伊達タイガー。
前回#67では渡米の道が一旦絶たれましたが、1週開けたらNYへ緊急単独上陸してたというグダグダ系の顛末です。
ここへ至る馬場さんの急転直下GOサインの経緯は不明。
ジャンボ鶴田に対してもそうだったように、自分が目を掛けた子飼いのエリートレスラーには結構甘い一面があるのかもしれません。
なかなかイエローデビルの尻尾を掴めない伊達タイガーは、地元NYの大物プロモーター・ビッグボースンを表敬訪問。
これはかつて東洋の巨人としてNYを震撼させた“Baba-The-Giant”馬場さんの口利きでしょうか。
なおテリトリー的に、ボースンが仕切るプロモーションは現WWEの前身である「WWWF」と思われます。
しかし困った事に、全米に顔が効くボースンの情報網を持ってしてもイエローデビルの消息は不明。
サンフランシスコで試合を行ったのを最後に姿をくらましているとの事でした。
第三者からしたらどうでもいいこの八方塞がり状態に、ヤリ手プロモーターはさっそく営業モードにシフト。
伝説の「元祖」黄色い悪魔にワンマッチスポット参戦を打診します。
ボースンがブッキングした対戦相手は来日経験もあるスターアポロン
オリジナル殺法・ウルトラタイガードロップを初めて食らった選手として記憶に新しいところです。
なおこのスターアポロン、日本では「南米の血まみれの星」というヒールギミックでしたが、本場アメリカマットでは「2,000の技を持つマットの芸術家」として人気を博しています。
もちろん会場はプロレスの殿堂・MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)。
別件の訪問でありながら請われるかたちで最高峰のリングに上がれるあたり、全米マットにおける伊達タイガーのネームバリュー、ステータスの高さがうかがえます。
ただしNYにおける伊達タイガーの扱いはあくまでもヒール。
日本でどれだけ正統派を貫いても、ニューヨーカーには黄色い悪魔時代の印象が残ったままという事です。
アメリカで「世界8番目の不思議」と崇められながら、極東日本マットではクソガキに生卵をぶつけられていた人間山脈アンドレ・ザ・ジャイアントに近い境遇でしょうか。
自らのスタイルにこだわる伊達タイガーは、理解あるスターアポロンと結託しベビーvsヒールの構図を全否定。ガチガチの正統派スタイルで60分3本勝負を全力疾走します。
結果、ボースンおよびニューヨーカー絶賛のフルタイムドローとなりましたが、一歩誤ればプロレスのメッカNYを敵に回す危険性を秘めた大胆不敵なブック破りだったと言えるでしょう。
降って湧いたワンチャンスをフル活用し、正統派の凄玉として全米再デビューを果たした伊達タイガー。アポロン兄弟に見送られ、日航ジャンボ機で帰国の途につきました。
やっぱりデキる男、持ってる男はひと味ちがう。
もしかすると馬場さんの急転直下GOサインもこのポテンシャルを見越したものだったのかもしれません。
で、肝心のイエローデビルはどこ行っちゃったのか?
番組後半からは案件ごと放置、次回予告を見てもその姿は確認できそうにありません。
そもそもこのパクリ野郎出現にゴチャゴチャ騒いでたのは伊達タイガー1人だけ。
満場一致の「オメェはそれでいいや」、プロレス業界の伝統芸「なかった事」にしてサクッと片付けていいんじゃないでしょうか。