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2015/05/02

WWEスマックダウン #817

録画した日〔2015/4/27:JSPORTS3〕

前回RAWにつづいての英国O2アリーナ大会。
US王者・ジョンシナの「オープンチャレンジ」はこの日も続きます。
意地悪なロンドンっ子による「John Cena Sucks♪」大合唱におののくことなく闘う王者ギミックを全うする優等生シナ。
ライバルのルセフはこの日お休み。ロンドンをヨイショしつつPPVまでのつなぎ役となるロッカールーム雑魚連中の登場を待ちます。
シナの呼びかけにのこのこ出てきたのはセザーロとタイソンキッドのタッグ王者チーム(withナタリア)。
WWE史上最高の王者はオレたちだと豪語するこのスイス-カナダ越境軍はなにかにつけて「マジだぜ」を連呼。「Yes」みたいに流行らせたい魂胆なのでしょうか。
そこに登場してきたのはその「Yes」ブライアン。
ICベルト抗争相手のウェイドバレットは母国巡業で期間限定ベビーターン中。よって、同じくライバル不在のシナとの王者タッグが実現する運びとなりました。
大関ポジションに元横綱のシナとブライアンが配置されている現状。これがほんとに適材適所なのかはやっぱり疑問です。
ルセフ、バレットをある程度引き上げたら、2人ともまた最前線に戻ってきてほしいものです。

<メモ>
  • 仲間割れしたミズとミズドゥ、次回RAWで決着戦
  • PPVシェイマスvsドルフジグラーは「ケツにキス戦」に(詳細不明)
  • 原点回帰のファンダンゴがアダムローズと似たようなバカ同士夢のシングル戦

プロレスクラシック(49) Mr.プロレス ハーリー・レイス特集

録画した日〔2014/4/14:日テレG+〕

昭和57年秋のジャイアントシリーズからピックアップされた6試合。
「Mr.プロレス」ハーリーレイスはUNヘビー級王者として参戦しました。
おなじみのトリコロールジャージでキメた美獣。10.24北見大会では前王者ジャンボを迎え討ちます。
UNタイトルは8.1後楽園で奪取。
日テレインチキ実況陣によると、それからここまでディックマードック、ディックザブルーザーという屈指の猛者相手に防衛を重ねてきたとの事です。
一方、虎の子ベルト奪還に熱く燃えるジャンボ。
昭和57年はパンツを黒に買い替えたり、ルーテーズからヘソ投げ式バックドロップを習ったりと後の「怪物化」へ布石を打った重要年。
しかし、ここでレイスを倒さなければ無冠での年越しが決定してしまいます。
そんなベルトへの思いの差が出たのか、レイスはジャンボの空中胴締め落とし(ルーテーズ直伝)で王座陥落。
ジャパニーズローカルタイトルで屈辱の3ヵ月天下。世界最高峰NWA戴冠6度のMrプロレスとしては痛恨の取りこぼしです。

UN陥落から2日後の帯広大会、気分一新のレイスはチャレンジャーとしてPWF王者・馬場さんと対峙しました。
実はジャンボ戦は叩き台、美獣の真のターゲットは馬場さんのクビだったのでは?
両雄12年来の因縁抗争を鑑みると昭和プロレスマニアの妄言と一概に片付けることはできないでしょう。
試合終盤、馬場さんの32文ロケット砲を交わしてノッソノッソとコーナーポストを登るレイス。もちろん登頂を待ってた馬場さんにデッドリードライブでビターンと叩き付けられて大の字バンプです。
ジャンボとのUN戦では見られなかった王道ムーブ。こんな所からもこの一番に賭けるレイスの本気度が見て取れます。
執念の美獣は馬場さんの河津掛けをスカすとなんともう一度トップロープ最上段へ。
そして今度は超高角度ダイビングヘッドをズバリ成功させ、馬場さんが3年8ヶ月守り続けたPWFベルトをついに強奪しました。

