前回「#25」に引き続き監督/脚本は巨匠・勅使河原宏。
前話のシーンが一部フラッシュバックするなど、2部作的な位置付けの様です。
ぱっちり目を開いた”ホワイトバージョン”座頭市以外は特筆する事がありませんでした…。
この大作を見て「前衛的」「実験的」「わかるなぁ」と、したり顔することもできるのでしょうが、お茶の間向けエンターテイメントとしては明らかに逃げの手法。
TVシリーズ最終回という補正がなければ、途中で見るのをやめるレベルの駄作だと思います。
座頭市には最後までストロングスタイルを貫いてほしかったんですが、自ら建てた金字塔を跡形もなくぶっ壊して去っていくのも芸人魂・役者魂という所なんでしょう。
この時すでに、座頭市の目は「次の次」あたりを見ていたのかも知れません。
そんなハチャメチャでボロボロな最終回においても、ルーチンワークのドカ食いシーンはキッチリ消化。
大好物”たくあん”をガソリンにして、エンジン全開の豪快な「食い納め」を披露します。
ちなみに私は座頭市のおかげでごはんが好きになりました。
例によって「完」の一文字もない、サラっとしたエンディング。
しかしこの#26放送から座頭市が鬼籍に入るまでTVシリーズは1本も制作されていません。寂しいことではありますが、これが正真正銘の最終回となります。
足掛け6年全100話、その身を削って壮大な世界観を創りだした座頭市チームにおいては、素晴らしい作品をタダで見ちゃってすみません、心からの賞賛を送ります。