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2013/03/25

ワールドプロレスリングクラシックス#119「1980年特集」

録画した日〔2012/12/29:朝日ニュースター〕

昭和55年に開催された「第3回MSGシリーズ」を特集。
決勝戦のカードはアントニオ猪木vsスタンハンセン。舞台は蔵前国技館です。
試合は不沈艦ハンセンが大暴走の反則負け。猪木が大会3連覇を達成しました。
それにつけても、何がなんやら阿鼻叫喚の無法地帯と化した蔵前のリング。
ハンセンに加担する超人・ホーガンと猪木救出に駆け付けたアメリカンドリーム・ダスティローデス。ハンセンの番外ラリアット直撃でブッ倒れている若手は格闘王・前田日明とSSマシン・平田という超豪華ラインナップです。
優勝戦の試合時間は正味8分。
「本場所」のエピローグとしてはあまりにもライトな反則決着ですが、これは大会のレギュレーションに問題があったからでは?
なんと反則大暴走のハンセンは、最終猪木戦の前にアンドレ・ザ・ジャイアントとの一騎討ちを消化していたのです。
決勝戦進出者決定2回戦と銘打って敢行されたビッグマッチは、ハンセンが舎弟(当時)ホーガンのアシストを受け辛くもリングアウト勝ちを飾りました。
人間エグゾセミサイル直撃後に2試合目の猪木戦。さすがの不沈艦もエネルギー枯渇状態だったのでしょう。
「田コロ決戦」の1年前に実現していたハンセンvsアンドレ。
前述(および後述)の事情でたった2分弱のスピード決着でしたが、伝説の予感ビンビンの超弩級肉弾戦は圧巻の一語。蔵前のプロレスファンは大満足だった事でしょう。
ハンセンvsアンドレは猪木との決勝対決を賭けたあくまで「2回戦」。
その前にはアンドレvs坂口征二の「1回戦」が行われ、アンドレが超巨大ヒップドロップで荒鷲を人間スクラップに葬りました。
昭和55年のアンドレ・ザ・ジャイアントはパワー&スピード大全開。デカくて怖くてとにかく凄い、相手をブッ壊すんじゃないかと心配になる程のキレキレ状態です。
しかし、さすがに坂口→ハンセン→猪木と3連チャンしてまで優勝する気持ちはなかったのでしょう。
メインの猪木vsハンセンの頃には、ワイン1ダースを嗜みながらゆったりと1日の疲れを癒していたものと思われます。

このMSGシリーズはアンドレ、ローデス、ハンセン、ホーガン(初来日)の他、ボブバックランドも途中参戦した超豪華版でした。
後のNWA、AWA、WWFの世界チャンピオンが顔を揃えた外人天国。ライバル全日本を凌駕するスケールです。
なお、アメリカでは絶対見られないベビーフェイス同士の禁断ドリームマッチ「アンドレvsローデス」は、青森大会で実現したとの事です(残念ながら今回放送なし)。
タイガーマスクや長州&藤波の内国産スターが一気に花開いたのはこの1年後。
新日にとって雌伏の時代に開催したお祭りシリーズは、30年以上経っても不偏の価値がある世界標準の渾身ブッキングだったと言えるでしょう。