狙った獲物を一発で仕留めた美獣は、最恐夫人・イボンヌさんも観戦する11.2愛知県体育館で威風堂々リターンマッチを敢行。
トリコロールジャージにPWFベルトは実に良く映えます。
愛知県体育館といえば、レイスにとっては昭和54年にNWA王座を奪取されたゲンの悪い会場。その時の相手はもちろん馬場さんでした。
そんな幾多の因縁渦巻く2人ですが、実況の倉持アナに「私生活では親友どうし」とあっさりネタバレをカマされるなど和気藹々ムードが漂っているのも事実です。
デッドリードライブ芸こそ出なかったものの、パイプ椅子取り合いやレイスの意味不明逆立ちバンプなど味わい深い攻防が展開されるリング上。
王座移動から即リマッチとくればベルトは元サヤというのが昭和プロレスの鉄則。そんな予定調和ムードも相まって会場はほんわかと盛り上がっていたのですが…。
馬場さんの奪還路線をブチ壊したのはもちろんNWA公認レフェリー・ジョー樋口。
例によって不可解なポジショニングを取るジョーは、もみ合いの中馬場さんの水平チョップをアゴの先端に食らってしまいます。
そして馬場さんの悲劇はこれにとどまらず、ジョーの100倍信頼できるサブレフェリー・和田京平までもがレイスとごっつんこして失神してしまいました。
レフェリー不在の無法地帯でもみ合う両雄。頃合いを見て目を醒ましたジョーのジャッジはもちろん「両者反則」です。
馬場さんの、というより全日本プロレスの至宝がまさかの海外流出。奪還は翌年の2.11セントルイス大会まで待つこととなります。

このジャイアントシリーズの看板はレイスではなく超獣ブルーザーブロディ。
4月にドリーファンクJrを粉砕してインターヘビー王座に返り咲き、10.20青森大会では挑戦者に若手のホープ・天龍を迎えました。
大ボラ倉持アナによれば今回の天龍抜擢は「ジャイアント馬場の大英断」だとの事。
ブッカーとしての責任なのか馬場さんはなんとスウェット姿で天龍のセコンドに。当時まだまだアマちゃんだった「Mrプロレス」天龍にとっては実に心強い援軍です。
社長の全面バックアップに意気揚がる天龍。しかし馬場さんはゴング直後にとっとと本部席へ移動。椅子にふんぞり返って戦況を見守ります。
そんな馬場さんの適当っぷりを知ってか知らずか天龍は大健闘。
思わぬ苦戦を強いられたブロディのフィニッシュは超獣らしからぬ逆さ押さえ込みでした。

インターベルト防衛とともに今シリーズの超獣に課せられた重要タスクは、4.22東京体育館で仲間割れしたジミースヌーカとのけじめマッチ。
因縁のシングル初対決は11.2愛知大会で実現しました。
ブロディとの仲間割れ直後、あっという間にニューヨークWWFのドル箱スターへと伸し上がったスーパーフライ・スヌーカ。
今や稼ぎだけで見ればブロディやレイスより格上、昭和外人レスラーのステータス「シリーズ終盤特別参加」として半年振りの来日です。
試合はどちらも傷付かない体裁で6分弱のノーコンテスト決着。
当時クソガキだった私にとっては「スヌーカがかわいそう、みじめ」という印象。
しかし、盟友の立身出世を見届けたブロディの感慨やWWF看板を強引にブッキングした馬場さんの政治力など、ポジティブネタ満載のドリームマッチだったと言えるでしょう。

