今回は、ビッグネーム達の若かりし日の秘蔵マッチを蔵出しします。
全4試合、たまたまでしょうが3試合が「大阪府立体育会館」で行われたものでした。
放送1本目は、新日ではなく「日プロ」時代の1972年6月ゴールデンシリーズ大阪決戦。
坂口征二&マサ斎藤の明治大学体育会コンビが、千の顔を持つ男・ミルマスカラス&キングクローに挑む3本勝負です。
明大同期生の連係プレーや、マスカラスの空中殺法など見るべきポイントは多々あるのですが、それらを全て掻っさらったのが後のNWA公認レフェリー・ジョー樋口。
試合終盤、エキサイトしたマサさんのドロップキックを食らってしまったジョーさんは、一子相伝の失神ムーブを炸裂。せっかくの好カードに、終止符を打ってしまいます。
80年代マットでは月月火水木金金のペースで失神していたジョー樋口ですが、私が生まれた昭和47年の時点でその芸風が確立されていたとは…。
ローマは一日にして成らず、業の深さ芸の深さを思い知らされるアーカイブでした。
ナビゲーター・流智美セレクトのその他3試合は以下のとおり。
- 坂口&星野勘太郎vsドリーファンクJr&マイクパドーシス(1971年12月:茨城)
- 上田馬之助vsストロング小林(1977年6月:大阪)
- 藤波&長州vsボブバックランド&トニーガレア(1978年5月:大阪)
21世紀の現代でも通用するであろうWWFjr王者・ドラゴン藤波の超イケメンぶりや、長州のカチカチパーマ(ついでにピーター・M高橋のキモい横分け)、若きWWF王者・ボブバックランドの短足強調ボロボロトランクスなど、その各々のルックスだけでもプロレス史考証に値します。
そして1971年の茨城ドリー戦は、流智美氏によると「10列目で見てた」試合との事。
「アンタが見たいだけだろ」と突っ込みたくなるアンソロジーですが、セレクターがプロレス博士だけに、自然と良質・貴重な映像集となります。
ちなみに、次回9月放送予定#5の情報はほとんどなし。
こんなインフォブロックも、昭和プロレスの定番ギミック「未知の強豪」を演出するプロレス博士・流智美の仕掛けではないかと勘繰ってしまう、ワクワクが止まらない番組です。