録画した日〔2015/4/9:スカチャン1〕
サンフランシスコ・リーバイススタジアム(Levi's Stadium)で開催された年間最大のPPV。
4時間に渡る巨大イベントを締めたのは小物ヒール・セスロリンズでした。
レスナーvsレインズのなんと「試合途中」にマネーカバンを行使したロリンズ。
これにより王座戦は三つ巴形式に変更。難攻不落の王者・レスナーではなく勝手知ったる同期生・レインズからピンを取るという、してやったりの計算高い戴冠劇となりました。
レスナーは負けずして王座陥落。無論この結果で存在価値が落ちるはずはなく、ベルトの手放し方としてはベストと言えます。
近ごろはベビー/ヒール超越の絶対王者っぽい存在となっていましたが、これでひとまずベビーターンとなるのでしょうか。
割りを食ったのは、本来ならここでベルトを巻くはずだった(?)レインズ。
いろいろ手を尽くして臨んだ本番でもゴリ押し臭は消えないまま。
何かにつけてお客さんからブーイングを食らってしまう過酷な祭典となってしまいました。
レインズはつくづくお気の毒だったものの、それ以外は実に理に適った今回のベルト移動。
ヘタレヒールがトップに座ったことにより今後はWWEの王道であるアホバカ系の王座戦線が期待できます。
まずは翌日のRAWで何が起こるのか?
とくに無冠の帝王となったレスナーはぜひとも顔を出してほしいところです。
①IC王座ハシゴ戦
ハイテンションで繰り広げられたオープニングマッチは、人気No1のダニエルブライアンがドルフジグラーを競り落としてIC王座初戴冠。
7万のお客さんは快心の「Yes」連呼。いい天気も手伝って文句なしのキックオフです。
②セスロリンズvsランディオートン
カーブストンプをハネ返しての空中捕獲超高角度RKOという、爽快極まりないフィニッシュでオートンが激勝。
ラストに大仕事が待ってる敗者・ロリンズですが、このRKO受けこそこの日一番の仕事だったのではないでしょうか。
③トリプルHvsスティング
WWEvsWCWのイデオロギー抗争は、DX(=HBKマイケルズ、ニューエイジアウトローズ&Xパック)とnWo(=超人ホーガン、ナッシュ、ホール)が乱入するというとんでもない事態に。
さらには勝ったトリプルHがスティングとノーサイドの握手という超展開まで勃発。この日だけで終わってほしくない超豪華お祭り越境OB会となりました。
④ベラ姉妹vsページ&AJリー
序盤に置かれたため休憩タイムにすらならなかった不毛なディーバタッグ戦。
勝ったのはベビーフェイスのAJリー組ですがこの先の展開は未確定。客席のロンダ嬢(=UFC女子王者)が乱入してくれたら神展開だったのですが…。
⑤殿堂者集合
超大物・アーノルドシュワルツネッガーやケビンナッシュらとともに紹介された日本人2人目の殿堂者・ドラゴン藤波。
おめでたいのはともかく、前夜のお披露目パーティで噛まずにスピーチできたのかが気掛かりでなりません。
⑥US王座戦:ルセフvsジョンシナ
激アツ愛国プロモにもかかわらずお客さんから「Booo!」チャントを食らってしまったシナがロシア軍をとりあえず粉砕。
敗れたルセフはなんとラナ嬢を大バッシング。これをもってコンビ解消だとするなら悲しすぎます。
⑦COO夫妻vsロック様+UFC女子王者ロンダ
異色ミックスドユニットが悪のCOO夫妻をギャフンと言わせる勧善懲悪コント。
ゴロンゴロンとバンプを取りまくった夫を差しおいて侠気を見せてくれたのは嫁・ステファニー。「ここのリングは四角形よ!」とオクタゴン最強女王にWWE魂を注入です。
⑧アンダーテイカーvsワイアット
バージョンを“22-1”として年一のアップデートを済ませたテイカー。
一方お気の毒なのは、今年に入って延々と1人芝居でプロモーションをやらさられたワイアットのデブ大将。まあ、本人もそれなりに楽しそうだったのでこれはこれでハッピーエンドなのでしょう。
懸念事項山積で全く期待してなかった今回のレッスルマニア。
しかし始まってみると見どころ満載、あっという間の4時間でした。
MVPは76,976人超満員のリーバイススタジアムか…。
あの抜けるような青空を見たら誰だってテンションが上がるってもの。会場の空気こそプロレスの最重要エッセンスなのだという事をあらためて感じた次第です。