11.2愛知大会に登場したニコリボルコフ&ドリームマシーンの屈強タッグ。
後のWWE殿堂者でもあるロシアの白熊・ボルコフはソ連じゃなくて旧ユーゴ出身。プロレス史上屈指の「いい人」として有名です。
ボルコフ組の対戦相手はドリー&鶴田。
根っから「いい人」のボルコフは日米師弟コンビの卑劣な恥ずかし固めにもしっかりバンプを取ります。
それにしても気になるのがコーナーに控える謎の覆面・ドリームマシーン。ヤツはいったい何者なのでしょうか?
ドリームマシーンの正体はあのケンドーナガサキである模様。ネット情報を見るまで私はずっと外人レスラーだと思ってました。
ケンドーギミックを封印した理由は不明。
何だかもったいない起用法ですが、幾多のガチ伝説、規格外エピソードを誇る凄玉だけに全日サイドがその牙を折る一種の防衛策だったのかもしれません。

そんなナガサキも恐れおののいたであろう「KING」「ハンサム」ハーリーレイス。規格外のトンパチエピソードは数知れません。
最高峰NWA戦線から一歩下がっていたこのころ。信頼する馬場さんのもとでお客さんからもリスペクトされ、日本マットはかなり居心地が良かったのではないでしょうか。
いまだNWA幻想に憑かれている私にとってレイスモデルこそ世界最高峰の証。ハンサムかどうかは知りませんが永遠のKING、Mrプロレスです。

2015/04/30

太陽にほえろ!【最終章】#718「そして又、ボスと共に」(最終回)

