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2012/08/18

ジャイアンツタイムマシーン(30)巨人vs阪神特集part1

録画した日〔2011/12/30:日テレG+〕

1973~80年にかけての”伝統の一戦”を特集したアーカイブ番組。
全7戦、すべて後楽園球場で行われた試合となります。
私としては80年代以降、特に'85猛虎フィーバー・バース&掛布&岡田の試合が見たかったのですが年代的にカットされた模様。
それでも、王選手のベーブ・ルース超え715号や怪物・江川の初登板など、プロ野球史に残る出来事が盛りだくさんの巨神戦です。

【晩年のミスター】
V9ラストイヤーの1973年10月。
我らがミスターは打率2割6分という低迷状態でしたが、日テレアナの「天気のいい日は打つ」というオカルト妄言に乗っかって3打点の大爆発です。

【昭和の風景】
逆転満塁アーチをレフトスタンドに叩き込んだ、生粋のホームランアーチスト・田渕。
歓喜の田渕に並走するのは、真っ白な開襟シャツが眩しいどっかのオッサン。21世紀、平成の世ではあまり見られなくなった懐かしのお約束ハプニングです。

【主役食いの監督・ミスター】
1976年6月、いぶし銀の5番末次が逆転サヨナラホームラン。
就任2年目のミスターは、カール・ルイス並みの猛スピードでホームベースに到着。殊勲のヒーローを迎えます。
結果、カメラマンから完全無視を食らう事になった主役・末次選手。相手がミスターではどうにもならんという所でしょうか。

【懐かしの後楽園フォント】
1976年10月10日-11日、世界の王選手がベーブ・ルース超えの714&715号をリーチ1発ツモで達成。
後楽園球場のオーロラビジョンは、渾身の技術で王選手を祝福します。
メイリオも丸ゴシックもなかった時代、温もりのある美しいメッセージです。

【怪物・江川、ホロ苦デビュー】
プロ野球史上最大級の問題児・江川が1979年6月に初登板。結果は猛虎・ラインバックに一発ブチ込まれての黒星スタートでした。
試合後、江川は緊急記者会見を挙行。新しい疑惑発覚かと思いきや、ホントに単なる初登板報告記者会見だったようです。
こんな場面からも、怪物・江川が持つ規格外のニュースバリューがうかがえます。

【王さんアシストで、江川初完投】
1979年8月、ライバル掛布に一発食らったものの、王選手の827号(!)で怪物・江川はプロ入り初完投をゲットします。
日本最強ベビーフェイスの王さんと当時の最強ヒール・江川が並んだお立ち台。
江川の公開禊ぎに見えるのは気のせいでしょうか。

【江川vs小林、因縁の初対決】
空白の1日関連で退っ引きならない因縁が勃発した江川と小林繁。
1980年8月に後楽園で実現した雨中の初対決では、江川が自ら勝ち越し打を放つという超展開で圧勝しました。

               

相変わらずオッサン殺しの充実コンテンツ。
この番組、「Part1」とあるんですが「2」が放送された形跡はありません。高齢化社会で需要はあるはずなので、ぜひとも続編を制作してほしいです。

WWEスマックダウン #676

録画した日〔2012/8/13:JSPORTS2〕

冒頭にオーナー・ビンスマクマホンが登場したインディアナポリス大会。
ビンス参上の理由は、スマックダウンの新しいGMを発表するためです。
御大ビンスは、全然もったいぶらずに新GM『ブッカーT』を発表。
私にとっては「?」な人事。最近は”ながら見”ばかりだったので、伏線を見落としていたのかも知れません。
とにもかくにもおいしいポジションに收まったファイブタイムチャンピオン。
私がWWEを見始めた頃に勃発した、ストーンコールドとのスーパーマーケット&教会での鬼ゴッコ大会は、アメプロ史に残る面白コントです。
綺麗な奥さんを引き連れての「キング・ブッカー」ギミックも秀逸でしたが、いずれもヘタレヒールポジションでの活躍。
今回も当然、ヒールターンしてアホバカGMを襲名してくれるもんだと期待しています。

