録画した日〔2014/4/11:日本映画専門チャンネル〕
ラスボス(西村晃)の特定などなんとか外堀が埋まってきたジャイアンツ誘拐劇。
しかし今だ解決に至らぬまま、ナイター阪神戦のプレイボールが間近に迫ります。
甲子園のバッティングゲージに佇むミスタータイガース・掛布。試合開始2時間半前の15時55分、猛虎軍団の練習が開始されました。
この裏で巻き起こっている大事件を阪神ナインとファンはもちろん知る由もなし。
憎っくきジャイアンツの「敵前逃亡」が発覚したなら虎の聖地甲子園は大変な騒ぎになるでしょう。
ジャイアンツ球団は15時から緊急会見。ダンディな球団代表・岡田英次の口から遂に「誘拐」の文言が発せられます。
驚愕の事実にどよめくブン屋連中へ警部・大坂志郎は報道管制を要請。警察としてももはや引くに引けない状況、事件は遂にクライマックスへ突入します。
そんなガチガチの報道管制をスリ抜けたのは、母親の会話から状況をGetしていた大坂志郎の孫。
都内公園で「長嶋、王、張本、柴田、高田、堀内、新浦が全員誘拐!」と大演説をブチ上げます。
イケメンの小林繁や西本、定岡よりもカッパ新浦にプライオリティを置くこのクソガキ。実に将来有望なジャイアンツ狂予備軍です。
前回#4で捜査に熱を入れすぎ西村晃宅で爆死寸前だった水沢アキ。
ここは夫・藤岡弘が”スパークする役者バカ”の本領を発揮し、マンションの窓から突撃して新妻を救出しました。
無事仕切り直しした新婚夫婦は、この後強引な推理でジャイアンツ監禁場所を大阪府高槻市のどこかと断定。タクシーで市内に急行します。
しかし単独捜査の2人が高槻市内を隈なく捜索することは不可能なこと。
そこで藤岡弘は、原っぱで野球をするジャイアンツファンの地元チビっ子たちを駒とするローラー作戦を敢行します。
やや気になるのは高槻市のチビっ子たちの猛虎魂不足。これは土地柄なのか大本営ドラマのプロパガンタなのか真意の程は不明です。
地の利を持ったチビっ子たちはジャイアンツ一行が監禁されている旅館をすぐに発見。
そこにはなんと、犯人グループ2人からライフルを向けられたまま黙々とトレーニングをする選手達の姿がありました。
銃口になど動じない、この辺りはさすが屈強のスポーツエリート集団。
まあ、犯人やらライフルやらより身内の張本選手の方がよっぽど恐いんで慣れたもんなのでしょう。
なお練習シーンはガタイのデカい影武者連中が吹き替え、その他ユニホームや王選手の1本足特訓風景のカットで表現されました。
いくら全面協力とはいえ、ライフル向けられての練習シーンなどシーズン中に撮影許可が下りるはずがありません。
チビっ子から情報を得た藤岡弘は旅館へ突入。ほぼ同時に東京から情報を得た大阪府警が旅館を包囲。
そんなこんなで試合開始1時間前の17時16分にジャイアンツ一行は解放され、大阪府警白バイの先導で甲子園球場へ向かいました。
事件からこちらもようやく「解放」された広報課長・山田吾一も大喜びのバンザイ連呼です。
こうして何事もなくプレイボールとなった伝統の一戦。
タイガースの先発は後のスポーツ平和党・江本孟紀。キャッチャーは後のタブチくん・田淵幸一でした。
宿敵の大本営ドラマにもかかわらず、練習風景から試合までなぜか全面協賛のタイガース。猛虎の懐の深さを感じさせる一幕です。
忘れてならないのが犯人グループのラスボス・西村晃。大物感を漂わせたまま海外逃亡寸前に空港でパクられました。
ヒトラーを崇拝し大の巨人ファンだという黄門様の動機は、5億のカネだけでなくジャイアンツを自らの手で掌握したかったからだとか。
ちなみに解放を1日遅らせたのは謎掛けでも何でもなく、単に搭乗予定の飛行機が飛ばなかったからだそうです。
警視総監賞モノの大奮闘を見せた藤岡弘と水沢アキ。
ダイナマイトで爆死寸前だったトラウマなど全くないようで、イチャイチャと新婚旅行のプランを練り直します。
一歩間違えば警察組織が崩壊するレベルの隠密独断捜査を展開した父・大坂志郎。全ての帳尻を合わせた上で孫と仲良くナイター観戦です。
これもジャイアンツ教の福音、持つべきものは優秀な部下と娘婿といったところでしょうか。
大詰めでチビっ子の力を借りる超展開があったものの、巨人軍全員誘拐という荒唐無稽さを忘れさせるスジの通ったストーリー展開。
ミステリーに全く興味がなく、ジャイアンツお宝映像だけが目当てだった私も十二分に引き込まれるドラマでした。
でもやっぱりミスター、王さん、柴田にシピン…、もうちょっと秘蔵シーンが見たかったような気もします。