録画した日〔2015/4/16:日テレプラス〕

14年にわたって放送された名作ドラマの最終話(放送日:S61/11/14)。
結果的に石原裕次郎の遺作となってしまいました。
七曲署「捜査一係」のド真ん中にポジションを取った西部警察・大門。
タレサンなしのマジメ横分けスタイルで、番頭格・地井武男(トシさん)と現場教育係・神田正輝(ドック)に指示を与えます。
大門は病気療養に入ったボスの代理として4ヵ月前(#706)に赴任。
全世界公認の裕次郎イズム正統後継者だけあり、驚くほど自然なボスっぷりで個性派揃いの捜査一係を牽引します。
ヤマさんやゴリさんはもういない終焉期の七曲署。
現場を走り回るのはコネ1本のお天気野郎・石原良純(マイコン)や、欽ちゃん軍から抜擢された西山浩司(DJ)などのフレッシュな面々です。
ちなみにDJが赴任したのは大門と同じ日。つまりボスとはここまで一度も顔を合わせていません。
最終話のストーリーは、何者かに銃撃拉致監禁された又野誠治(ブルース)を一係が全力捜索するというもの。
ブルースは赤ちゃんが生まれたばかりでこの日は奥さんの誕生日。
そんなビンビンの殉職フラグを払拭すべく、我らがボスがついに立ち上がります。
全国1億2千万がお待ちかねのボス復活は放送開始15分過ぎ。薄暗い部屋に1人佇み、ドアを開けた大門へ小粋なご挨拶を投げました。
いわばケガの功名で奇跡的に実現した七曲署でのボスvs大門ツーショット。転んでもただでは起きない、これぞ日本最強エンタメ軍団の真骨頂ではないでしょうか。
ボス参戦でますます士気が上がる捜査一係。
カメラ側を空けたデスク囲みミーティングなどの定番ムーブも復活し、容疑者は徐々に絞り込まれてきました。
こうして参考人として浮上したのは容疑者の妹。
真面目な看護師さんという事もあって現場は追求を自重気味でしたが、ボスは「かまわん、連れて来い」とトップダウン。ブルースのためリスク承知の大勝負です。
聴取はまずトシさんが担当。兄の居場所について頑なに口を閉ざす妹に対し灰皿をひっくり返して激昂してしまうトシさん。
するとオブザーバー的立ち位置だったボスが勇躍ポジションチェンジ。ここから、後に伝説へと昇華する入魂ラストメッセージをブチ上げます。
「怖い刑事だねぇ、あの人。机叩くなんて野蛮だよなぁ」とトシさんを軽くdisったボスは「いやぁねぇ、オレはねぇ、4年前にさぁ、心臓を切った大手術をしたんですよ」とリアルな告白。
そしてトシさんが忘れてったタバコを手に「吸っちゃおかなぁって思ってんだけど♪」と、看護師である容疑者妹の前で医師の禁煙令をブチ破るモーションを仕掛けます。
「良くないんだろ?」と聞きながら「ちょ、ちょっとだけ♪」とお茶目にタバコをふかし、ゲホッゲホッと苦しく咳き込んでしまったボス。
果たしてこれはドラマなのかリアルなのか…。
最強スターにまさかのシュートマッチを仕掛けられた無名女優(?)桂田裕子さんはこの時点で完全に戦意喪失です。
おいしそうに一服したボスは「いやぁー、はぁ、あぁ、なんせ5年ぶりですからね…」「でもイイもんだねぇ、へへっ」とニンマリ。
この2分近くのタバコ芸はあくまで前フリ。事情聴取というアングルを借りたボスの伝言はここから本題へと突入します。
ガチガチの桂田さんの背後を取り「命って奴ぁ何にも代え難く、そしてこう、重い。大切なものだ」と静かに語るボス。
そして「そうだなぁ、あれもう何年になるかなぁ」「僕の子分で、背の高い、ちょっとキザなね、スコッチっていう男がいたんだよ」と現実でも早逝してしまった部下・沖雅也のエピソードを語り出しました。
「ここ一番て時に吐血してねぇ」「口の周り真っ赤にして死んでった」はドラマの上でのスコッチの話。しかし沖雅也の最期を知っている茶の間はこれをリアルなものと受け止めたでしょう。
さらに「部下の命はオレの命」「命ってのはほんとに尊いもんだよね」と続けたボス。
後付けと言えばそれまでですが、ボスはこの時すでに自分に残された命を測っていたのかもしれません。
「もうやめたほうがいいね」「じゃあ、もう一服ね、いやぁ、もったいねぇな…」と満足そうにタバコをもみ消してボスの取り調べは終了。
ちなみに完全に置き物状態の桂田さんは「(兄の居場所は)横浜です」とこの後即効ゲロってしまいました。
7分近くに渡ったボスのひとり語り。最後のセリフは「ありがとう」でした。
結果としてラストメッセージとなってしまったわけですが、リアルタイムで見ていた人からすればこの後1年経たずして起こる出来事などさすがに知る由もなし。
ともすれば「粋なアドリブ」で終わっていたかもしれない、時間に磨かれた不滅の名場面です。
事件はここから急展開して無事解決。幸いにもブルースが殉職することはありませんでした。
なお翌日にはさっそく七曲署管内で人質事件が勃発。
完全復帰のボスは「はい一係」「人質ぃ!?、ちょっと待って下さいよ♪」とラーメン屋の出前受けのような軽いノリでこれを部下に丸投げします。
そして現場に向かう部下達を頼もしげに見送るボス。
これは七曲署の日常風景。いかにも「To be continued」的なエンディングですが、この定番シーンのみならずボスの勇姿までもがこれにて見納めとなってしまいました…。

ボスの伝説シーン目当てで初めて見た最終話。ちょっと気になったのはプリミティブでカッコいい例のテーマ曲がいわゆる「打ち込み」系の安っぽいノリに改悪されてしまっていた事です。
ネット情報によるとこれはボス休職&大門参戦のタイミング(#706)で行われたそう。ボス不在という未曾有の事態が迷走を招いちゃったのでしょうか…。
「太陽にほえろ」の金曜夜8時は私にとって新日「ワールドプロレスリング」のゴールデンタイムでした。
よってあまり見た事はないはずなんですが、そのノリや世界観は一般常識のように身に付いている感じ。
歳を取ったオッサン目線で見るとボスのスリーピース&ストライプシャツの着こなしがなんとも堪りません。
ボスなくしては成り立たないTVドラマの金字塔。8月の休職から4ヶ月あまりでの最終回=打ち切りは妥当な決断だったのでしょう。
自らの意志によるエモーショナルな幕引き。もう出来過ぎなくらいとにかくボスは最後の最後までカッコ良かった…。昭和最強のレガシーです。