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2014/01/03

ワールドプロレスリングクラシックス#252「前田日明特集」

録画した日〔2013/2/16:テレ朝チャンネル〕

スパークリングフラッシュ・前田日明のタッグマッチ3本。
うち2本は昭和61年12月11日「ジャパンカップ争奪タッグリーグ戦」最終両国大会からのものとなります。
優勝戦進出をかけた同点エクストラマッチ。
格闘王の眼前に、狂犬・ディックマードックと流星仮面・マスクドスーパースターの「ダブルバイオレンスランデブー(命名:古舘伊知郎)」が立ちはだかりました。
ブックは預けてやるけどヘタなことすんじゃネェぞ、的な威圧感をプンプン漂わせる恐怖のナチュラルファイター2人。
UWFの流儀としてメンチを切りまくる27歳若大将の舵取りは、パートナーのいぶし銀・木戸修に一任されます。
ただ実際のところ外人レスラーを相手にした前田はいつもおとなしめ。
あんまり燃えるものが無いのか、木戸修がマードックの垂直落下ブレーンバスター(予告付き)でブン投げられるシーンもエプロンサイドからクールに見守るだけです。
垂直落下被弾によりグロッキーの木戸修を一旦放置し、ローリングクラッチホールドで流星仮面を丸め込んだ前田。
そのU系らしからぬ軟弱フィニッシュとミスター高橋の微妙な3カウントは、トンパチ外人タッグへのささやかな気配りでしょうか。
いずれにせよU代表・前田&木戸がジャパンカップ優勝戦進出を勝ち取りました。

インタバル1試合(藤波&武藤vsポーゴ&ナガサキ)を挟んで強行される優勝戦。
後に月1興行でプレミア感を醸し出すUWF軍2人からすれば何とも面倒なこの日2試合目。絶対に崩れない木戸修ヘアー以外はちょっとくたびれた感が漂います。
ビッグタイトルを争う相手は猪木&藤原の師弟コンビ。
しかしここで大問題なのが、藤原喜明はバリバリの現在進行形UWF戦士であるという事。この優勝戦、猪木以外は前田の身内という極めてイビツなアングルが施されていました。
前田はもちろんお客さんにとってもミステリアスな1対3の構図。とは言え、例によって確固たる答えは用意されていないであろう猪木マジック。
そんな中で見えてくるのは、猪木が前田とのコンタクトを避け気味であるというシチュエーションです。
ジャパンカップよりも猪木のクビが欲しい前田は、マードック組にはあまり見せなかったガツガツ攻撃を披露します。
煮え切らないグループ総帥に渾身のブッタ斬りソバットを叩き込む子会社の若旦那。プロレスならではの超過激な連結関係と言えるでしょう。
クライマックスでは猪木が必殺卍固めで木戸修を捕獲。
ここでキーマン藤原は前田を封じ込める猪木援護のカットプレーに終始。Uの仇敵と禁断のジャパンカップ戴冠です。
かといって怒りの前田と謀反の藤原によるUWF内紛が勃発する気配もなし。
「アントニオ猪木なら何をやっても許される」を内外に知らしめる、落とし所なき不毛な闘魂劇場でした。

ジャパンカップの3年近く前、昭和59年2月9日の大阪府立体育館。後の敵味方猪木/藤原/前田の3人が仲良くトリオ結成です。
そしてここでの主役は雪の札幌で長州を襲撃したばかりの前座レスラー(当時)藤原。
気の荒い浪速っ子は勃発ホヤホヤの因縁アングルにゴング前から沸点到達。リングに生卵を投げつけるなどの無法行為で、遅れて来た「テロリスト」を大歓迎しました。
見境なく暴走する浪速のお客さんとそれを御したいリングアナ・ケロちゃんの超激怒キンキン声により、ゴング後もカオス状態が続く超満員9,000人の大阪府立。
しかし心臓に毛が生えたレスラー連中はこの異様ムードなどどこ吹く風。
太鼓の達人でもあるプロレスアナーキー・維新軍(長州/アニマル浜口/谷津)は、売り出し開始のテロリスト藤原へそつなく集中攻撃を敢行します。
盛大な藤原プッシュ試合は、札幌で依願退職したはずのドラゴン藤波がリングインするなど今後の展開に期待が膨らむ灰色決着となりました。
ちなみにかなり影の薄かった前田はこれが新日社員として最後のお仕事だったとの事。
3月のWWF出張(ナゾのインターヘビー王座戴冠)を経て、4月に「万里の長城」第一次UWFへ重役待遇で出向する流れとなります。

前田以外がスポットのタッグ戦という興味深いシチュエーション。
特にジャパンカップの昭和61年はセメントマッチ・アンドレ戦、ベストバウト・藤波戦、格闘王襲名・ニールセン戦などシングルで強烈な足跡を残しているだけに、なおの事そのプロレス的ユルさが際立ちます。

もちろんいずれの試合も及第点以上なのですが、前田日明を普通のプロレスラーと同じ括りで見る意味は特に無し。
あくまでレア物のお宝マッチとしてニヤニヤ楽しむのが正しい鑑賞法なのでしょう。

2013/12/29

WWEロウ #1073

録画した日〔2013/12/28:JSPORTS2〕

PPV「TLC」の結果を受けてのダラス大会。
2大王座を統一したランディオートンが、オープニングで戴冠報告会をブチ上げました。
威風堂々、歴史ある2本のベルトを掲げる統一王者。
シナやブライアンといった直接のライバルからマレラ、ファンダンゴ、ワイアットファミリーといった問題外&別路線組まで、ロッカールームの全選手をエントランスに侍らせる超VIP待遇です。(なお、我らがヨシ・タツの姿は確認できず…)
レスラー仲間をコキ下ろすオートンに黙っていなかったのは、前日一敗地にまみれたジョン・シナ。
「演説がヘタ…」とそれは言っちゃぁいけないシュートなカットインを敢行しました。
その上であくまで負けは負けと自らの立場を解釈するフェアな前世界王者は、オートンに対し会場人気No1・ダニエルブライアンとの一騎打ちを強要します。
初防衛戦を金的ローブロー反則決着でブチ壊し、なりふり構わずベルトを守った王者オートン。
悶絶ブライアンを介抱するシナにも姑息なRKOを炸裂させるなど、戴冠早々2大王座の価値に泥を塗ってしまいました。
この日はオートンのヘタレっぷりを重点にしたストーリー。悪のCOO・トリプルH夫妻は、取り敢えず新王者寄りのスタンスでした。
しかしそもそも、予定外のブライアン戦を最終決定したのはこの2人。
トリプルHが随所に見せた顔芸も含め、新展開への準備は着々と進んでいるのでしょう。

<メモ>
  • 不遇のテンサイ、フォンクサウルスに本格的に潰される
  • ダミアン・サンドウがクリスマス中止を宣言