<メモ>
  • テンサイが久々の日本語アピール。日本人も含め全世界がヒアリング不能状態に
  • 元GMテディロング、ブッカーTの上級顧問に就任
  • 精神的に落ち込んでるダニエルブライアン、「NO」Tシャツを着用

新・座頭市Ⅲ #24「おてんとさん」

録画した日〔2012/4/12:BSフジ〕

ご来光を拝めば目が見えるようになるという信仰の金山が舞台。
一縷の期待を込めて、座頭市もこの山の登頂ツアーに参加します。
「目開き手ぬぐい」という不謹慎極まりない信仰グッズを巻いてはしゃぐ座頭市と、それを冷たく諭す地元の大姉御・太地喜和子。
実はこの山では、登山に赴く盲人を掘削夫として強制労働させる悪の組織が暗躍していました。
太地喜和子は、組織のボス・藤岡重慶の妾ですが、その無慈悲なやり口には否定的なスタンスを保っています。
太地喜和子のアシストもあり、強制労働を抜け出してご来光まで辿り着いた座頭市。
しかし、そこには一緒に登頂を目指したおじいちゃんとお孫さんの亡骸が…。藤岡重慶一味による凶行です。
そして当然、座頭市の目におてんとさんが映る事もありませんでした。
怒りの座頭市は緊急下山して悪の組織を壊滅しますが、造反者・太地喜和子は既に抹殺されていたというバッドエンディングでした。

希望に縋る目の見えない人達を騙して強制労働させるという、座頭市史上最悪とも言える非人道的シチュエーション。
今の基準では放送できないであろうキツい話ですが、似たような案件は大なり小なり世の中に存在し続けているはずです。
「目を瞑っちゃぁいけねえよ」という、渡世人・座頭市からのシビアなメッセージとして受け止めたいと思います。

新・座頭市Ⅲ #23「不思議な旅」

録画した日〔2012/4/11:BSフジ〕

ブッ飛んだ物乞い娘・原田美枝子と出会った座頭市。
2人は昭和の茶の間を置き去りにして、アバンギャルドなマジカルミステリーツアーを展開していきます。
原田美枝子の得意技は、なんと「変身」。
冒頭のブッ飛び娘から、怪しいカルト系女子、美しい三味線弾きと、グレートムタ級のメタモルフォーゼを3パターン披露します。
自分は座頭市の娘という、禁断ネタも仄めかす原田美枝子。
この不思議ギミックでリアリスト・座頭市を完全に掌握し、亡き母の仇である小林昭二(仮面ライダーオヤっさん)をメッタ斬りにするシナリオを完結させました。

大傑作「新/Ⅱ/#10冬の海」以来のタッグ結成となった2人。
サイケかパンクかプログレか、見る人を選ぶ仕掛け&謎掛け満載の難解ストーリーを繰り広げます。

そんな2人のマジカルミステリーツアーを引き立てたのが、いつもと違うシンセ調の音楽。
後のグラミー賞アーティスト・喜多郎のファーストアルバムを抜擢していました。
TVシリーズ終焉前にまたまた「仕掛けてきた」監督・座頭市。
勧善懲悪ネタが好きな私にとっては、2、3回見直せば理解できるかな?という敷居の高い作品だったと思います。
残り3話、有終のメッタ斬り祭を期待しましょう。

タイガーマスク #20「「虎の穴」の影」

録画した日〔2012/8/17:TOKYO MX〕

HDD録画中の停電(?)で、前半10分ほどが欠落していました…。
しかしWeb等であらすじを確認したところ、伊達タイガーがハウスのガキ共と遊園地に行くという、剛健・日プロイズムの欠片もないクソ展開だった模様です。
アトラクション”オバケ電車”からなかなか出て来なかった伊達タイガー。
ハウスのクソガキは「チキン野郎」と罵りますが、何と実は、車内で絡んできた虎の穴の刺客2人を素手で撃沈してきたためでした。
涼しい顔で人を殺める伊達タイガー。やはりシューターとしての資質は侮れません。
それにしても、親子連れで賑わう遊園地までも伊達タイガーを追いかけるミスターX(しかも正装)。
使えないポンコツ野郎であることに変わりありませんが、その泥臭い営業スタイルにはちょっと共感が持てます。
毎度なかなか結果を出せないミスターXでしたが、今回はアトラクション”スカイロケット”の誤操作を誘発して伊達タイガーの左腕を破壊するという上々の成果を達成しました。
虎の穴支部に戻り、ドヤ顔で出張旅費を精算する姿が目に浮かびます。
そして手負いの伊達タイガーは、遊園地でケガしたなんて言えるはずもなくブラックジャガー戦に強行出場。
「オレには右手があるさ」と気持ちを切り替え、破壊王・橋本真也ばりの袈裟斬りチョップ連発で見事メイン戦を勝利で飾りました。

