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2013/02/12

新・座頭市Ⅰ #4「月の出の用心棒」

録画した日〔2012/9/20:時代劇専門チャンネル〕

昭和のスーパースター・石原裕次郎が登場。
誰もが一目置く孤高の剣豪キャラですが、なぜか座頭市に弟子入りを志願します。
座頭市をアンマ療治に呼んで「なんでそんなに強ぇんだよ」と質問攻めにする裕次郎。
今さら人に師事を請うポジションではないのに何故なのか?
何と裕次郎は、次第に視力が失われていく病に侵されていたのでした。
状況を察した座頭市は、主にメンタル面を中心に自らの奥義を伝授。
英才教育を受けた裕次郎は、座頭市もビックリのスピードで見えざる戦術を身に付けていきました。
リアルではお互いを「きょうらい」と呼び合っていた座頭市と裕次郎。芸能渡世最強の仲良しツーショットは、微笑ましくも緊張感が漂う圧巻のクオリティです。
裕次郎が抱えるもう一つの難題は、離れ離れになった妹・吉沢京子の事。
宇宙戦艦・ささきいさお(佐々木功)と駆け落ちをしたものの、アッサリ裏切られ女郎屋に身を貶していました。
妹を連れて故郷に帰りたい、そのためには大金が必要。
そんな悩める裕次郎の選択肢は、悪名を轟かせるヒール軍で用心棒稼業をする事しかありません。
一方座頭市は、かつてお世話になったカタギの味方の穏健派ヒール軍用心棒に名乗り。
束の間の師弟コンビは、本意にあらずとも一騎討ちを余儀なくされてしまいました。
そして迎えた全面対決では、裕次郎との「大将戦」に持ち込むまでもなく座頭市所属の穏健派が圧勝。
しかしボスに義と忠を尽くすのが用心棒稼業の不文律。座頭市と裕次郎は、何とも哀しい2人だけの番外編一騎打ちに雪崩込みます。
見えない者同士の斬り合いは、一日の長がある座頭市が裕次郎を瞬殺。
渡世人としてこれ以外の道が無かった座頭市。苦悶の表情のまま一人ぼっちで次の宿場へと旅を続けます。

「けっこう世間は、明るいじゃないかぁ~♪」と、今シリーズの主題歌も担当している裕次郎。
斬られたからといってその商品価値が落ちることは有り得ません。
最高峰に君臨する両雄だからこそ成立する「両雄並び立たせない」余裕のバッドエンド。
前の日にお酒なんか呑みながら「斬られてくんねぇか、きょうらい」「ああイイぜ、きょうらい」ってな具合のホットラインほのぼの会談があったのかも知れません。