録画した日〔2014/9/8:BS朝日〕
全国12会場で開催された「G1 CLIMAX」の舞台裏を追った2時間のドキュメント。
いわゆる“巡業”の道中が多数織り交ぜられた内容でした。
ユルいけど隙がない実にスタイリッシュな出で立ちで後楽園ホールに乗り込む中邑真輔。
昭和レスラーの私服といえば「タレサン」「開襟シャツ」「超巨大バックル」のスリーピースと相場が決まっていたはずですが今は21世紀平成の世、時代の移ろいを感じさせるとてもオシャレなイヤァオです。
ちなみに「タレサン」を継承していたのは昭和から最も距離があるレインメーカー・オカダカズチカ。エース棚橋弘至も同じく継承者の範疇といえます。
これらはどうでもいいファッションネタではありますが、プロレスラーである以上、24時間常に「普通じゃない感」を放ち続けてほしいものです。
そんな感じでオフショット満載のこの番組。
昭和プロレスの薫陶を受けた者にとってはたまらない「巡業バス」への潜入取材も敢行されました。
正規軍バスでは“第三世代”の小島聡が大好物のお菓子を買い込んでリラックスムードです。
一方、Chaos軍はギミックの都合上別のバスで移動。レインメーカーや中邑が乗り込んでいるためか、何となくオシャレっぽさが漂います。
特大のオナラやゲップをブッ放したり、缶ビールを1ダース持ち込むようなむさ苦しい輩は現代の巡業バスからは絶滅したのでしょう。
やや残念だったのは、極悪外人ヒール軍「バレットクラブ-BULLET CLUB」への密着がなかったこと。
アメプロの権化でもあるリーダー・AJスタイルズにとっては実質初めてのジャパンサーキット。
異常なほど日本に馴染んでるカールアンダーソン達とツルんでどんな珍道中になったのか是非とも見てみたかったです。
優勝戦開場前の西武ドーム客席で牛丼をかき込むオカダカズチカ。これはタニマチ・吉野家のゴリ押しではなくゲン担ぎの意味があるそうです。
いろいろ億劫になったのか、最近はその好青年っぷりを隠しもしないレインメーカー。このシーンの他にも随所にベビーフェイスな素性を披露していました。
牛丼のご利益もあってかレインメーカーは見事G1を制覇。
華やかなステージから降りてすぐ、文字どおりの舞台裏でグッタリとへたり込む姿はプロレスラーという職業の苛酷さをあらわしています。
そして味わい深かったのは、その舞台裏から記者会見エリアまで向かうクルマの中での師弟コンビ。
オカダ同様、いい人っぷりをすっかり隠さなくなった悪徳マネ・外道が見せた涙キラリの顔芸(?)こそこの番組のハイライトと言えるでしょう。
「興味深い」という言い方がピッタリの舞台裏ドキュメント。試合とオフショットが半々ぐらいの構成でした。
レスラー自らがSNSに参戦するようなこの時代に“幻想”という昭和プロレス的なエッセンスはどうやっても作り得ません。
だったらこんな感じでありのまんまの“素”を見せていく手法は大いにアリなのでは?
ぜひともバレットクラブ込みでの第2弾を投下してほしいものです。