前回#19の買い物ドタキャン未遂に続いて今回は遊園地で負傷という、人間魚雷・テリーゴディ並に自己管理が甘い伊達タイガー。
しかし、何だかんだ言って確実に結果を残していくあたりは日プロ次期エースの資格充分です。
ヤンチャ、トンパチほど出世するプロレス界。いちいち目くじらを立てず、長い目で見守った方がいいのかも知れません。

2012/08/17

新・座頭市Ⅲ #22「渡世人の詩」 後編

録画した日〔2012/4/10:BSフジ〕

前編「#21」のあらすじ解説とダイジェスト映像で始まる2話完結バージョンの後編。
座頭市と森繁久彌はタッグを組むのか?斬り合うのか?。2週に渡る重厚ドラマは、監督・座頭市によるその落とし所が焦点です。
前編同様、両巨星を制してストーリーを牽引するのは当時31歳の精鋭・根津甚八。弟分の仇を取るため、孤立無援状態で雌伏の時を送ります。
座頭市&森繁久彌という最強のバックヤードを従えて突っ走る根津甚八は、痺れるほどのカッコ良さ。
そして、彼がスポットを持って行く毎に両巨星の存在感が際立つというケミストリーが発生します。
監督・座頭市による神の采配、マジック炸裂といった所でしょうか。
一歩引いた座頭市と森繁久彌は、まったりと居酒屋トーク。演技ともアドリブとも付かない6分超の掛け合いは名人芸の域です。
その中で森繁久彌は、根津甚八=自分の息子というメタファーを座頭市&茶の間に投げかけます。
しかしこの案件に明確なアンサーはありません。謎を掛けっぱなしで「あとはオメエさんで考えな」という座頭市流のエンターテイメントと解釈しました。
クライマックスでは、座頭市のアシストを受けた根津甚八が仇敵・船戸順チームを殲滅。
それと同時刻に、森繁久彌は単身小池朝雄チームに乱入し、一撃で敵方ボスを仕留めます。

自らの義を貫いた根津甚八と、親分への忠義を果たした森繁久彌。
結果的にヒール軍一掃で一件落着のハッピーエンドと思いきや、森繁久彌の渡世人スピリットはこれを良としませんでした…。
友情や私情よりも渡世人としてのロイヤリティを重んじた森繁久彌は、親分の仇に当たる座頭市斬りを敢行。
しかし、座頭市は渾身の居合い斬りで森繁久彌を返り討ちにします。
渡世人として生き、渡世人として死んでいった森繁久彌。
役者稼業的側面でも次代を担う根津甚八に対して、監督・座頭市とともに体を張ったメッセージを送ったのかも知れません。
ちょっとした映画1本分の大作ですが、昭和の茶の間と同様に、前編の後1週間妄想をふくらませて後編を見るのがベストだと思います。

