録画した日〔2012/11/6:チャンネルNECO〕
毎週毎週、どうにもアステカイザーの正体がつかめないブラックミスト軍の番頭・サタンデモン。
雇い主の「ルアー様」から解雇・粛清を仄めかされ、大慌てで次の一手を講じます。
サタンデモンの“次の一手”は、大型コンピュータとVTR技術を駆使して「アステカイザーに成り得る格闘家」を全国データベースから絞込む作業でした。
結果、12人の格闘家をピックアップする事に成功。その中には「当たり」のアステカイザー本人・鷹羽俊も含まれていました(!)。
口の悪い視聴者からは「最初からやれよ」と突っ込みが入りそうですが、時は1976年、ジョブズ&ウォズニアックのスティーブ・ブラザーズが新興団体Appleを旗揚げした年です。
そんなコンピュータ黎明期に、全国格闘家のデータベースと精度の高い映像解析プログラムを構築したサタンデモン。
文字どおりのブラック企業・ブラックミストの番頭なんか辞めて、どっかの家電メーカーに転職したほうが良かったのかも知れません。
キレキレに冴え渡るサタンデモンチームは、アステカイザー候補12人から「当たり」の鷹羽俊を最有力候補としてセレクト。
一気呵成の大号令の元、さっそく川っぺりの少年野球でノック中の鷹羽俊を襲撃、ブラックミスト本社に強制連行します。
当たり・鷹羽俊を特定して捕獲まで成功、後は「上がり」を迎えるだけのサタンデモンでしたが、最後の詰めで痛恨の大ポカを露呈。
状況を察知した鷹羽俊のアステカイザー封印ムーブにすっかり騙されて、「こいつはシロ」の最終判断を下してしまいます。
全く何やってんだか…。グリコ森永事件で、怪人21面相を寸前で取り逃がした滋賀県警にも似たもどかしさを感じます。
あっさりヒール軍に捕まるアステカイザー本人と、それを見す見す取り逃がすサタンデモンが繰り広げるマヌケな追い掛けっこ。
何ともショッパイ、緊張感皆無のベビーvsヒール抗争です。
そして今回も、全面協力のはずのキングオブスポーツ・新日プロ精鋭陣の出演はありませんでした。
この回の放送は1976年12月。
総帥・アントニオ猪木がパキスタンに乗り込み、英雄・アクラムペールワンと恐怖のセメントマッチを敢行した時期とモロかぶりです。
超過激な仕掛けで「環八理論」を実践していた新日プロ&猪木は、こんなクソガキ向け茶番に付き合っている暇はなかったのでしょう。
もはや新日プロは体の良い名義貸し状態。プロレスラー至上主義の私としても、10回目となればあきらめの境地へ突入しました。
「プロレスラー見てぇんなら普通にプロレス見てりゃぁいい」と自分に言い聞かせつつも、最終26話まであと16回チェックする事にします。