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2014/03/16

ローリング・ストーンズ:ヒストリー1969-1974 ~ミック・テイラー・イヤーズ~

録画した日〔2014/2/2:大人の音楽チャンネルMUSIC AIR〕

ストーンズの黄金期と呼ばれるミック・テイラー在籍時代。
その5年間にリリースされた5枚のアルバムをベースに、評論家やら同業者やらがいろいろ語るドキュメンタリーです。(2010年制作「Rolling Stones - 1969-1974: The Mick Taylor Years」)
ストーンズサイドはノータッチと思われるこのドキュメンタリー。
「メインストリートのならず者」までのテイラー期黄金コンボは大絶賛、しかしその後の2作についてはケチョンケチョンといういかにもな批評家スピリットが大爆発する構成となりました。
なかでも「山羊の頭のスープ」の代表曲・アンジーにいたっては皆んな大っ嫌いらしく、”最悪”という超ハード激辛評価が下されています。
「山羊の頭」以降はストーンズに非ずというのが登場するコメンテーターの共通認識。
せめて「ダーティワーク」以降としてもらえないもんか?
いずれにせよテイラー期の甘い記憶に浸ろうと思ってたファンにとっては思いもよらぬガチンコ展開です。
コメンテーターが吊るし上げた「戦犯」はもちろんミックとキースの2人。
ミックについては1972年のツアーを機にセレブ層と急接近、結果コネがデキて商業的には安定したが音楽的な熱さは失われてしまったとか。
ただミック好きの私としては、新たな芸風が確立された有意義なシフトチェンジだったと思います。
キースにいたっては「終わってる」「結局ブライアンと同じ」などなど散々な言われよう。
たしかに当時のキースから一生懸命さはビタ一文伝わってきませんが、それも含めて不良番長ギミックの一環、不器用な手法のフォア・ザ・チーム精神だったと思いたいところです。
長いキャリアのうちの8割を否定されてしまったストーンズ。「ならず者」の年に生まれた私としては何とも複雑な心持ちです。
逆に言えばそれだけ「ならず者」までの道のりがドラマチックだったという事か…。
まあ、そういう事にしておきましょう。
ちなみに、このドキュメンタリーの表題でもある貴公子・ミックテイラーについては激辛コメンテーター陣もさすがに全員全肯定。
テイラーがいたから黄金期なのか、黄金期にたまたまテイラーがいたのか?
テイラー本人以外は前者の認識であるようです。
テイラーの前所属団体「ブルースブレイカーズ」の主宰者・ジョンメイオール氏もコメンテーターとして登場。
ギター空位期のストーンズにテイラーを斡旋したこの名伯楽は、その才能を評価しつつ「やっぱ合わなかったかなぁ」と教え子の数奇な運命を振り返ります。
テイラー期のたった5年間は、その後のストーンズが40年掛けても超えられない重い重い5年間に…。
製作年(2010年)時点では考えられなかった50周年ツアーへのテイラー参戦は、彼らが40年越しのコンプレックスからようやく解放されたという意味なのかもしれません。

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そんなこんなで東京ドームで遭遇した40年越しの「ミッドナイト・ランブラー」おまけに「シルバー・トレイン」。感涙モノでした。