ともかく文句なしの傑作。
座頭市&森繁久彌&根津甚八の三者三様の男気にメッタ斬りにされる、濃厚極まりない見事なストーリーでした。

2012/08/16

タイガーマスク #19「試合開始2時間前」

録画した日〔2012/8/10:TOKYO MX〕

ダラダラ続くワールドリーグ戦。今回は風祭大会です。
どこだそれ?とWikipediaで調べたところ、神奈川県小田原市の一地域との事。
何とも不自然な地方興行、地元在住の日プロ大タニマチよる割のいい売り興行と見ました。
試合開始2時間前、客入れ前のリングで謎のダンスをする馬場さん。
そこに入ってきた伊達タイガーは「買い物行ってきていいですか?」と、ゆとり世代も口アングリの仰天アホ要求をブチ上げます。
日プロ伝統のリンチまがい鉄拳制裁が待っていると思いきや、ブッカー馬場さんの返答は「ああ、いいよ」のGOサイン。
確かにプライオリティは低いであろう風祭大会。しかしこうした地方興行をナメきったトップ連中の姿勢こそ、後の日プロ崩壊を招いた遠因と言っても過言ではないでしょう。
買い物もそこそこに、例によってどうでもいいクソガキの面倒を見ることになった伊達タイガー。試合開始に間に合わないレベルの寄り道を敢行します。
高いお金でチケットを買ってくれたファンや興行主よりも、自己満足の青臭いチャリティを優先するお花畑っぷり。古巣・虎の穴で自己啓発の再修業をしたほうがいいかも知れません。
戻ってこない伊達タイガーを、モクモクとタバコを吹かしてちょいギレ気味に待つBI砲。
後に試合前の売店で堂々と葉巻(1本1万円)をくゆらせた馬場さんはともかく、猪木は今回、発熱で欠場するほどの悪コンディションだったはずです。
完全にモラルハザードの日プロトップ連中。志ある若手から「明るい未来が見えません!」と直訴されるのも時間の問題でしょう。
結局伊達タイガーは、時代考証にうってつけのオート三輪を飛ばしてドタキャンを回避。
チャリティ活動を上手くこなし興行にも穴を開けないという、結果オーライ、見事なアジャスト力を発揮しました。

なお、先週の予告ではワールドリーグ最終戦だと思っていたんですが、私の聞き間違いだったようです。
虎の穴出演なしの今回#19、かえって日プロのネガティブ面が明るみになってしまいました。
しかしこれは、組織が成熟するプロセスにおいて必ず直面する麻疹の様なものでしょう。慢性疾患にならないように、まずは社内風紀の見直しから。
山本小鉄的な腹心兼鬼軍曹役の登用が有効かも知れません。

WWEロウ #1001

録画した日〔2012/8/9:JSPORTS2〕

1001回目のシンシナティ大会。
1000回記念特番で勃発した騒動を、1個1個とりあえず回収していきます。
1000回記念のエンディングでロック、シナ、ビッグショーをブチのめしたWWE王者・CMパンク。
今週のオープニングでは、お得意の座り込みムーブでマイク爆弾を仕掛けていきます。
パンクが槍玉に挙げたのは、ロック様。普段出てないのにイイとこ取りすんな、というごもっとも且つシュートなアピールで、ピープルズチャンピオンの痛いところを突きます。

時折出てくる、シナやパンクによる現場サイドの正論。現役世代のガス抜き的意味合いがあるのでしょうか。
どこまでが本気かわからないWWE。私としては、毎日リングで体を張る面々を大切にしてほしいと思ってます。

どこまで本気?という点での謎掛けか、今回のシンシナティ大会ではリハーサル中に不慮の火災が発生した模様。
制作側の失態であり放送前の出来事という側面から、本来は黙ってりゃいいアクシデント。
しかし何度もリプレイされて、何やらタダじゃ転ばない宣言のようにも受け取れました。
ひょうたんから駒で「真犯人」探しアングルを組み立てるつもりなのか、ちょっと展開が気になります。

<メモ>
  • デルリオ、サマースラムまで試合ボイコット宣言
  • 婚前放棄の新GM・AJ、さっそくダニエルブライアンに嫌がらせ采配敢行
  • なんで休んでたか不明のまま毒蛇オートン復帰
  • サマースラムで、パンクVSシナVSビッグショーのトリプルスレッドWWE戦

ワールドプロレスリングアンソロジー #2「燃える闘魂アントニオ猪木 秘蔵 海外遠征名勝負集」

録画した日〔2012/7/20:朝日ニュースター〕

テレビ朝日所蔵の新日VTRを一般受け無視のマニア目線で大放出するありがたい番組。
今回の#2では、(おそらく)水曜スペシャル枠で放映された猪木海外遠征マッチを3本リリースします。
ドヤ顔ナビゲーター・流智美のチョイスは以下の3戦。
  • 1979年カルガリー大会・スタンハンセン戦
  • 1978年フィラデルフィア大会・”ランバージャック”ジョニーリー戦
  • 1980年フロリダ大会・ボブバックランド戦
金曜8時ではないスペシャル特番枠で放送された試合という点がミソ。いずれもマニア垂涎のラインナップと言えるでしょう。
そして有難いことに、猪木お得意の試合前「猛デモ」も蔵出ししてくれました。

