LAステイプルズセンターで開催された金網重視のPPV。
メインはテイカーvsレスナーの最終決戦です。
「スープレックスシティ!」→「アンダーテイカー!!」のチャント応酬が勃発するなど試合前からお客さんは大盛り上がり。
1年半前の遺恨を蒸し返した強引なマッチメイクではありますが、デカくて凄いヤツがバーンと並んだらそんな事はどうでもいい話。プロレスの本質を如実に表す超大物2人による名場面です。
大本営実況席は両雄の偉業を賛えるフレーズを連呼。
それによるとこの抗争はどうやらこれでホントに打ち止めとなる模様。近年屈指のビッグアングルを勝ち負けやヒール/ベビーの枠では括らず、格調高く厳かに演出したい意図が伝わってきます。
試合は恐怖の「地獄行きツアー(GO TO HELL TOUR)」最終戦となる猛獣レスナーが終始攻勢。スープレックス祭りinセルはジャーマン3発にF5が2発という構成でした。
もちろんこれらを凌ぎ切ったテイカーを賛えるべきでしょうが、2m超の怪人を軽々とブン投げまくる猛獣レスナーのポテンシャルにも驚愕せざるを得ません。
テイカーの驚異的な粘りに手を焼くレスナーは、おもむろにリングマットのほつれをビリビリ裂いて中の板をむき出しにするという斬新なハードコア無法行為を敢行。
クッション無しとなったマットへ殺人技F5をブチ込み何とか最終決戦を制しました。
ちなみにF5前にレスナーは無防備のテイカーへ卑劣なローブロー攻撃。サマースラムの意趣返しとはいえ「あの最強レスナーがなりふり構わず…」的なフィニッシュとなりました。
無論これらはテイカーにとって重要なエクスキューズ。
たとえセルに沈んでも25年掛けて築いたステータスが揺らぐ事はありません。
シェイクハンドや肩車(?)などはなかったものの、闘った者同士無言でお互いを認め合った感じの勝者と敗者。
これでレスナーはいよいよテイカー超えの未踏の領域に。顔芸だけで表現される実に重厚なWWE流の闘魂伝承劇だったのですが…。
テイカーへの賛辞が鳴り止まないステイプルズセンターを切り裂いた「ジェッ」の掛け声。
ここから先は毎度おなじみの展開。暗転したリングへと歩を進めるのはこれっぽっちもお呼びでないワイアット一家の面々です。
いくらテイカーでもF5被弾後の1vs4ではさすがに白旗。為す術なくワイアット一家に捕獲されどっかに連れ去られてしまいました。
テイカーの今後はまったくもって不明。このまま洗脳されてまさかのワイアット一家入りもあるでしょう。
ちなみに次回PPVは「テイカー25周年記念」とデカデカ銘打たれているみたいですが…。
①US王座オープンチャレンジ戦:ジョンシナvsアルベルトデルリオ
素行不良かなんかでクビになってたメキシコの超良血・アルベルトデルリオが水と油だったはずのUS極右オヤジ・ゼブコルターをセコンドに付けて電撃カムバック。そこはかとなく漂う出オチ感などものともせず、絶対王者・シナを倒してのUSベルト戴冠というサプライズ劇を完遂しました。
②セル戦:ロマンレインズvsワイアット
次代のWWEを担わなきゃいけない2人の金網戦はニアフォール連発の好勝負。斬新なケンドースティック串刺し攻撃を全世界の予想どおり自爆させたロマンレインズが渾身スピアーでワイアットを粉砕しました。
③WWEタッグ戦:ニューデイvsダッドリーボーイズ
ダッドリーボーイズに貴重なトロンボーン奏者・ウッズを病院送りにされたニューデイでしたが、1人欠けた状態でも盤石の勝利でベルト防衛。稀代のレジェンドタッグを返り討ちにしたのはこれで3回目だか4回目。今や押しも押されぬトップヒールの3バカ(1人入院中)です。
④ディーバ王座戦:シャーロットvsベラ姉
セコンドなしの1対1戦はシャーロットが手堅く防衛に成功。試合後は盟友ベッキーとともに渦中のペイジも祝福に駆け付けたのですが、女3人、どっからどう見ても次なるモメ事への前振りです。
⑤WWE王座戦:セスロリンズvsケイン
「悪魔」ケインが負けたら「運営部長」ケインが即失脚するというWWEならではの超茶番マッチ。上司トリプルH直伝のペディグリーでロリンズに凱歌が上がりましたが、ズルズル続いた「運営部長」ネタのヤメどきとしてはベストだったのではないでしょうか。
⑥IC王座戦:ケビンオーエンズvsライバック
WWE戦を抑えて何故かセミファイナルに抜擢された特に何もないIC戦は、特に何もなく王者ケビンが防衛に成功。このポジションはいろいろ人材過多のはずなんですが、ライバックの次が思い付きません。