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2013/03/06

新・座頭市Ⅰ #6「師の影に泣いた」

録画した日〔2012/9/22:時代劇専門チャンネル〕

お母さんの墓参りのために地元(茨城県笠間市)へ帰ってきた座頭市。
剣の師匠である丹波哲郎と久しぶりの再会を果たします。
ボスならぬ「先生」と呼ばれる丹波哲郎は、出世頭である教え子・座頭市と公開スパーを敢行。
しかしフルコンタクト渡世で腕を上げまくった座頭市と、町道場で細々と食いつなぐ先生の間では実力差は歴然です。
悲しいかな、出藍の誉れ座頭市は「片ヤオ」を担いで丹波哲郎の面子をキープしたのでした。
先生とはいえ結局は浪人稼業の丹波哲郎は、安定した生活を求めて就職活動の身。これは足の不自由な妹・柴田美保子のためでもあります。
そして苦労の末ようやく群馬県館林市の役人職の内定通知が届いたのですが、口利き代だの何だので金150両を持参する条件付きでした。
就職が決まった丹波哲郎に負担を掛けたくない妹・柴田美保子は、兄の思いと裏腹に笠間市に残留することを決意。
そのどさくさという訳ではありませんが、なんと昔からの憧れだった座頭市にラブアタック=求婚を仕掛けます。
師匠の妹さんからのまさかのプロポーズに、座頭市はまさかまさかの一発OK。さっそく結婚準備として仕込杖を封印します。
この座頭市の熱い決意に、はるばる笠間市まで追いかけてきたヒットマンもノーサイド侠気返しで立ち去っていきました。
いきなり勃発した座頭市の寿退社問題。
興行主・フジテレビとしては許されない案件ですが、それ以上に師匠・丹波哲郎は大事な妹と渡世人の結婚に絶対反対の大激昂です。
怒りの丹波哲郎の前に、座頭市は嫁取り戦線から速攻で退散。
しかしそんな高潔&妹思いの師匠は、就職の持参金を地元ヒール軍に融通してもらうというGメンのボスとは思えないコンプライアンス違反をカマしていました。
平穏を求めたが故に侍としての矜持を失ってしまった丹波哲郎。自らのルーツでもある「先生」の変貌に座頭市はサヨナラを決意します。
一撃で師匠をブッタ斬った座頭市。これからは自らの手で王道を切り開いて行くしかありません。

お墓参りはできたものの師匠撃沈に婚約破談と、座頭市の里帰りは散々なものとなってしまいました。
マイルールに引っ掛かればそれが師匠であってもブッタ斬る。不幸にするだけなので嫁は娶らない…。
良くも悪くも強すぎる男・座頭市のダンディズムが何とも哀しいストーリーでした。