スチュ・ハート招聘のカナダ決戦前日、水温5度の極寒ミネワンカ湖で行われたブリーフ一枚(おそらくBVD製)のスイミングデモ。
若手アナ・古舘伊知郎はビックリでしょうが、後に糖尿病治療で氷風呂に浸かりまくる猪木にとっては「どうって事ねぇよ」というイージーモードなんでしょう。
アントンスマイルの割に顔色が真っ青なのが気にはなりますが…。

ジョニーリーとかいう訳の分からん空手家との決戦前に、フィラデルフィアの公園でジョギング&公開スパーを敢行するアントン。
フィラデルフィアくんだりまでお供をする荒鷲・坂口征二と外敵・ストロング小林のカッタリー感が印象的です。

もちろん、試合内容も充実の一語(ジョニー・リー除く)。
ニューヨークの帝王・ボブバックランドによるキーロックムーブはいつ見ても絶品です。

アントニオ猪木という定番案件すら普通に見せる事はしない、マニアックにも程があるマッチメイクに走るこの番組。
これはもう、行けるところまで行ってもらいましょう。

新・座頭市Ⅲ #21「渡世人の詩」 前編

録画した日〔2012/4/9:BSフジ〕

屋根の上の弔辞読み・森繁久彌が堂々の参戦。
座頭市は自ら監督&脚本を努め、根津甚八/小池朝雄といったサポート役を配した上に前後編の2枠を用意するという超VIP待遇で業界の御大を迎えます。
半分隠居状態の森繁久彌は、船戸順率いるヒール軍の相談役的ポジション。
今回座頭市は、その船戸順軍と敵対するコロンボ・小池朝雄のヒール軍に縁あって草鞋を脱ぐ格好となりました。
旧知の仲の座頭市と森繁久彌は、こうしたお互いの立場を踏まえつつ10年ぶりの再会を喜び合います。
ストーリーのキーマンは根津甚八。
敵陣の森繁久彌もその素質を評価する小池ヒール軍のホープは、義憤に駆られ一匹狼宣言を敢行。船戸ヒール軍への単独報復を図ることになります。
実はこの展開、コロンボ小池朝雄の思惑通り。自軍の名前を汚さずに目の上のタンコブ船戸ヒール軍を殲滅する巧妙な策略でした。

渡世人システム上は敵対関係の座頭市と森繁久彌。
しかし、小池朝雄・船戸順の両軍は番組的にヒール確定なので、根津甚八を加えた座頭市&森繁久彌の超党派ユニット結成の期待が高まります。
エンディングのお約束メッタ斬りも、今回に限っては次回後編への「仕込み」です。
TVシリーズ初の「To Be Continued~続きは後編で」という超展開。森繁久彌&座頭市という最強タッグは、この大作にどんな決着を付けるのでしょうか?
静の描写が多かった前編。来たるべき大爆発へのワクワクが尽きない、余りにも壮大な「前フリ」でした。

新・座頭市Ⅲ #20「祭ばやしに風車」

録画した日〔2012/4/6:BSフジ〕

かつて賭場荒らしだった石橋蓮司は座頭市の恩情で命を救われ、それを機に真面目なかざぐるま売りとして妻と幸せに暮らす日々。
そんな石橋蓮司と再会した座頭市は、その素性を薄々知りつつも石橋蓮司宅に身を寄せ、素直に歓待を受けます。
やたらとラブラブなカタギの石橋蓮司とその妻・萩尾みどり。
座頭市はアテられっぱなしですが「新/Ⅱ/#15」でイチャイチャ耐性を身に付けたのか、気の利いた事なんかも言いつつ大人の対応で2人の幸せを見守ります。
妻のために悪事に身を染めようとした石橋蓮司を、座頭市が「カタギはすっ込んでろ」と制してヒール連中を軽くヒネるエンディング。
このTVシリーズにおいて、セコセコヒール・蟹江敬三と並ぶ貢献度の常連・石橋蓮司。
いつもは冷酷無情キャラですが、今回は過去に傷を持ちながらも平凡な暮らしを送る「イイ奴」役を演じました。
シリーズ終焉を悟った座頭市の「いろいろアリガトな」的なねぎらいキャスティングだったのかも知れません。

