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2012/07/07

新・座頭市Ⅱ #10「冬の海」

録画した日〔2012/2/27:BSフジ〕

絵が好きな少女・原田美枝子と座頭市のふれあいを描いたストーリー。
余命1ヶ月の病身である事を隠す原田美枝子。座頭市もやがてそれを知るのですが、2人は海辺の小屋で淡々と最後の時を迎えます。
この#10、脚本をまるごと破棄したエピソードやその撮影手法などが伝説化され、アート系、エンタメ系の全方位から絶賛されています。
監督は座頭市本人。さらには脚本にもクレジットが。
制作、監督、脚本、編集、主演・・・「もう、全部オレがやる」状態になってます。
BGMがクラシック調だったり、座頭市がゲラゲラと笑うシーンが多かったりと、明らかにいつもと違うスタンスで茶の間を圧倒。
やりたい放題の天才・座頭市が、本格的に「仕掛けてきた」作品といえるでしょう。
そんなTVシリーズ屈指の名作に抜擢された原田美枝子。彼女が抜擢されたからこそ生まれた名作と言えるのかもしれません。
抜群の可愛さと直視をためらう儚さ。当時19歳、既に「大女優」の片鱗が伺えます。
座頭市もベタ惚れだったようで、なぜか後年、彼女のヌード写真集のカメラマンを務めたとの事。まあなんともはや自由な漢です・・・。
頭の中を幻想で充満させて臨んだ、大傑作と言われる回の初見。
陰鬱な展開を想定していたのですが、思いのほかほのぼのシーンが多かったと思います。
「期待をはるかに超える」とはいきませんでしたが、それはハードルを異常な高さに設定していただけの事。
1コマも見落とすことができない、評判どおりの大傑作でした。