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2015/02/09

木曜スペシャル 独占企画! 石原軍団INハワイ(特別編集版)

録画した日〔2015/1/3:チャンネルNECO〕

昭和61年に日本テレビ「木曜スペシャル」で放送された石原プロの超豪華ド派手新年会。
ロケ地はもちろんハワイ。再放送されるのはこれが初めてのようです。
最強の懐刀・渡哲也を脇に従えたビッグボス・石原裕次郎。
大好きなハワイの陽射しのもと裕ちゃんは早くも超ごきげん。どうやらこの新年会、キラウエア火山級のビッグな宴になりそうです。
会場は最高級リゾート・カハラ地区にそびえる超巨大裕次郎御殿。
このボスの城に構成員が三々五々集まってくるわけですが、そこは史上最強の侠気軍団、さっそくクレイジーっぷり全開のビッグアングルを見せてくれました。
まずは、ヘリコプターハコ乗りで豪快に登場した神田正輝。
せっかくヘリをチャーターしたのに海の中で降りて結局ビショビショで走って向かう無計画なバカっぷりを披露しましたが、ここは軍団構成員No1の甘いマスクに免じてお咎め無しとすべきでしょう。
こちらは軍団構成員No1の伊達男・舘ひろし。
真っ赤なクラシックカーをブン回してすこぶるダンディに裕次郎御殿へ乗り付けました。
なお、助手席にはべらせてるのは「あの人は今」にも引っ掛からなそうな軍団所属のB級ディーバ・登亜樹子(登静江)です。
世渡りなら軍団構成員No1の峰竜太。なぜか空手着姿の御木裕とジョギングで会場に向かいます。
峰は道中デレデレ顔でブロンド美女をナンパするも至近距離からボマイエを食らって敢えなく失神KO。軍団のバラエティ部門育成方針が問われる犬も食わないクソコントです。
親戚のコネ1本で軍団入りしやがったお天気野郎・石原良純は海の中からウェットスーツ姿で登場。その下に真っ白なタキシードを着込んでるというキザなギミックを披露します。
このほか秋山武史がモトクロスバイクで登場する(ズッコケあり)など、新年会が始まってもないのにこのボリューム。いやはや石原軍団、恐るべしです。
軍団構成員がここまで体を張るのは、ひとえにボスのこの笑顔が見たいから。
そんなかわいい子犬のような彼らを前に団長・渡哲也が乾杯の大号令。いよいよ石原プロの豪快大新年会がその幕を開けました。
異常なテンションで始まったこの番組ですが、実のところのメインはボスvs団長の歌謡対決。
歌謡界にも偉大な足跡を残す両巨頭がハワイの名所をバックにがっちりロックアップし、新年会そっちのけでこれでもかと歌いまくります。
「夜霧よ今夜も有難う」や「ブランデーグラス」といったド定番に「BEYOND THE REEF(珊瑚礁の彼方)」などハワイっぽいカバー曲を織り交ぜ攻勢を見せるボス。
ここハワイは裕次郎の庭。選曲においても一日の長があると言えるでしょう。
一方「みちづれ」「くちなしの花」などキラーチューンを擁する団長ですが、ハワイのお天気と真逆の辛気臭さはいかんともし難いところ。
あげくはカンカンの常夏なのに「流氷の街」とかいう曲をチョイスする大迷走。すっかりアウェーの洗礼を食らった様相です。
そしてそんな両雄のマッチアップに乱入してきたのが舘ひろし。
この歌える伊達男は海岸の掘っ建てステージで「DANCE・舞・乱舞」とかいうロックチューンを熱唱。
“舞・乱舞”を“マイ・ラブ”と読ませるセンスは和製ヘルズエンジェルス「クールス」時代を彷彿とさせます。
「DANCE・舞・乱舞」のサポートメンバーは全員とびっきりのブロンド美女。
バンド(ただしエア)の娘もダンスの娘も日本から来たプレーボーイに心酔している模様です。
逗子の海岸なら一発退場のハタ迷惑なナンパ系猛デモ。こんな事が許されるのは世界の伊達男・舘ひろししかいないでしょう。
真っ昼間から大暴れの舘は夜になると一転「泣かないで」を連呼。
このほか、バーベキューやディナーなど事あるごとに歌を披露した伊達男。石原プロ歌謡対決の真の勝者はこの男だったのかもしれません。
豪快新年会の目玉は専属シェフ付き豪華ディナー。裕次郎の姉貴分・奈良岡朋子を交え映画の話で盛り上がりました。
昭和50年代のTV進出以降、映画への再挑戦が悲願となっていた石原プロ。
ここでのアーカイブ談義は対世間、対業界へ向けた渾身のアピールだったと思われます。
「太陽の季節」の長門裕之に“これサザンオールスターズ(桑田佳祐)”、「狂った果実」のキスシーンには“舘ひろしがよくこんなことやってんだ”などと、時折ジョークを織り交ぜながらアーカイブ解説を務めたボス。
業界の未来を担う軍団構成員からすればなんともありがたい珠玉の帝王学講座です。
そんな熱いメッセージをボスの隣の特等席で聞いていた神田正輝。あの「聖輝の結婚」をブチ上げたのはこの半年前でした。
聖子ちゃんと過ごす初めてのお正月のはずが、ムサっ苦しい野郎どもとの昼夜集団行動という気の毒な新婚夫。
そのせいでしょうか、タバコをプカプカくゆらせるなど気もそぞろなカットも多数見受けられました。
ディナーの余興「ずっこけ隠し芸大会」など要所要所でMCを買って出る峰竜太は、自称「石原プロ唯一のマルチタレント」。
石原プロという巨大母艦のもと、林家一門から和田アキ子一派まで幅広くリンクする世渡り上手。自ら仰るとおりパーフェクトな「マルチタレント」です。
ちなみに軍団構成員の「ずっこけ隠し芸」は、舘ひろし=ファイアーダンス、神田正輝ほか=フラダンスという極々ノーマルなものでした。
オープニングで度肝を抜かれた茶の間からするとこれは拍子抜け。
最低でも関連施設の爆破(巻き添え=御木裕)はやってもらいたかったところです。
宴会以外にもクルーザーでのトローリングや原野でのカウボーイ体験(&巨大肉魂BBQ)でハワイを満喫した石原軍団。
これら現場をすべて仕切っていたのは団長・渡哲也。
それを軍団構成員がバカになって目一杯盛り上げるという、実にカッコいい男の遊びを見せてくれました。
遊びシーンでボスが登場したのは愛船「コンテッサ三世」の操縦時だけ。若い衆を気兼ねなく楽ませる事こそ自分の役目としているのでしょうか。
なんとも侠気あふれる石原プロの福利厚生。
体力的にはキツいでしょうが、こんな会社があったら是非とも入社したいものです。
我らがボスがこの世を去ったのは翌昭和62年の7月。団長に現場を任せたのは体調が芳しくなかったからなのかもしれません。
体を張って稼いだ金で豪快に遊ぶという古き良き骨太エンターテイメントに殉じたビッグボス。
バブルも虚業もない、ボスがいた素晴らしい時代に我々はなんとか戻れないもんでしょうか…。