2012/08/15

ノンフィクションW 幻の欧州サッカー王者 '92ユーゴスラビア代表の崩壊

録画した日〔2012/6/1:WOWOWプライム〕

ユーロ2012開幕に合わせて制作・放送されたであろうドキュメンタリー。
ユーゴスラビア代表チームの1992年スウェーデン大会がテーマで、圧勝の大会予選からオシム辞任、直前の強制送還劇までをほぼ時系列で後追いしています。
それにしても、現地入りしてキャンプまで張ってるチームを強制送還させてしまった国際政治の力とは何だったのでしょう。
20年後の今、どんなヒール国に当てはめても同じ事が起こる(起こせる)イメージが浮かばないだけに、当時の魑魅魍魎の深さに恐怖を感じます。
そんな魑魅魍魎に振り回された、当時のキャプテン・”ピクシー”ストイコビッチ。この人ほど、そのキャリアを「たられば」で語りたい選手はいないと思います。
随所で見せる静かな怒りの台詞と苦い顔から、当時の無念さが伝わってきました。
このドキュメント、新規発掘のエピソードは特になし。
しかし、特筆すべきは当時の代表選手の、2012年時点のコメントを収録している事でしょう。
ピクシー・ストイコビッチ以外でコメントしたのは、この3選手。
  • サビチェビッチ(モンテネグロ/現モンテネグロサッカー協会会長)
  • ミハイロビッチ(セルビア/現セルビア代表監督)
  • プロシネツキ(クロアチア/現レッドスター監督)
崩壊のルーツとも言われる「飛び蹴り」をブチ込んだボバンの今のコメントも聞きたかったのですが、ユーゴ寄りの番組趣旨には同意できなかったのかもしれません。

ちなみにクロアチアのプロシネツキが、セルビア最強クラブの監督になっていたとは知りませんでした。
個人レベルでは雪解けしているのでしょうか…。
もちろん、偉大な父・オシム監督も登場。てっきり昔の映像かと思うくらいギラギラした表情でしたが、れっきとした2012年バージョン。
すっかり元気になったようで、嬉しい限りです。

(ユーゴ紛争は別として)1992年スウェーデンにおける一連の案件で語り継がなければいけないのは、無茶苦茶な政治裁定がまかり通った事と、その犠牲になったのがオシム&ユーゴ代表という歴史に残る(はずの)チームだったという2点だと思います。
私個人としては特に後者。政治背景にも興味はありますが、それを抜きにしたユーゴ代表黄金期の映像集をどこかが作ってくれないか、密かに期待しています。

新・座頭市Ⅲ #19「静かなくらし」

録画した日〔2012/4/5:BSフジ〕

元大泥棒の小沢栄太郎から、2000両を隠した場所の地図を託された座頭市。
この地図を巡って、悲喜こもごもの人間ドラマが繰り広げられます。
地図を託された先は、大泥棒の愛娘・二宮さよ子が暮らす山中の飲み屋。
新/Ⅱ/#13」で国定忠治を売った女が2度目の座頭市登場です。
タイトルのとおり静かに慎ましく夫と暮らしていた二宮さよ子に、降って湧いたようなビッグマネー2000両。
お互いの疑心暗鬼やら噂を聞きつけた夫の元ヒール仲間やらに振り回される夫妻でしたが、最後は本来の「静かなくらし」を取り戻す決意をします。

改心した二宮さよ子夫妻が受け取らなかった2000両地図。
座頭市はそれを「じゃあ、世話になった人にプレゼントするわ」と持ち去ってしまいます。

そしてプレゼントした相手はなんとシロヤギ。ストーリー中、負傷した座頭市がシロヤギのお乳を飲んで生気を取り戻したという伏線がありました。
ビッグマネー2000両をムシャムシャとたいらげるボケ顔のシロヤギ。
ちょっとクスリとくるオチでした。