前回#34で、インドニューデリー開催の汚れ仕事「全アジアプロレス王座決定戦」への参戦を打診された伊達タイガー。
元悪役の自分が代表では日本プロレス界の面汚しになってしまう…とまあまあ通りの良さそうな理由を立てて、仕掛け人・馬場さんに辞退を申し入れます。
大会の重要スポンサー筋との規定路線なのでしょうか、何とか伊達タイガーをインドへ放り込みたい馬場さん。
過去にこだわる伊達タイガーに「オレにも過去がある」と読売ジャイアンツ時代からの波瀾万丈伝を語り聞かせます。
不運も重なって短い選手生命となってしまったピッチャー・馬場さん。
しかし、大正義・読売ジャイアンツの一軍先発マウンドに立った(昭和32年・中日戦)という揺るぎない史実は、馬場さんが「モノが違う」スポーツエリートである事の証明です。
ちなみにWikipediaによると馬場さんの背番号は「59」ですが、タイガーのアニメスタッフは「56」とやってしまいました。
馬場さんリスペクト回でまさかの誤認識。ジャイアンツ原理主義の絶対神・梶原一騎から血の制裁を喰らわされたんじゃないかと心配になります。
どうやら長くなりそうな馬場さんの昔話。
ジャイアンツ離脱後のネタは、日プロ入団と力道山先生勅旨のアメリカ武者修行エピソードです。
高下駄履いて摩天楼を闊歩した「東洋の悪魔」の大ボラ描写こそありませんでしたが、馬場さんは当時のジャップ系レスラーの悲哀を切々と伊達タイガーに語ります。
まあ、とどのつまりは馬場さんのサクセスストーリー自分語り。
苦労話にかこつけて、
- 世界一の無法者・ディックアルフォンヌをぶっ倒した
- 第8,9,10回ワールドリーグ戦3連覇してんだけど、知ってるよな?
- 人間発電所・サンルチアーノとはいつもいい勝負できるわ
- そのうち黒い魔神・ポポアフリカ潰すからよ
結局馬場さんは、ホロリ&豪快手法で愛弟子の懐柔に成功。
「全アジアプロレス王座決定戦」の日本代表レスラーは、我らが伊達タイガーと相成りました。
一方、この上なくカッタりぃ仕事を振られた伊達タイガー。プロの仕事と割りきって、次回さっそくインドニューデリーに単独参戦します。
#30 力道山特集のような馬場さんの単独スポット。
自慢話はするわ、愛弟子タイガーを「強制渡印」に持ち込むわ、日プロブッカーとしての基本スタンスを貫きつつやりたい放題を敢行します。
しかし、そんな馬場さんの根底に流れるのは日本プロレスの父・力道山への思慕。
随所に登場する「力道山先生」の勇姿から、自分のルーツを大切にする馬場さんのプロレス愛を感じます。
次は猪木か吉村か?ネタつなぎに勃発する個人特集はすこぶる面白い。上手くハマれば、聖書「プロレススーパースター列伝」を超える名作として昇華するかも知れません。