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2013/01/16

プロレスの星 アステカイザー #20「殺人レスラーの涙」

録画した日〔2012/12/11:チャンネルNECO〕

後楽園ホールで開催された「プロレスリングワールドリーグ出場決定チャンピオン戦」で見事優勝した東都プロエース・ジョー神崎。
この勝利により、新日プロ総帥・アントニオ猪木への挑戦権をゲットしました。
ドレッシングルームで喜びに浸るジョー神崎。
それにしても、この長ったらしいネーミングの大会のコンセプトは?
優勝選手が猪木に挑戦だとは、何とも新日プロらしい「またぐなよ」系の選民思想溢れるインディ食い潰しトーナメントだったのでしょう。
噛ませ犬予選会のくせにチャンピオンベルトも用意されていたこの大会。
どうやら「Asia Heavyweight Champion」と刻印されているようです。各方面いろいろ検索してみましたが、該当するベルトは見つけられませんでした。
#1では伝統の「NWFベルト」をオモチャにしやがったクソガキ向け特撮。今回は、プロレスの星謹製のオリジナルモデルなのでしょうか。

ようやく掴んだ猪木戦に意気上がるジョー神崎のもとに、一騎討ちを要求する招かざる客が乱入。
「キラー熊沢」を名乗る大男は、ドレッシングルームで大暴れ。東都プロボンクラ練習生・ゴローをメッタ打ち、更には大事なチャンピオンベルトをブン投げてジョー神崎を挑発します。
格子柄の上下に豪快な開襟シャツという昭和プロレスのドレスコードを満たした悪役レスラーは、なんと反則技で対戦相手を殺した前科を持つ恐怖の凄玉とのこと。
演じるは前座の力道山・ドン荒川(荒川真)です。
#15ジョージ高野以来の新日精鋭陣ピンスポ参戦。芸達者なドン荒川だけに安定のエンタメクオリティを期待して良いでしょう。
怒れるジョー神崎は周囲の制止を振り切りドン荒川の理不尽挑戦を受諾。近所の神社特設リングでノーレフェリー&ノーピープルマッチを決行します。
立会人はインチキ記者・大泉滉。猪木vsマサ斎藤の巌流島決戦のように「お互いのプライドがルール」といった所でしょうか。
試合は「お互いのプライド…」を全く無視したヒール・ドン荒川が、凶悪暴走攻撃でジョー神崎を大流血葬。哀れジョー神崎は病院送りとなってしまいました。
神社の境内で昼間っから流血マッチを敢行するどうにもこうにもバチ当たりなバカ2人。しかしさらなるバチ当たりがこの抗争を見守っていました。
神聖な拝殿の屋根によじ登って体育座りをしている全身黒ずくめ&カブリモノの男。この不謹慎極まりないバカ野郎は、もちろんブラックミスト軍番頭・サタンデモンです。
神をも恐れぬヒール番頭は、打倒アステカイザー連合軍を結成するかと思いきや何とドン荒川に宣戦布告を仕掛けました。
ドン荒川を人質に取ったサタンデモンは、お得意の電波ジャックで「ATVニュース」を占領。アステカイザーへ公開挑戦状を叩きつけます。
しかし、アステカイザーにとってドン荒川は、ジョー神崎を破壊した憎っくき相手。そんなヒール野郎のためにブラックミスト軍へ乗り込む訳がないのですが…。
サタンデモンの思惑通り、ドン荒川を助けるために戦場(今回は採石場ではなくどっかの砂丘)へ現れたアステカイザー。
何という読みと先見性。アッサリ返り討ちには遭いましたが、狭い狭い「プロレス村」の互助作用を逆手に取ったサタンデモンの巧妙な策略に脱帽です。
そして今回、昭和の茶の間の度肝を抜いたのがお馴染みのアニメ化ムーブ「カイザーイン」です。
腐ったゴミのような作画は相変わらずですが、フィニッシュでは実写のサイボーグ格闘士・クライムバリアンにアニメのアステカイザーが空中殺法をブッ放す超絶テクノロジーが披露されました。
10年後公開のハリウッド映画「ロジャーラビット」は、このカイザーインへのオマージュと思われます。
ヒールレスラー役としてほぼ出突っ張りだったドン荒川。
憎々しい悪党風情とラストで見せた人間的脆さのコントラストはさすがの演技力、#15のジョージ高野とは雲泥の差と思ったんですが、何とセリフは「吹き替え」でした。
扱いとしてはアニメキャラ、ぬいぐるみと同格だった事になる前座の力道山。しかし負けるリングには上げさせない、プロレスラー幻想を傷つけない演出として賢明な選択だと思います。
なお、神社で病院送りにされて宿願の猪木戦もアッサリ剥奪された悲劇のエース・ジョー神崎のフォローは全く無し。次回元気に登場してくれるのでしょうか、ちょっと心配です。