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2012/11/25

プロレスの星 アステカイザー #13「二人のアステカイザー」

録画した日〔2012/11/20:チャンネルNECO〕

ヒザを痛めて引退した元チャンピオン・ジャガー春木が道場に乱入。
「すわ、道場破りか」と戦々恐々の展開ですが、この元王者は現在失業中の身。後輩の東都プロ現場責任者(自称)のジョー神崎に、プロレスコーチ職での雇用を嘆願しに来たのでした。
悲運の王者・ジャガーと自称現場責任者・ジョー神崎のやり取りは以下のとおり。
後輩レスラーへの形振り構わぬ復帰志願から、ジャガーが身を置く泥濘が滲み出ています。
  • 神崎「えっ、コーチ?、春木さんがですか…」
  • ジャガー「頼むよ、ずっと仕事がなくてね」「プロレスのことしか知らない男なんで、どこも使ってくれないんだよ」
  • 神崎「しかし、ウチも大変なんですよ」
  • ジャガー「給料はいくらでもいいんだよ(懇願)」
  • 神崎「悪いんですが、とても春木さんの給料を払えるような状態じゃないんです」
  • ジャガー「そこを何とかならないかな。去年子供が生まれてね」
  • 神崎「お気の毒ですが…」
  • ジャガー「そう…(悲嘆)」
何とも切ないプロレス哀歌。
ただこの展開、私のようなしがない会社勤めのオッサンには理解できますが、「プロレスの星」を掲げるヒーロー番組としてはいかがなものかと…。
これを見たクソガキ連中が「プロレスじゃぁ食えねぇのか」とネガティブイメージを持ってしまう可能性も十分考えられます。
超過激コンビ・猪木&新間の「環八理論」をも否定しかねない、方向性に問題ありの貧乏アングルと言えるのではないでしょうか。
ヒール軍・ブラックミスト番頭のサタンデモンは、目ざとくもジャガーの状況を把握。無職のジャガーを洗脳して偽アステカイザーに仕立て上げます。
サタンデモンはこの偽物をコテンパンに公開蹂躙、ブランドイメージの低下を避けたい「ホンモノ」を誘き寄せる高等戦術です。
緊急参戦したホンモノは、サイボーグ格闘士・バルカンナイトの誤爆を誘発してヒール軍を一蹴します。
そして「悪意のない偽物」ジャガー春木は洗脳から解放。現実社会=ゴールの見えない就職活動へと戻って行きました。
ジャガーのその後の顛末は不明。紹介予定派遣の要領でブラックミスト軍に一時在籍する選択肢もアリだったかも知れません。

ちなみに今回、新日プロ精鋭陣も久々に登場しました。
  • アニマル岡部=テロリスト・藤原喜明
  • グレート赤木=前座の力道山・荒川真(ドン荒川)
ヒーロー番組とはかけ離れた激渋マッチメイクにワクワクだったのですが、肝心の試合シーンは照明が暗すぎて詳細確認が不能状態。
放映時間は30秒程度。まぁレフェリー役の鬼軍曹・小鉄さんも含め、出てきてくれただけで取りあえず嬉しいプレゼントです。
何より今回は、スターレスラーの挫折と悲哀を描いた見応えのあるストーリー。全26回の折り返し地点、どうにか私の気力も「完走」まで持ちそうな気がしてきました。