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2015/06/23

ザ・プロファイラー 最終回「勝新太郎 常識なんて捨てちまえ!リアル追求伝説」

録画した日〔2015/3/11:NHKBSプレミアム〕

歴史に名を残す偉人の人物像をプロファイリングする番組。
曹操、カエサルからエジソン、手塚治虫、ボブマーリーなど人選はオールジャンルのようです。
今回(最終回)のターゲットは勝新太郎。プロファイラーは軍師官兵衛ことV6の岡田君。
岡田君は勝新を熱くリスペクトしているとの事ですが、名門ジャニーズの幹部候補生、くれぐれも本業以外のフォロワーにはならないように願いたいところです。
糟糠の妻・中村玉緒さんもプロファイラー補佐として参戦。
勝新ブレイク前の共演オファーを「うちイヤや」とムゲにブッタ斬ったエピソードが暴露されても、NHKのド真ん中で勝新愛を叫び続けました。
その他の補佐メンバーは小堺一機氏と映画監督・大友啓史氏。
ごきげんよう小堺氏は「勝アカデミー」とかいうエンタメ虎の穴第1期生。さらに卒業後に欽ちゃん門下で修行を積むという修羅の道を歩んだ凄玉です。
番組は20代の下積み時代から奇抜なアイデア連発でのし上がった座頭市期までを紹介する定番構成。
表題の「常識なんて…」関連のエピソードは主にTV版座頭市から。脚本オールリセットの傑作冬の海最終回「夢の旅」が取り上げられました。
もはや語り尽くされた感もある勝新だけあって新しいネタはありませんでしたが、お宝グッズはいくつか登場。
仕込み杖はもちろん、ウェアラブルおにぎりのサポーターや草履など、ドラマで実際に使用されていた座頭市愛用品が発掘されています。
これはTV版1stシーズン放送開始日(昭和49年10月3日)における新聞のTV欄。
木曜夜8時の裏番組はTBS「ありがとう(京塚昌子ver)」。ゲッターロボ→クイズグランプリ→スター千一夜からの流れを持ってすれば座頭市に分がありそうです。
「同じことは2度しない」という理想のもと、1話¥2,000万という破格の制作費で全100話突っ走ったTV版は当然好視聴率を記録。
しかしこれらを1人で牽引した代償は大きく、TV版座頭市終了以降の勝新は一転混迷に喘ぐこととなってしまいます…。
そして満を持して晒し上げられたのが昭和55年放送開始の「警視-K」。
勝新の混迷期を語るには、当初半年の予定が3ヶ月で緊急打ち切りになったこのクソドラマ1本で事足りるのではないでしょうか。
ボソボソセリフを槍玉に「聞き取れない」「テレビが壊れた」など昭和の茶の間から散々なバッシングを浴びた警視K。
ただそんな救いようのないこのクソドラマこそ「常識なんて…」の番組コンセプトを最も端的に表しているのかもしれません。
混迷期の象徴とも言える対クロサワ戦ももちろんカットイン。ニッコニコ蜜月からの冷戦突入は一つの作品の域と言えるでしょう。
この他、平成に入ってのパンツ案件も混迷期の出来事として取り上げられています。
昭和56年に勃発した勝プロ倒産劇。神妙に記者会見を行う勝新はくたびれてやつれた下町の零細社長さんのよう。
ただこの御方の場合、これがお客を喜ばせるため芝居でありネタでありコスプレであるという線も否めないので下手に同情をしてはいけません。
最後は笑おうにも笑えない晩年闘病期の話へ。
病の中でも創作意欲は旺盛だったようで、絶筆とも言える入院中に記した無数の直筆メモが発掘されました。
勝プロのルーズリーフはぜひとも仕事で使いたい。いったいどこで手に入るのでしょうか。
闘いの果てに勝新が旅立ったのは平成9年6月。
この番組では築地本願寺で執り行われた告別式の模様が少し流されました。いつも陽気な玉緒さんが悲しむ姿はやっぱり見たくないものです。
この手の番組に私が期待してるのは、いわゆる「秘蔵」とか「お宝」とか言われるアホバカおもしろ映像の蔵出し。
今回それらは少なめでしたが、プロファイラー岡田君の勝新愛など見どころ豊富な内容だったと思います。