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2013/04/07

SWITCHインタビュー 達人達(たち) #1「アントニオ猪木x天野篤」

録画した日〔2013/4/6:NHKEテレ〕

大ボラの永久機関・アントニオ猪木がNHK教育テレビ(Eテレ)に乱入すると聞いて録画した番組。
異なる分野の達人2人がお互いのフィールドを訪問しあって交流を深めるコンセプトのようです。
猪木の対戦相手は、平成24年に天皇陛下の冠動脈バイパス手術を手がけた順天堂大教授・天野篤さん。
「神の手」とも崇められるスーパードクターは、なんと熱狂的な猪木信者でした。
しかし本来、猪木イズムとドクター道は交わってほしくないもの。「行けばわかるさ」で手術を敢行し「俺には関係ねぇですから、ンムフフフ」とスカされたんじゃ患者はたまったもんじゃありません。
もちろん天野教授はそんなやっつけスキャンダル路線とは全くの無縁。
「命を削って命を守る」を信条に技術、頭脳、体力等々を超ハイレベルで365日フル稼働させる献身的なスーパードクターです。
繁忙時には1日4試合ならぬ4手術をこなすという神の手。「いつ何時、誰の挑戦でも受ける」系の熱い猪木イズム継承者と言えるでしょう。
番組名Switchのとおり、対談後半は天野教授の手術室から猪木のフィールドであるプロレスのリングへと舞台を移動。
コブラツイストかけたりの名勝負裏話をしたりのプロレス定番ネタはなく、ジャンルのトップ同士による仕事論的バトルに終始しました。
せっかくなら、第1回IWGPの蔵前舌出し失神事件を医学的見地から検証して欲しかった気もします。
この番組における猪木の肩書はプロレスラーでなく「格闘プロデューサー」。
伝説のアリ戦はもちろん、ペールワン一族との抗争、アントンハイセル大失敗、北朝鮮興業、ジャングルファイトなど功罪入り混じったエピソードも堂々カットインしました。
アントニオ猪木こそプロレスの枠を超えた日本エンタメ史上屈指の打ち上げ花火師なのだと再認識です。
終盤にはなぜか初代タイガー・佐山サトルもVTR参戦。
「世間はバカだと思ってるだろうけど物凄く利口な人」と、褒めてんだか貶してんだかよく分からん猪木論をブチ上げてくれました。
手術室と四角いジャングルを股にかけた異色の60分1本勝負は、お約束の「ダァー」でフルタイムドロー決着。
天才レスラー・猪木が最強執刀医・天野教授のストロングスタイルっぷりを存分に引き出した名勝負と言ったところでしょうか。
冷やかし半分で見た私としても、執刀医という職業の凄さ過酷さを知る事ができた有意義な異種格闘技戦だったと思います。