1990年代後半から00年代前半が舞台の経済小説。
外資ファンドマネージャー・鷲津が、旧態依然の日本経済にえぐり込んで行くストーリーです。
バブル崩壊後の失われた10年を描いた作品ですが、失われたというより取り返しのつかない10年だったんだなぁと、今更ながら暗澹たる思いになりました。
95年に就職した私は、自分達をバブルのツケを払わされている世代だと思っていましたが、今の20代30代からすれば単なる“ツケを先延ばしにした世代”に過ぎないのでしょう。
「あの時こうしてれば‥」が積み重なり過ぎてどうにもならない。かといって個人的には何もできない。もどかしい限りです。
しかし、TV版を見ていたのはプラスでした。
・ハゲタカ鷲津=大森南朋
・元バンカー芝野=柴田恭平
・ワル飯塚=中尾彬
これら役者さんの顔を頭に入れとくだけで、この本の楽しさ・緊張感は倍加。
つくづく絶妙なキャスティングだったんですね。
このシリーズ「レッドゾーン」という続編小説や映画版もあるとの事。 時間があったらチェックしようと思います。