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2013/01/11

プロレスの星 アステカイザー #19「ぼくのお父さんはアステカイザーだ!」

録画した日〔2012/12/11:チャンネルNECO〕

悪ガキにイジメられているところを鷹羽俊(アステカイザー)に助けてもらった泣き虫チビッ子・あつし君。
あつし君のお父さんは、交通事故で早逝した「サムソン東郷」というプロレスラーだったとの事です。
あつし君にお父さんの記憶は無い模様。
爽やか好青年のアステカイザーとしては「お父さんの様に強くなれ!」との常套句で締めたいところですが、実際のところ「サムソン?」「Who??」という状態でした。
あつし君パパの手がかりを知りたいアステカイザーは、東都プロレス道場でさっそく聞きこみを開始。
しかしインチキ記者・大泉滉によると、サムソン東郷は愚にも付かない無名の雑魚レスラーだったようです。
なお、大泉滉が読んでいる雑誌は仮面貴族・ミルマスカラスが表紙の月刊ゴングでした。
あつし君が抱く亡き父への思慕とプロレス幻想を壊したくないアステカイザーは、事実隠蔽の対応を決断。
「サムソン最強。生きてりゃ力道山、猪木を超える超凄玉になってたんじゃねぇかな」と善意100%の大ボラをブチ上げます。
なお、アステカイザーによる最強の指針はあくまで力道山とアントニオ猪木。両雄の名前はこの後数回登場しましたが、東洋の巨人・ジャイアント馬場の名は一切出て来ませんでした。
更に言えばサムソン東郷の「サムソン」は馬場さんの懐刀・サムソンクツワダを連想させる冠名。80年代には理不尽大王・サムソン冬木に受け継がれています。
そんな全日伝統のリングネームを泡沫雑魚レスラーに被せるとは、全面協力・新日プロ=猪木による巧妙な印象操作と思われます。
そんなアステカイザーによる善意の嘘は、その意図と裏腹に眠っていたあつし君のプロレス脳に火を付けてしまいました。
  • お父さんは力道山&猪木よりも強い最強プロレスラー
  • 最強といえばアステカイザー
  • だったら、僕のお父さんはアステカイザー
チビッ子ならではの力強いプロレス的大妄想。あつし君はさっそく、アステカイザー息子ギミック襲名の大ボラ大演説を敢行します。
そしてプラシーボ効果でケンカにも強くなり、散々イジメやがった悪ガキ連中にストロングスタイルで復讐を果たしました。
こうなって来るとチビッ子の妄想はノンストップ大爆走を始めます。
「2世レスラー」となる自分の姿を後の虎ハンター・小林邦昭に見立てたあつし君は、前座の天然ヒール・大城大五郎とのデビュー戦を自由奔放にマッチメイクしました。

ちなみに21世紀2013年の小林邦昭は、かつての宿敵・佐山タイガーと友情タッグを結成。邪道・大仁田厚との因縁壮絶大抗争を繰り広げています。
世紀を超えた「あつし君」との邂逅。これぞ壮大なプロレス浪漫飛行と言えるでしょう。
試合はヤングライオンの代名詞・ボストンクラブであつし君=小林邦昭が圧勝。
首投げとボディスラムで組み立てる地味な前座試合スタイルに終始したあつし君。チビッ子の妄想であっても、ヤングライオンの「掟」は絶対不可侵なのでしょう。
徹底した新日イズム。前座が花火を打ち上げたなら、たとえチビッ子でも鬼軍曹・山本小鉄の鉄拳制裁が待っています。

ヒール軍番頭・サタンデモンは、どんな情報網を駆使したのかチビッ子の妄想「息子ギミック」をキャッチ。「父」アステカイザー捕獲目的で、あつし君を誘拐してしまいました。
緊急参戦のアステカイザーは、あつし君救出のため父親説を完全否定。夢いっぱいのプロレス幻想は儚く終わりを遂げてしまいます。
ここで特筆すべきはサタンデモンの顔芸。
アステカイザーによる「善意のギミック破り」で悲嘆に暮れるあつし君の隣で、我が子を愛おしむような表情を披露します。
最後は頭をポンッと叩いて紳士的にあつし君を解放したサタンデモン。
まさかまさかのベビーターンはあるのか?、ヒールからの振り幅が大きいだけに実現した場合アステカイザーはポジションを食われるかも…。
ヒール軍・ブラックミストのアステカイザー攻略最終手段になるかもしれません。
アニメ化ムーブ「カイザーイン」を見る限り、かなりウェイトアップしているアステカイザー。
サイボーグ格闘士・クライムバリアンとの一戦はドロー決着、次回持ち越しとなりました。
ここへ来てのサタンデモンの変幻自在連続覚醒にウカウカしていられないプロレスの星。まずは道場でミッチリと鍛え直したほうが良いんではないでしょうか。