録画した日〔2014/3/7:TOKYOMX〕
虎の穴のラスボス・ミラクルスリーが、伊達タイガーの舎弟・ケン高岡への挑戦を表明。
ブッカー馬場さんと当事者ケンはこれをあっさり受諾します。
「タイガー、聞いたか?」というスットボケにも程がある馬場さんはともかく、伊達タイガーはこのマッチメイクの危険性を深刻に懸念。
両者の圧倒的な実力差とケンの鉄砲玉気質を鑑みれば、愛すべき舎弟に命の保証はありません。
覚悟を決めたケン高岡は墓前での決起表明というプロレスラーの定番デモを敢行。師匠・伊達タイガーへの忠誠をリング禍で殉死した先輩・大門大吾に誓います。
そしてその光景を見届けた伊達タイガーは「犬死にだけはするなよ」と一言。
“3人”の絆を感じさせる名シーンです。
試合前の時点において、ミラクルスリーは正統派の実力者という位置付けでした。
そしてこれが初めての対日本人選手。
決戦の地・東京体育館に集まったプロレスファンの期待感はいやがおうにも膨れ上がります。
そんなファンを仰天させたのが、ミラクルスリーの大メタモルフォーゼ。
ゴング前おもむろに飛び上がったかと思うと白の虎覆面コスチュームに早変わり。
放送席からマイクを強奪して「レディース・アンド・ジェントルメン、たった今から私のリングネームは、タイガー・ザ・グレートだぁ!」とブチ上げました。
TV中継用マイクでの絶叫なので会場のファンに伝わったかは不明ですが、とにもかくにもミラクルスリーあらため今日からはタイガー・ザ・グレート。
試合直前の超展開でアッと言わせるこの手法は、昭和58年11月のザ・コブラデビュー戦におけるザ・バンピード(デイビーボーイ・スミス)へ継承されています。
名前だけでなくファイトスタイルも大転換したザ・グレートは、正統派イメージを180度覆す残忍無比の極悪ファイトでケン高岡を圧倒します。
このあたりはさすが虎の穴最高峰レスラー。先ごろ引退表明した某選手(パワー・ウォリアー、マスクドボルケーノ)も見習ってほしかった見事なギミックチェンジです。
起死回生のキーロックを仕掛けたケンを悠々と担ぎ上げるなど、反則技なしのストロングスタイルでも当然実力は段違い。
NYの帝王・ボブバックランドの定番怪力パフォーマンスは、実はこの日の東京体育館タイガー・ザ・グレートへのオマージュだったという事なのでしょうか。
全く歯がたたないケン高岡は苦し紛れの反則暴走。
しかしここでもザ・グレートは「やれんのか、イエローデビル」と封印ギミックをおちょくるマインドゲームを仕掛け、メンタル面でもケンをズタズタに叩きのめしました。
その名に違わぬ凄玉っぷりを見せつけたザ・グレート。
一方、命こそ落とさなかったもののケン高岡はボロボロ、戦列復帰は難しい模様です。
そしてこの一戦をもってエピローグへの仕込みは全て完了。
残り4話、伊達タイガー最後の戦いを待ちましょう。